霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

放射能汚染の加害者は誰  その二

2025-03-05 16:10:46 | 山菜
    同じ山菜でもワラビは収穫しても次々と芽を出すので収穫適期は2~3カ月
と長いがタラノメの収穫適期は短く一週間程度で終わる。
 しかも、地球温暖化の影響もあって生育が早まり収穫適期も2日程度短く
なりつつある。
 市では「放射能検査に要する日数は3日」とのことだが、収穫して検査を
依頼するのに1日、合格通知を得た後に収穫して産直出荷するまでに1日を要す
ることを考えると、検査のために収穫適期の大半を徒過し販売チャンスを逸し
てしまうことになる。
 中山間地で農業を営む者にとって山菜販売は「春の貴重な収入源である」
ことに対する配慮は微塵も感じられない。
 また、タラノメは米のように毎日食べるものではなく、春の一時期に食べる
ものなので「石橋を叩いて渡る」厳格性は必要無いものと思われる。
 このような厳しい対応を示す一方で、白い大地や永年性牧草では「公然と
詐欺行為を容認」している。
 そこにあるのはコンプライアンスに基づいた市民サービスよりも「の都合
優先する」悪しき体質である。
 原発事故による放射能汚染を招いたのは国であり、国民は失政の被害者で
あることを忘れてはならない。



 念のため、震災当時の市の対応を記録として残しておくことにする。

 3.11震災直後の春は当地域が放射能に汚染されていることを知らないまま例年
通りに山菜を販売していたのだったが、晩秋になって乾燥シイタケが安全基準を
上回っていたことで他の山菜についても翌年から販売停止となった。
 あるシイタケ生産者は「乾燥したシイタケをそのまま食べることは出来ない。
食べられるよう水で戻せば基準数値を下回る」と嘆いていたが、もっともな理屈
思って聞いた。
 タラノメについては翌春から販売停止になったが、当初は、検査して基準を
クリアしたら販売可能としたが、一ヵ月後に一部の地域で基準をオーバーした
ことから「市内全域を販売停止」としたもので、これも市が生産者に連帯責任
を負わせた過酷な措置だった。
 そして、「それによって被る損失は、産直側で生産者分も含めて東電に請求
する」との説明だったが、そのような対応は直ぐに雲散霧消してしまった。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

放射能汚染の加害者は誰 その一

2025-03-04 21:19:58 | 山菜
 福島原発事故による放射能汚染でタラノメが販売不可となって10年以上
経過した昨春、市から「検査で合格すれば販売可」との連絡が入った。
 既に事故の翌年に5千円の検査手数料を支払って「合格通知」を得ていた
ので、検査不要と思って問い合わせたら「再度検査が必要」とのことで驚いた。
 更に今日、今春の対応についても「昨年検査合格でも再検査が必要」と驚愕
見解を示され呆れてしまった。
 それほどまでに「市民の食生活の安全」に厳格さを貫くのであれば、放射
汚染の元凶である原発を止めるべきで、被害者にのみ「石橋を叩いて渡る」
厳しい基準を課すのは「単なる弱い者イジメに過ぎない」と対応した若い職員
抗議した。
 いくら抗議しても方針が変わることが無いことを知りつつも腹立ちついでに
次のような「思い出話し」をして席を立った。 



 福島原発事故が起きた翌年、県から鶏卵生産者に文書が届いた。
 「鶏に野菜屑等を食べさせてはならない。違反したら鶏卵の販売を停止させる
ことになる」と、まるで生産者が放射能汚染の原因を作ったかのような高圧的な
内容だった。
 ムッとして直ぐ電話で「今回の事故は原子力ムラで暮らす人々が私腹を肥や
すために危険極まりない原発にも関わらず『安全神話』を捏造して引き起こし
たもので生産者は被害者である。加害者から命令口調で言われる筋合いはない。
文書の冒頭で『お詫びの言葉』が有って然るべき。」
 更に続けて「そもそも放射能汚染で販売が禁止されているのは山菜であり、
野菜は販売を続けている。人間が食べて大丈夫にも関わらず『鶏に食べさせ
てはならない』とはどういうことか」と抗議した。
 県の担当者は「国から来た文書をそのまま流しただけ」と言い訳するだけ
だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タラノメ林復活に向けて

2025-02-16 19:51:13 | 山菜
  春になると田畑の周囲からタラノメを採って産直に出荷するのが里山生活
の愉しみの一つでもあった。
 しかし、福島原発事故後はそれを奪われてしまい、林立していたタラノメ
は悉く伐採してしまった。
 10年余を経過した昨年になってようやく販売制限が解除されたので、
改めてタラノメ林の復活を目指し始めている。
 タラノメは生長が早く一年目から収穫可能で、また、折ったり斬ったり
しても、直ぐに「三倍、四倍返し」で復活してくるので頼もしい。
 田畑周囲の灌木や竹は陽当たりと風通しを悪くすることから、草刈機や
チェンソウを使って除去するようにしているが、今年からタラノメは残す
ことにしている。



 チェンソウを使うのは一年振りとなり、未だ雪の残る日陰の傾斜地での作業は
予想以上に重労働で、大汗をかき2時間足らずでギブアップとなった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

唐箕掛け終了

2025-01-10 18:58:09 | 山菜
    二日で終える予定だった「唐箕掛け」は三日掛かりとなったが無事に
終えることが出来て14日の検査にも対応可能となった。
   それでも選別や乾燥が不十分なものも多く「等外評価」となるのは止む
を得ないもの覚悟している。



    今季一番の寒気襲来となり当地は放射冷却現象で早朝は氷点下4℃と厳し
い寒さで大雪とはならなかったものの外は一面雪景色となった。
   しかし、中山間地特有の長く高い畦道の斜面は日差しを浴びると直ぐに雪
が解ける。
   就農当初、そんな南向き斜面で1月末ぐらいから「バッケ採り」に興じ
ことが思い起こされる。
   中心となって頑張った愛妻にその馬力は既に無く、また、出荷出来るよう
に整えてくれたバアチャンも彼岸に旅立って久しいが、昨日のことのように
懐かしく思い起こされる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「宝の山」になるかも

2024-04-27 21:14:09 | 山菜
 数年前、門口東側の杉林を伐採して畑にしたが、原発事故以前はタラノメの
宝庫で、シーズンになるとタラノメ収穫が朝の日課となっていた。
 木の大小によって収穫期が異り、また、一番子を収獲すれば二番子、三番子
が期待出来るので6月上旬ぐらいまでコンスタントに収穫が可能だった。



 販売自粛が解除されたことから、来年に向け新たなタラノメ林を何処にする
かで胸をワクワクさせている。
 実質的に「負の資産」となっている山が絶好の候補地となるが、冬の間に
収穫の妨げとなる竹藪や潅木を除去することが出来るかどうかが課題となる。
 それをクリア出来たら「負の資産」が「宝の山」に変身するかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする