霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

負の遺産

2024-12-30 21:08:14 | 経営
 維持できず何も産み出さない農地を相続するのは負債を引き継ぐに等しい。
   何故なら、相続登記に一筆単位で司法書士に高額な代行手数料を支払う必要が
あるだけでなく、市役所に毎年資産税を納付する義務が伴うからである。
   農地は「手を掛ける」ことによって食料を自給しつつ家計を支える大黒柱足り
得るが、機械化が進んだ今は昔のような労働集約的農業を行うことは困難になっ
ている。
 従って、「先祖代々引き継いで来た貴重な農地を減らす訳には行かない」と豪語
する時代は既に過去のものとなっている。
 都市部では、維持出来ず売却も出来ない家屋等の不動産の処分を有償で請け負う
会社が全国で20社も存在するとのこと。 
 それでも、時代の大きな変化に鈍感な田舎では頭の切り替えが出来ないまま
「負の財産」を後生大事に引継ぐ人が多く、相続人は数十万円の登記手数料を
請求されてアッと驚くことになるのである。


 
 最後に残った大豆を収穫しようとしたが、既に劣化した粒が多かったので
断念することにした。
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食料安全保障

2024-12-22 21:04:14 | 経営
   仙台で運送業を営むO社長から農業問題を取り上げた雑誌や本を頂戴する
ことが多い。 今回は、文芸春秋と写真の本を山形経済フォーラムの仲間で
あるSさんを通じて頂戴した。 なんと、Sさんは「この7月からO社長の会社
で働いている」とのことで驚いた。

 「食料安全保障から考える社会のしくみ」と副題のついた本書は、今までの
自分に無かった視点で書かれていて、また、おぼろげながら疑問に感じていた
点の解消にも繫がる好書となった。



   本書を要約して紹介するのは至難の業なので「はじめに」と「おわりに」
の一部を抜粋するのみとした。

「はじめに」から
    農業の産業規模がGDPのわずか1%しかない先進国で飢えることはほぼない
のに国民の殆んどが農家である途上国では飢餓がしばしば発生する。食料を
作らない都市住民は餓死することが少ないのに、食料を自ら作る農家が餓死
することが多い。こうした経済システムの奇怪な現象が農業や食料ではよく
見られる。食料問題の解決は、食料をたくさん作ることでも、みなが農家に
なることでもない。非農業の産業が元気で農業も元気だ、という条件が必要だ。
非農業の雇用がしっかりあり収入も十分あって、食品を妥当な価格で購入する
とき、食料は人々にゆきわたる。農産物が売れて農家も儲かる。しかし非農業
に元気がないと、農家は売り先を失って貧しくなり、非農業の労働者もお金が
なくて食べるのに苦労する。飢餓や貧しさを回避するには、非農業の元気さが
欠かせない。農業だけでなく、経済システム全体への配慮が重要だ。

「おわりに」から
 国内の農業が儲かるかどうかも、農業以外の国内産業が元気かどうかで左右
される。農業を考えようとすると、非農業の産業を考えなければならない。
つまり、日本国民が飢えないようにしているのは農業だけではない。非農業の
人たちの力も非常に大切だということだ。
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農業委員会は使命を放棄か? その二

2024-11-22 18:42:45 | 経営
   農業委員会の元会長だった小学時代の級友から「農業委員会の本体組織は
川崎にある。詳しいベテラン職員に相談した方がいいのではないか」とアド
バイスを頂戴したことから、早速、事務局長宛にメールを送ると共に、当地
を担当する農業委員にもブリントして手渡した。



                        令和6年11月22日
 一関農業委員会
 事務局長 様

 一関市萩荘の熊谷良輝と申します。
 田畑の譲渡や賃貸でいつも大変お世話になっております。
 現在、耕作面積の拡大や耕地の広域化を図りながら自立出来る農業経営を
目指し取り組んでおり「認定農業者&地域の担い手」として10年先を睨んだ
地域計画策定にも参画しているところです。
 そんな中、当集落内で今年から耕作を諦めた農家がいたことから、「来年
から賃貸或いは譲渡で耕作させてくれないか」と春から折衝を続け、集落内
中心部については既に賃貸契約の許可申請を提出済となっていますが、山間
部にあり我が家の農地と隣接する耕地については、「バブル期のように将来
土地の価格が上がるかもしれないから貸すことも売ることもせずに荒れ地と
し、何年後かに原野に地目変更をする」と拒否されてしまいました。
 「農地の転用はそんなに簡単には出来ない」と主張したところ、農業委員
会に転用の手続きを教えて貰ったので大丈夫」と反論されてしまいました。
 それらを踏まえ、一関担当の職員に相手方の指導をお願いしましたが、
進展がないまま推移しているところです。
 農地の転用等の許可権限を与えられている農業委員会の使命、役割りを
踏まえれば、単なる「届け出、承認組織」に堕することがあってはなりま
せん。
 事務局長様に然るべき対応をお願いする次第です。
 なお、昨日のブログ記事を参考に添付させて頂きます。                       
                            以 上

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不在地主解消へ

2024-11-19 20:07:30 | 経営
    当集落中心部に位置する山林原野の内、二筆2000㎡の地権者の居所は不明で
集落内に連絡先を知っている人は皆無だった。
 山林の樹々が伸びて支障木となっていたので登記簿で住所を調べ手紙を出し
たところ、返信は無かったものの一年後に業者が伐採してくれていた。
 早いものであれから17年も経過している。
 先日、宇都宮在住だった地権者から電話が入り「2筆を譲り受けて欲しい」と
の依頼だった。
 必要の無い土地だったが、将来基盤整備事業等を実施する際にネックとなる
ことが危惧されたことから二つ返事で譲り受けることにした。
 「登記手続きは当方が行う」と伝え登記申請書等を準備していたら昨日にな
契約書が必要等々ピント外れな主張をし始めたので「売買価格を釣り上げ
ようしているのか」と疑念を抱くようになった。
 そして、今日の昼には突然「この話しは無かったことに」と言って来たこと
から双方激高しての応酬となった。
 それでも、夕方になると「司法書士に依頼し登記手続きをするで、譲り受
承諾のみをして欲しい」と言って来た。
 どうやら司法書士のカモにされたようだが、当方にとっては手間が省けるだけ
なので「即OK」を出した。
 ちなみに司法書士に「支払う手数料は如何ほど?」と訊いたら「5万数千円」
とのことだった。
 なお、売買代金は2筆とも非課税資産だったのでゼロ円でもよかったが、声を
掛けて貰った感謝の意を込め1筆千円で結着を図った。

(昨夜、今季初めての雪が降った)

 数年前に近隣地区で基盤整備事業に着手したら、溜池の共有者の一人が相続登記
をしないまま何代も放置したため推定相続人が36人にも達し、その承諾を得る
のに「困難を極めた」とのこと。
 そんな将来に禍根を残す事態は「絶対避けたい」一心での折衝だった。
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賃貸借契約成立

2024-11-13 18:56:33 | 経営
   集落内で来年から耕作を停止する農家があるとの情報があったことから
「借入契約」をすることで地権者と交渉を続けていた。
 紆余曲折があったものの何とか合意を得て今日農業委員会に「利用権設定」
の届け出を済ませた。


 
 産直での米の供給不足が否めない状況となっていたので、年間通じてコン
スタントに供給するため耕作面積を増やすことが緊喫の課題となっていた。
 今回の契約による耕作面積の拡大で乾燥機や備蓄庫の容量等々の見直しが
必要となるが、当面は現有設備で凌ぐこととしている。
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