色鮮やかな黄色い蝶々がヒラヒラ飛んでいて
そんなに目立ってたら天敵に狙われやすいだろうと思ってたんだが
黄葉した葉にとまったら瞬時にわからなくなった
自分の姿が黄色いことを自覚していて 黄色い葉にとまれば天敵から狙われづらくなると考えて黄色い葉を選んでとまっている
わけではなくて 黄色い葉にとまる先天的習性を持った個体種への収斂の結果
黄色い葉にとまる習性を持たなかった個体種が捕食されやすい淘汰圧力がかかり 偶発的に黄色い葉にとまりたがる先天的習性を持った個体種だけが残ったという結果
昆虫の脳というのは顕微鏡下でしか見えない程小さいものなので 自分の姿を自覚するとか 黄色い葉にとまれば天敵からみつかり難くなるだろうといった「考え」に基づいた行動選択はできない
蛾は天体などの光が来る方向を基準にしか飛ぶことをしないため 光源が炎だとしても避けることができず 結果的に炎に墜落する
昆虫の脳はほぼ条件反射であって 合理的「考え」に基づいて行動が決定しているわけではない
昆虫の行動習性というのは数億年の淘汰圧力によって洗練されているため あたかも合理的に考えて行動を選択しているかのように見えるものもあるが
主観的印象として「見える」からといって真実であるとは限らない
錯覚という認知上の欠陥を自覚しないと真実は見えない
Ende;