とにかく作りかけが多いこの数年です。本人も頑張っている気がしないのが大問題ですが、問題意識が欠落しています。仕事なら納期に追われてと言うこともあるのですが、発注元と受注者が同じでなので全てが甘くなりズルズルです。
こんな仕事が現実にあるのなら会社どころか國まで沈没です。
沈没したくないのでそろそろ見直しをと考えて所用で九州に出かける前にちと大掃除、その甲斐あって帰宅後試験中に故障してしまったSNCF 241P を直し始めました。原因が分かったのでその手直しと最終調整が始まったところです。
この写真は、弁室蓋を締めてエア運転試験を始めた時のものです。延べ二日間、30分程度は問題なく動いたのですけど三回目にエアを入れるとびくともしなくなりました。結構なショックでありました。
このSNCF 241Pは、実機と同じ複式エンジンを模型化しています。つまり最初のエンジンで利用した蒸気を次段エンジンに送り込み水になるまでエネルギーを搾り取ろうという仕掛けになっています。この方式は早くから注目されて欧州で改良が続けられて最終的には日本の蒸機が及びもつかぬ熱効率を実現しています。難点は仕掛けが複雑で技術者や機関士にも一定以上のスキルが必要なことでした。この方式の機関車を盛んに運用したのがSNCF・フランス國鐵です。近隣諸国にも複式がありますが、浅学非才な私が分かるのはこれだけ。(^0^;)
これらの蒸機を忠実に模型化したのがかってのアスターホビーでありましたが。(^0^;)
SNCFのU1やスイス國鐵の小型蒸機も複式エンジンで模型化されました。私の手からは洩れていますけど。
241Pの下回りの主要部分です。主台枠の中にあるのが一段目の高圧エンジン、左右にあるのが二段目の低圧エンジンです。
実は、試運転を終えて前部の低圧シリンダから艤装を始めたのですが、数日後にエア運転試験をやってみると全く動かなくなりました。手回しでちょっとだけ反応はあるのですが、注入した給気が排出されない。弁を閉めた状態です。落としたり無理に回転させることは無かったので解せない結果。(^0^;)
此処でよく考えれば逆転機を中立にした状態と気が付いたかも知れませんが、長期間の作成のやっと目処が立ったと浮ついていたのがいけませんでした。
原因は、次の写真に見えるプラスねじが緩んでいたこと。この結果、左右に振れるべきリンクの振れが小さくなり逆転機を中立にした状態になったようです。(^0^;)
左右にあるこのリンクのネジをロックタイトで締め込みました。いったん組み立てると補修困難な場所ですから慎重を期しました。
折角シール剤で組んだ弁室蓋ですが、外すのに苦労したので再度蒸気ポートの開き具合を調整の上締めるつもりです。ほんのちょっとの組込みミス?で動かなくなるとはね。複式エンジンのメンテナンスは難しいなぁ。
蒸気ポートも開くようになりましたが前後のバランスを取る調整が待っています。
前部低圧エンジンにはカバーを付けてしまいましたが、まさかこれを剥がす必要は無いだろうと思っています。再試験の結果次第です。
カバーを被せる前のドレイン孔は実機らしく仕上がったのですけどね。
ドレインは横に出して更に下方に向かっています。
今回はこんなところです。
この機関車の組立ノウハウですが、作る人は皆無なので結局私の作業メモでお終いでしょう。走る東海道線の車内で書きました。富士から熱海に向かっています。