勤めを終え、家に帰ると妻はベーコンとキャベツのスープが作ってくれていた。その鍋を見た途端、私はよからぬことを考えていた。そう。それはラーメンスープとして応用が利くか否かについてである。先日、とあるお店でかなり値付けの高いラーメンを食べた。時期を同じくして、我が家では妻が手間ひまかけて皮を引いた紫イモのツルを用いた料理が続いた。みなさんは食べたことがありますか?さつまいものツル。あれって、野菜として結構イケルものです。ただ、皮(スジ)を丁寧にむくという手間を経ないとその味わいは楽しめません。ですから、便利な今のご時世、逆にちょっとやそっとでは味わえないものになりつつあると思います。しかし、途方もなく手間ひまはかかります。けれど、もとはうちの庭で取れたもの。それを栽培した目的は「芋」。ですから、ツルの経済的価値はほとんどありません。そんなゴミ同然のものでも、丁寧に手をかければ、おいしい一品料理として味わうことができるものもまたあるのです。高いものが旨いというわけではありません。ところで、ラーメンスープとして応用が利くかと思ったベーコンとキャベツのスープにチョット「本だし」を追加して、実験として味見。結論。「本だし」を入れる前の方が味としてははるかに良かった。そういうバカなことでもやってみないことにはどんな味になるかはわからないもの。でも、今日のささやかな実験はやっぱり失敗でした。