雀の手箱

折々の記録と墨彩画

七回忌法要

2012年01月21日 | できごと
 旅立ちはつい先ごろのような気がしますが、母の七回忌でした。
 四人兄妹の末っ子に生まれた母は、百三歳の長寿だったので、兄二人姉一人もとっくに亡くなって、代替りした従弟たちもこの七年の間に相次いで他界したり、自分では行動の自由が利かなくなったりしているので、夫の兄弟だけのさびしい法要となりました。
 それも、一番下の妹が78歳で、連れ合いは入退院を繰り返していて、一人での参加です。
 この席で、すぐ下の弟から、今年5月に完成する高齢者向けマンションへの引越しをする旨が告げられました。
 七十代の終わりに大手術を受けた病院の敷地内に建設中の高層マンションで、病院と市が共同運営するので抽選に当たるといいのだがと前から希望していました。
 すでに今暮らしている住宅の売却も決まったそうで、毎日荷物の処分に追われていると言っていました。
 何れも老いを嘆く話題ばかりで、かつてのような賑わいや酒量が夢の中の話のようでした。
 車の運転をしているのも、もう私だけになっています。
 自宅でのこうした形の法要は、私にとっても今回が最後になると思うので、とりわけ心を籠めて準備したつもりですが、それでも手抜かりがありました。ご住職の法話も、迷った末に選んで床の間に掛けた「念仏衆生摂取不捨」の掛軸を話題にして法然の念仏について語られました。
 母は殊に花を好み、自分でも動ける間は最後まで次々に栽培していましたので、できるかぎりの花を活けました。玄関には今盛りの蝋梅を大きな甕にいっぱいに挿したので、香りが部屋中に漂っていました。
 肩の荷を下ろした気分で心地よい疲労を感じています。