
列車は湯西川を跨ぐ湯西川橋梁を渡ると、速度を落としながら葛老山トンネルに
入り、その先ですぐに停車する。
そこは一面一線のホームを有する、トンネルの中に窮屈そうに造られた駅だ。

大内宿の観光を終え、猿游号で湯野上温泉駅に戻り、ここから会津鉄道に乗り
更に南下、途中会津田島で接続された列車に乗り換え、そのまま野岩鉄道線に
乗り入れここ湯西川温泉駅までやって来た。

イルミネーションに飾られた通路を通り、階段を上がるとそこに小さな駅があり、
建物には道の駅・湯西川が併設されていた。と言うより道の駅に併設された鉄道
の駅、と言い換えた方がいいのかもしれない。
駅が間借りをしているようにも見える。

駅前にはチョットした広場が有り、バスターミナルになっていて、鬼怒川温泉や湯
西川温泉に向かうバスとともに、珍しい水陸両用バスの発着場にもなっている。

この地は利根川水系上流域の男鹿川と、その支流である湯西川の合流付近で、
一帯がダム湖(五十里湖)となっている。
先ほど渡って来た鉄橋はその湖を跨ぐもので、それを見下ろす高台には野岩鉄道
の会津鬼怒川線の開通記念碑が建ち、その横には「将来の保守・維持費を軽減す
る耐候性鋼材を使用した無塗装橋梁」と書かれた説明板が、周りの木々に隠される
ように立っていた。

橋梁は斜材の向きを交互に渡したトラスト橋と言われるもので、垂直材がない構
造が美しいフォルムを見せていて、周りを取り巻く紅葉の進む山々と共にこの時期
の撮影のスポットとしても知られた存在らしい。(続)


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