雀の手箱

折々の記録と墨彩画

和菓子の包装

2012年06月27日 | 日々好日
 なかなか口に入らない菓子です。ただし、口に入るまでに手間のかかる菓子ということです。
 娘が送ってきた荷物の中に、隙間ができたので自宅用に買っていた「たねや」の菓子を詰めたとメールがありました。
「蓮子餅」と書いた赤い札が下がっています。蓮の浮き葉に宿る露の珠をイメージしたもののようです。細長い筒状の包装の中には、きな粉と小さなピンが別に入っていました。
 少し深さのある皿で、菓子を指で固定してピンで突くようにと書かれていて、少しだけ冷やした方がよいとも書いてあります。昔この手の水羊羹があったのを思い出しました。

 夫は面倒がって口に運ぼうとしません。ピンで突くばかりにしてきな粉も添えて出しました。ほんのりとした上品な甘さでかすかに蓮の味わいもあります。口当たりも滑らかでした。
 一般に和菓子は、日本料理と同じく、目で風情を楽しむことも味わいのうちで、季節感が大切にされ、包装にも趣向があります。それでも、度を越すと嫌味になるので、このあたりがぎりぎりの限度でしょう。もう一つの方は「初々し」と書かれた栞がついています。種入りのままの青梅を加工したもので、ラム酒の入った和洋折衷の菓子でした。こちらは曲げわっぱ入りで、近くの贔屓の店の月替わりのものだそうです。
 いわゆる水無月祓いに供される和菓子の「水無月」とは別のものです。