今年はソメイヨシノの開花が遅れたので、まだ花が残っているのに、我が家では門の脇の八重桜が満開の時を謳歌しています。何かせかされるみたいなある種の慌ただしさを感じます。
いつもの年だと、散り急ぐ櫻との別れの風情をゆっくり味わい、揺蕩う春の感傷に浸るうちに八重桜が咲きはじめ、しきりに奈良の都恋しと締めくくるのですが、高村光太郎の愛した連翹も時を同じくして花盛りですし、満天星(ドウダン)や皐月、躑躅(ツツジ)までも、ちらほらと花をつけ始めました。
片付けもはかどらない日が過ぎてゆきます。気分の切り替えにと、画室に篭ってみても筆が進まない日が続くので、画題も花に飽きて、今は北斎漫画の中から、笠をかぶって踊る奴の雀踊りをなぞってみたり、江戸の風俗画を手本に踊る人を描いてみたりの遊びです。
奈良七重七堂伽藍八重桜 芭蕉
すっかり伸びきった蕗の薹です。
お気にいってくださったのなら今度お会いする折にでも差し上げますよ。介護の合間の気晴らしで、失敗作ですが。
上も下もありません。おばさんはおばさんですから。
あなたの亡くなった父上は私より年上で私を姉さんと呼んでくださいましたから。