門司出光美術館の企画展です。平安時代を彩る伊勢物語と源氏物語の世界を、華やかに描いた絵画を中心にした出品数27点という小さな企画展でした。
「趣味の表装展」の最終日、展示が5時で終了して、その後の撤去と片付けにかかるまでの時間つぶしに門司まで車を走らせました。白野江植物園に行くか、出光美術館にするか迷って、「恋ものがたりの世界」に傾きました。
思いがけず、門司では港祭りが催されていて、かなりな人出で、名物のバナナの叩き売りが大勢の人を集めていました。ソーラン踊りは見る気がしなくて早々に引揚げました。
さきの源氏物語千年紀では、京都で食傷するほど源氏物語の屏風絵ほかを見ているので、私が目をひかれたのは、岩佐又兵衛の在原業平の立ち姿を画いた軸と、野々宮図でした。
「大方は月をもめでじこれぞこのつもれば人の老となるもの」が美男子の代表としての業平の立ち姿と併せて興ふかく、又兵衛らしい人物描写が活き活きとしていました。 源氏物語の野々宮のほうはモノクロで、墨の濃淡だけで画面に漂う物語の持つ哀感を感じさせるのは流石でした。
そのほかでは伝宗達筆という葵の巻の屏風の残闕でした。御禊の日の有名な車争いの場面はよく画題になっていますが、その翌日、二条院で少女らしい姿の紫の君を碁盤の上に立たせて、源氏が自ら髪をそいでいる珍しい場面です。御簾には葵がかけられています。(下の画像)
伝宗雪という伊勢物語の東下りの六曲一双屏風が、宗達流の奇抜な発想の構図で、大きな富士の山と小さな人物の思い切った対比を面白いと眺めました。蒔絵の冊子形硯箱の精密など、出光コレクションを楽しみました。
「趣味の表装展」の最終日、展示が5時で終了して、その後の撤去と片付けにかかるまでの時間つぶしに門司まで車を走らせました。白野江植物園に行くか、出光美術館にするか迷って、「恋ものがたりの世界」に傾きました。
思いがけず、門司では港祭りが催されていて、かなりな人出で、名物のバナナの叩き売りが大勢の人を集めていました。ソーラン踊りは見る気がしなくて早々に引揚げました。
さきの源氏物語千年紀では、京都で食傷するほど源氏物語の屏風絵ほかを見ているので、私が目をひかれたのは、岩佐又兵衛の在原業平の立ち姿を画いた軸と、野々宮図でした。
「大方は月をもめでじこれぞこのつもれば人の老となるもの」が美男子の代表としての業平の立ち姿と併せて興ふかく、又兵衛らしい人物描写が活き活きとしていました。 源氏物語の野々宮のほうはモノクロで、墨の濃淡だけで画面に漂う物語の持つ哀感を感じさせるのは流石でした。
そのほかでは伝宗達筆という葵の巻の屏風の残闕でした。御禊の日の有名な車争いの場面はよく画題になっていますが、その翌日、二条院で少女らしい姿の紫の君を碁盤の上に立たせて、源氏が自ら髪をそいでいる珍しい場面です。御簾には葵がかけられています。(下の画像)
伝宗雪という伊勢物語の東下りの六曲一双屏風が、宗達流の奇抜な発想の構図で、大きな富士の山と小さな人物の思い切った対比を面白いと眺めました。蒔絵の冊子形硯箱の精密など、出光コレクションを楽しみました。