ラーメン大王＠城陽市奈島長尾17

城陽市の最南端に位置する。「大王老麺」チェ－ンとは別物のラーメン屋さん。古くからあるボウリング場とパチンコ店に隣接する。それらと共用の駐車場は広い。私事だが、お店横にある川の土手は春になるとツクシが顔を出すので、毎年子ども達と摘みに行く場所でもある（しかしここ数年ツクシの出が良くない）。

３時のおやつ時に食べに行くと、ラーメンを注文してから出てくるのがかなり早かった。スープは鶏ガラをメインとした高粘度のかなりこってりしたもの。しっかりと煮出されて黄色く濁ったスープで、名門チェーンのスープに共通する食感。その味自体は旨味十分だ。ただかなり塩辛く味付けされていているところが残念。鶏ガラの黄濁でコッテリ目のスープは自分の好みでもあるし自作でもよく作るが、ここまで塩辛いと完食するのに躊躇してしまう。チャーシューもそれ自体しっかりした味でボリュームもあってよいのだ、これもかなり塩辛かった。水の替わりに提供される麦茶がその塩辛さをやわらげるためにありがたい。麺はストレートの細めで茹で時間も短く堅い目の食感。チャーシューの他に乗る具はモヤシ、ネギ、メンマ。テーブルオプションで豆板醤、おろしニンニク、そしてこの手のラーメンには珍しく天かすを加えることができる。
実際に食べに行くまで、このお店はきっと特徴に乏しいよくあるタイプの醤油味だろうと勝手に思いこんでいたのだが、その実予想に反したこってりタイプだったのは意外だった。カウンターの奥では、作って下さった女性店主がやはりお店のラーメンを食べていたが、その塩加減について、どう思われているのか切り出すきっかけを見いだせず、お金を払ってお店を後にした。
お店には差し出がましいこと承知で書くが、塩辛さを控えめにして、単行本のマンガなど店内にいろいろと置いてあるものをいったん整理し、外装もすっきりさせて売り込みに力を入れれば、今の寂れた感じは幾分変わると思う。少し北にクルマを走らせれば、同じようにパチンコ店と駐車場を共用するタイプのお店「屋台」があるが、今や行列になることもある「屋台」に対し、ラーメン大王はやはり精彩を欠く。国道沿いで駐車場に余裕があることから、ドライバー需要などでそこそこ経営が成立しているのかも知れないが、どうせならより魅力的なお店になって地元民にアピールしてくれたらいいのにと思う。スープ自体がいい感じなだけに惜しい。
(2002.12)