大沢在昌の「新宿鮫」より前の作品で「新宿鮫」の原点とも言われている。
私立探偵の緒方が主人公で六本木が舞台。
大沢氏が住んでいるからか、六本木を舞台にした作品は多いようだ。
ハードボイルだから刑事もヤクザも痛い思いをするけど・・・
探偵もかなり痛いなぁ・・・と思った。
実際のところ日本では失踪人(家出)調査と浮気調査がメインだし、
拳銃を持てるわけではないので命の危険を冒せない。
緒方は元麻薬取締官で仕事を辞めたいきさつが面白い。
妻が隣人と浮気をしていたのに気づかず、
隣人が緒方と間違われて狙撃されたにも関わらず、
浮気に気づかない。妻から仕事を辞めてくれと言われても、
浮気には全く気づかない。
妻が仕事を辞めて離婚してくれと言われ、
その理由が浮気を知った緒方が浮気相手を殺すから・・・
・・・えっ?・・・・驚く緒方。
で、殺すと思われた事がショックで仕事を辞める。
そんな事があるのだろうか? である。
でも痛いだけではなく、緒方は女性にモテる(笑)。
本人は37、8歳の設定であるが、
20歳位のギャル(死語か?)から40代の熟女まで、
相手にするとは守備範囲が広いなぁ。
まぁ向こうから近づいてくるのだから、
緒方が不細工とは思えないし、危険と隣り合わせなところがに、
惹かれるのだろうか?
ストーリーはとある年末、失踪した娘を捜して欲しいと言う依頼と
死んだ婚約者の女性の人物像の調査依頼を引き受けた緒方が、
調査を進める過程で巻き込まれる殺人事件。
全く関係のないはずの2つが結びついて行く。
黒幕が誰だかわからないうちは推理して行くのも楽しいのであるが、
誰だかわかった後は今一つその人物のキャラクターが理解しにくい。
そしてエンディングは・・・・ちょっとあっけなかったかなぁ。