スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

アロヨセコマイル&適用の意味

2012-10-07 19:18:59 | 海外競馬
 来月3日にサンタアニタ競馬場で行われるブリーダーズカップターフを目指して昨年のアルゼンチン共和国杯と今年の京都記念を勝っているトレイルブレイザーが渡米。本番前の試走として日本時間の今朝6時過ぎに発走のアロヨセコマイルGⅡ芝8ハロンに出走しました。
 出走したのは5頭。トレイルブレイザーは2番枠からの発走で,発走直後は1番枠の馬の2番手でしたが,外から来た馬も先に行かせ,3,4番手の内での競馬となりました。そのままレースは進み,4コーナーで1頭が早くも圏外。直線に入るところで切れこむように大外に出し,その時点で前を進んでいた2頭を追撃。1頭を交わし,もう1頭に並び掛けようかというところでゴール。半馬身差の2着でした。
 芝の馬のレベルはアメリカよりも日本の方が上ですから,日本でトップクラスとはいえないこの馬でも好勝負は可能。このレースはあくまでも試走で,この馬には明らかに距離が短かったですから,むしろ上々の結果といえるでしょう。勝ち時計が1分31秒95とかなり速く,この距離でのそういうレースに適応できたのは,むしろこの馬の新しい面が出たとも感じます。本番となるとアメリカはもとよりヨーロッパからも強豪が参戦すると思われ,そのあたりの相手関係で,勝ち負けできるかどうかが左右されるのではないかと思います。

 ここでひとつ,注意を喚起しておきたいことがあります。たとえば人間の精神のうちに個物の混乱した観念があるという場合に,その個物の混乱した観念が発生するような原因と結果の連結にも,第二部定理九が適用されると僕がいうとき,それは論理的な意味において適用が可能であるということをいっているのではありません。もちろん論理的にそうであるということを僕が否定するというわけではありませんが,むしろ僕がここでいいたいのは,このことが現実的な意味において適用される,あるいは現に適用されているということなのです。いい換えれば,もしも人間の精神が現実的に存在するならば,第二部定理九において示されていることが,その人間の精神のうちで,個物の混乱した観念について実際に生じているということなのです。
 人間の精神が現実的に存在するということについて,まさかそれを否定するということはあり得ません。また,そうした人間の精神のうちに個物の混乱した観念があるならば,それを原因として別の個物の混乱した観念が必然的に生じるということはすでに証明しました。したがってあと必要なことは,現実的に存在する人間の精神のうちに,必然的に個物の混乱した観念があるということ,いい換えるなら現実的に存在する人間の精神の一部は,必然的に個物の混乱した観念によって構成されているということですが,これは岩波文庫版117ページの第二部自然学②要請三第二部定理一七第二部定理二五から明らかですし,また,人間の精神の受動の何たるかを考慮に入れるならば,第四部定理四からも明らかにすることができます。いずれにしてもこのことは,以前の考察の中でも何度か詳述してきた事柄ですので,ここではこれについては繰り返すことはしません。
 そこで,原因の十全性と観念の十全性との間には切り離すことが不可能な関係があるという点に留意するなら,このままの形では第二部定理九に原因の十全性という観点を導入するということはできないということになります。もしもこのまま導入するなら,第二部定理九で示されていると僕が考えていることの一部は,少なくともそこから抜け落ちてしまうからです。
コメント
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