本日は「ジャズ・コレクション1000」シリーズからスタン・ゲッツの「ザ・マスター」を取り上げます。ジャケ写の肉付きのよい中年顔を見ればおわかりのように1975年、ゲッツ48歳の時の作品です。クール・ジャズの第一人者として数多くの名盤を残した1950年代、ボサノバで大衆的人気を博した1960年代に比べると70年代以降のゲッツはいかんせん地味な印象が拭えませんが、音楽活動は活発に続けていたようですね。しかも演奏スタイルは決して“昔の名前でやってます”的なものではなく、最先端のフュージョンも取り入れたりしていたようです。でも、フュージョン色の強い「キャプテン・マーヴェル」(1972年発表)を聴いたこともありますが、やっぱりゲッツとフュージョンは合わない気がします(単に私がフュージョン嫌いというのもありますが・・・)。その点、本作はピアノトリオをバックに従えたストレート・アヘッドなジャズで、私のような保守的ジャズファンも十分に満足させる内容です。
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曲は4曲しかありませんが、どれも10分前後の長尺演奏なので中身は濃いです。バックのメンバーはアルバート・デイリー(ピアノ)、クリント・ヒューストン(ベース)、ビリー・ハート(ドラム)と言った面々。3人ともゲッツより一回り以上年下ということもあり、演奏スタイルはバップではなく新主流派の流れを組むアグレッシブな演奏で、ゲッツもそんな彼らに煽られるように熱いプレイを披露します。それでいて、決してフリーキーにはならず、メロディアスなアドリブというゲッツの特長はちゃんと残したままなのはさすがです。4曲中3曲はスタンダード曲ですが、“Lover Man”や“Invitation”のような古くからの定番曲もカルテットの熱い演奏で新しい生命を吹き込まれています。1曲目“Summer Night”は他ではあまり聴いたことがない曲ですが、やや哀調あふれるテーマからゲッツのパワフルなソロに移っていくなかなかの名曲・名演です。2曲目“Raven's Wood”は当時新鋭のギタリストとして売り出し中だったラルフ・タウナーの曲で、いかにも70年代と言った清新かつエネルギッシュなナンバーです。以上、4曲ともハズレなしの名演ばかりで、ずばりゲッツの隠れ名盤と言っていいでしょう!
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曲は4曲しかありませんが、どれも10分前後の長尺演奏なので中身は濃いです。バックのメンバーはアルバート・デイリー(ピアノ)、クリント・ヒューストン(ベース)、ビリー・ハート(ドラム)と言った面々。3人ともゲッツより一回り以上年下ということもあり、演奏スタイルはバップではなく新主流派の流れを組むアグレッシブな演奏で、ゲッツもそんな彼らに煽られるように熱いプレイを披露します。それでいて、決してフリーキーにはならず、メロディアスなアドリブというゲッツの特長はちゃんと残したままなのはさすがです。4曲中3曲はスタンダード曲ですが、“Lover Man”や“Invitation”のような古くからの定番曲もカルテットの熱い演奏で新しい生命を吹き込まれています。1曲目“Summer Night”は他ではあまり聴いたことがない曲ですが、やや哀調あふれるテーマからゲッツのパワフルなソロに移っていくなかなかの名曲・名演です。2曲目“Raven's Wood”は当時新鋭のギタリストとして売り出し中だったラルフ・タウナーの曲で、いかにも70年代と言った清新かつエネルギッシュなナンバーです。以上、4曲ともハズレなしの名演ばかりで、ずばりゲッツの隠れ名盤と言っていいでしょう!