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脳梗塞の診断 超音波検査 その2

2009年08月20日 | 脳梗塞
超音波検査のもう一つの特徴は、その「動き」にあります。
他のCTやMRIなどの検査は、その時々の静止画像の集積であるのに比べて、エコーは「動画」なのです。
ですから、静止画像をみて荒く感じても、動画の方をみるとずいぶんイメージが違って、見たいものがはっきりと分かります。

この動画であるという利点は、その物質が堅いか柔らかいかという判断にもつながります。
例えば頚動脈の細い部分の動脈硬化(プラーク)が柔らかいと、動脈の拍動に合わせてやらかい部分のみが出っ張ったりへこんだりします。
この所見で柔らかい部分がどこにあってどの程度か推定できるのです。
はじめてその動画を見た時には感動しました。

もう一つの特徴、それは検査をする人の「腕」が影響するという点です。
他の検査法でも検査技師さんの腕はもちろん大切です。
しかしエコーはその技術の差がさらに明確に現れます。
たとえば慣れない技師さんとベテランの技師さんでは比較にならないほどの検査の精度の差が出ます。
新人さんでは検査ができないほどです。
これは施設間格差としても現れます。
例えば、国立循環器病センターや広南病院の超音波検査を拝見すると、その精度の高さ、再現性、種類の多さに感嘆してしまいます。
エコーは「腕」です。
ですからエコーの「腕」の良い医師や技師さんは大切なのです。
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