雪が降り始める初冬から春の雪解けシーズンに掛けて老狸が家の周辺を
ヨタヨタしながらうろつき始め、数日後には死骸となってビニールハウス
や車庫に横たわっている。
そんな事象は例年のことで、狸は我が家を葬儀屋と勘違いしているらしく、
今季は既に二遺体の片付けを強いられている。
今朝もその予備軍が軒下で日向ぼっこをしていたので、山に戻るよう竹箒
で追い払おうとしたところ触れただけで絶命したかのように横たわって動か
なくなった。
しかし、これは単に「死んだふり」をする「狸寝入り」でしかなく一分も
しない内にまた動き出すのだった。
狸は有害獣で豆やトウモロコシを食べる「百姓の敵」である。
そんな狸の死後の世話までさせられたのでは間尺に合わない。
「狸は化ける」と聞いたことがあるので絶命する前に「札束」にでも化けて
貰えると有難いのだが・・・。