スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

近代競馬150周年記念天皇賞&原因と結果の措定

2012-10-28 18:53:36 | 中央競馬
 天覧競馬となった第146回天皇賞
 シルポートの逃げは大方の予想通り。向正面からどんどん後ろを離していきました。2番手がカレンブラックヒル。開いてダイワファルコン。さらに開いてフェノーメノとなり,アーネストリーとジャスタウェイ,その後ろにサダムパテック,フェデラリスト,トランスワープ,トゥザグローリーの4頭が続き,ダークシャドウ。エイシンフラッシュとトーセンジョーダンが後方集団の最前列。前半の1000mは57秒3の超ハイペース。もっともこれは飛ばしたシルポートのみに該当するといえます。
 直線に入ってダイワファルコンがカレンブラックヒルに並び掛け,そこからカレンブラックヒルもシルポートを捕えに。その間に直線に入ってすぐに開いたインから追い出されたエイシンフラッシュと外に回ったフェノーメノの2頭が伸び,最後はこの2頭の離れての争いとなりましたが,最内のエイシンフラッシュが半馬身差で優勝。正攻法のフェノーメノが2着。さらに外を通ったルーラーシップが1馬身4分の1の差で3着。
 優勝したエイシンフラッシュは一昨年のダービー以来およそ1年半ぶりの勝利で大レース2勝目。僕はこの馬はスローペースの瞬発力勝負となったときに好走する馬と考えていて,シルポートが出走するここでは出番はないだろうと考えていました。しかしそれは見当違いで,脚を溜めていかれるなら,ハイペースであっても力を発揮できるようです。そうであるなら適性は中距離にあるのではないでしょうか。いずれにせよ注文がつくタイプの馬であることは間違いなく,今日はうまくいきすぎた感もありますから,今後も好走と凡走を繰り返すことになるのではないかと思いますが,一級の能力をもった馬であるということは間違いありません。
 騎乗したのはイタリアのミルコ・デムーロ騎手で日本馬に騎乗しての大レース制覇は昨年のドバイワールドカップ以来。日本での大レースは一昨年の有馬記念以来で天皇賞は初勝利。管理している藤原英昭調教師は一昨年のダービー以来の大レース制覇で天皇賞は初勝利。

 第二部定理九系のうちに具体的な原因と結果というのを見出すときに,なぜ僕が出したような結論になるのかということにことについては僕はまだ詳しく説明していません。今回はその点も分析しておきます。
 まず,第二部定理九というのは,現実的に存在する個物の観念についての言及です。この点はさすがに異論も出ないでしょう。よって第二部定理九系が第二部定理九から帰結するのであれば,第二部定理九系もまた,現実的に存在する個物の観念に関するようなある記述であると理解しなければなりません。これに関してはそれ自体で明らかであるとだけいっておきます。
 このことから,第二部定理九系のうちに具体的な原因と結果を措定するとしても,そのどちらも現実的に存在する個物の観念でなければならないということが,いわば大前提として出てくるわけです。スピノザは第二部定理九系の中では,各々の観念とか,個々の観念の対象ideatumの中に起こることとだけいっていて,とくにそれが現実的に存在する個物であるとはいっていません。第二部定理九系が平行論的証明のみによって論証されるならばこのことは考慮の外において構わないと僕は考えますが,いわゆる因果論的迂回を経て証明されるなら,それが現実的に存在する個物についての言及でなければならないというのが僕の見解です。
 よってここでいわれている観念は,現実的に存在する個物の観念です。そしてその個物の観念の対象ideatumの中に起こることの観念についても言及されているのです。ですからここで原因と結果として具体的に措定され得る何かがあるとしたら,その両者のどちらか以外ではあり得ません。この系はそのことだけをいっているのですから,これはきわめて当然でしょう。
 するとこの場合には観念の方が原因であって,起こることの観念の方が結果であるとしかみなせません。これはそう考えなければ第二部定理九と第二部定理九系との間で齟齬を来すことになるからですが,それよりも,第一部公理三からして,結果の発生には原因が不可欠であるということから自明です。もしも観念がなければ,その観念の対象ideatumの中に起こることの観念は生じようがないからです。
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