スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

マイルグランプリ&意味する範囲

2012-10-24 20:42:23 | 地方競馬
 秋に移設されてからは2度目となる第19回マイルグランプリ
 ピエールタイガーを制してブリーズフレイバーの逃げ。ピエールタイガーは抑えきれないような手応えで2番手に控え,少し開いた3番手にディアーウィッシュ。その後ろはスマートインパルス,マニエリスム,ラインジュエルが併走。ここまでが好位でまた水が開き,トーセンルーチェ,フジノウェーブ,ドリームライナーといったところが追走。前半の800mは49秒5のミドルペース。
 ピエールタイガーは3コーナーで先頭に。追ってきた後続勢の中で手応えがよさそうだったのが外を回ったラインジュエル。しかしピエールタイガーはそのまま危なげなく押し切り,2馬身半の差をつける快勝。ラインジュエルが2着。4分の3馬身差の3着は3頭による接戦でしたが,中のフジノウェーブが内のマニエリスムと外を豪快に追い込んだボンネビルレコードを斥けました。
 優勝したピエールタイガーは昨年の北海道ダービー馬。昨秋から南関東に移籍し,今年に入って7月まで5連勝。その後の南関東重賞2戦が2着,5着,重賞7着を挟んで前走のオープンは圧勝。実力的に南関東重賞制覇も時間の問題と考えていましたが,ここで達成しました。おそらく距離はこれくらいが最適で,現状では重賞ではまだ苦しそうですが,南関東重賞であればまたどこかでチャンスがあるものと思います。母の父がダイタクヘリオス。伯父に1997年の帝王賞を勝ったコンサートボーイ
 騎乗した真島大輔騎手は5月の東京湾カップ以来の南関東重賞制覇。第14回以来のマイルグランプリ2勝目。管理している荒山勝徳調教師は初勝利。

 こうして第二部定理九に十全な原因という観点を導入することによって得られた第二部定理一二に関する結論というのは,僕が考えている第二部定理一二の意味と一致します。すなわちこうして考える限り,第二部定理一二でいわれていることは,人間の精神の現実的有を構成する観念の対象ideatumの中に起こることを,その人間は十全に認識するということであり,いい換えれば混乱して認識することはないということになるのです。
 事情はこうなっているのですが,しかし一方で僕は,この結論に関して腑に落ちないものを感じもするのです。その理由というのは,こうした結論を得る前提として,ある人間の精神を構成する観念の対象ideatumをその人間の身体であるとしたときに,この身体の中に起こることに対して,その人間の身体が十全な原因となっているということが前提されているからです。しかしこうしたことがその前提として同時に導入されているならば,この定理が現実的な観点において意味することができることというのは,かなり狭い範囲になってしまうように思えるのです。
 このときに僕が念頭に入れているのは,たとえば岩波文庫版でいえば117ページの,第二部自然学②要請三です。この要請からして,ある人間の身体が外部の物体と協同して,ある運動ないしは静止の原因になるということは,きわめて多く生じるように思われます。するとその運動ないし静止というのは,同113ページの第二部自然学②公理一により,その人間の身体の現実的本性と,外部の物体の現実的本性の両方を原因とするということになるでしょう。よって第三部定義一により,その人間の身体はこの運動ないしは静止に対しては部分的原因であるということになります。
 もしもその運動ないし静止が,その人間の身体の外に起こるのであれば,このことは現在の考察とは無関係です。しかしそれが必ず外に起こるということを保証するような要素は何もありません。むしろそうした運動ないしは静止というのは,その人間の身体の中にも生じると考える方が自然に思えます。そして先述したように,それは頻繁に生じると考える方が妥当に思えるのです。
コメント
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