ハードバピッシュ&アレグロな日々

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シューマン/楽園とペリ

2015-07-05 22:10:58 | クラシック(声楽)
オラトリオ・シリーズ第3弾はロベルト・シューマンの「楽園とペリ」です。シューマンと言えば4曲ある交響曲とピアノ協奏曲、あとは「トロイメライ」などのピアノ曲と歌曲が有名ですが、このオラトリオについては取り上げられる機会はほとんどありません。やはりオラトリオと言うジャンル自体がやたら演奏時間が長い(本作も1時間40分あります)上に、オペラのような娯楽的要素があるわけでもないので上演機会が限られるというのが大きいのでしょう。ただ、シューマン自身は出来栄えにかなり自信を持っていたようですし、また妻で最大の理解者であったクララも本作をシューマンの最高傑作と評価しているようです。曲はアイルランドの詩人トマス・モアの詩集を題材にしており、ペルシャ神話の妖精ペリが天国に入るための捧げ物を探してインド、エジプト、シリアを飛び回るという筋立てです。本来オラトリオと言えば聖書を題材にした宗教的な声楽曲のことを指すのですが、本作は全然関係ないですね。だったらオペラにすればいいじゃん、と思うのですが、シューマンがなぜオラトリオ形式にこだわったのかはわかりません。



全26曲、どれもシューマンならではのドイツ・ロマン派らしい旋律に彩られていますが、中でも聴きどころは第4曲のペリのソプラノ独唱「それをどこで見つけよう?」、第6曲のインドの戦いの場面での勇壮な合唱「しかし、今やその国の流れは」、第1部のクライマックスである第9曲の合唱「ペリはその深い傷痕を見た」、ペリが歌う第17曲の美しい「今は眠れ、香り高い夢に包まれて憩え」、そして物語の最後を飾る感動的なフィナーレ「喜び、永遠の喜び、私の仕事は成し遂げられた」などでしょうか?。CDですが、マイナー作品だけあってラインナップが少なく、特に国内盤はほとんどありません。私が買ったCDはニコラウス・アーノンクール指揮バイエルン放送交響楽団によるものですが、他にシノーポリのグラモフォン盤ぐらいしかないと思います。長尺の作品だけあって、最初はやや取っつきにくいですが、何度か聴くうちに魅力がわかってきます。特に上に挙げた曲達はシューマンの書き残した作品でも上位にランクされるのではないでしょうか?
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