雀の手箱

折々の記録と墨彩画

焼き鮎

2010年06月16日 | すずめの百踊り
 一昨日の朝日新聞の天声人語氏が亡き獅子文六さんが鮎好きだった話を記して、塩焼きで26匹を平らげた話を紹介されていました。私は50代の頃の3匹が記録です。やはり、器の大きい人は違うと妙なところで感心していました。
 話はその後、江戸の儒学者貝原益軒も養生訓の「珍美の食に対すとも八九分にてやむべし。十分に飽き満るは後の禍あり。」を引いて、これが正しい食道楽である。と結んでおられました。
 十二分にわかっている教えながら、「空腹の記憶」の刷り込みを強く残す戦中派は、目の前に並ぶ食べ物を残すこと、更にはそれらを捨ててしまうことには罪悪感が伴います。まして「珍美の食」ともなれば飽くことなく摂取する仕儀となります。
 これからの鮎は旬を迎えて格別美味しいものです。私も塩焼を第一としています。蓼酢があればいうことなしです。
 獅子文六さんの長良川もですが、この季節、豊後の国は、日田川の鮎がしきりに思われます。

 さてこの塩焼きに食指が動きますかどうか。鮎より山女に見えると陰の声がありました。



 14日の深夜から15日未明にかけてのワールドカップ、対カメルーン戦に時を忘れ、日ごろの節制も何処へやら、ゴ―ル!の歓声とともに祝杯が重なり、加えて睡眠不足が崇り、「後の禍」に苦しんでいます。

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