簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

宗治饅頭(JR乗り潰し・桃太郎線)

2016-08-12 | Weblog
 店先のの張り紙に心惹かれ、ガラス戸を押し開いてその店を訪ねてみた。
「箱だけですか?」「いえ、一つからだいじょうぶですよ」「じゃぁ、一つ」「普通のと、
白いのが有りますが・・・」「ああ、それなら両方を・・・」



 こんな会話で買い求めた「宗治饅頭」を、その店先を借りて頂いてみる。
お茶を入れてくれた女将さんに「官兵衛の頃は賑わったのでは?」と話を向けると、
「おかげさまで、すごかったです。・・・あれが続くといいのですが・・・」



 NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」が放映された時期は、ここ備中高松にもさすがに
休日ともなると観光客が押しかけ、今までにない賑わいを見せ、そのお蔭をこの店も
味わったと言う。



 然し残念なことにどこの所縁の地もそれらは一過性で、放送が終わると途端に水
が引いたように静けさを取り戻し、中々賑わいを持続すると言う事は難しいようだ。
件の女将さんもそんなことを言ったようで、話す声音に期待を込めながらも心なし
力が無い。



 備中高松城の本丸跡の前に店を構える「清鏡庵(せいきょうあん)」は、老舗の小
さな和菓子屋で、「宗治饅頭」は城主清水宗治に因んだ店の名物の一つである。





 やや小ぶりで白あんと、小豆あんの二種類有り、何れも「添加物は一切使ってい
ない」と言う。
ほんのりと栗色に焼かれた皮は薄く、甘さ控えめの餡がぎっしりと詰まっている。
素材の風味をそのまま生かした饅頭で、その飾らない素朴さがよくとても美味しい。

 この店には、漉し餡を透明な薄皮で包んだ「水攻め饅頭」もある。
夏の暑い時期なら、治水に生き、水に逝った城主を偲び、これを味わうのも良いだ
ろう。(続)






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