ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

バッソ=ヴァルダンブリーニ・クインテット/ウォーキング・イン・ザ・ナイト

2015-11-22 23:39:17 | ジャズ(ヨーロッパ)
本日は久々にヨーロッパもので、イタリアのバッソ=ヴァルダンブリーニ・クインテットというグループの作品をご紹介します。テナーサックスのジャンニ・バッソとトランペットのオスカル・ヴァルダンブリーニの双頭グループで、50年代には“イタリアのブラウン=ローチ・クインテット”と称されたとか。さすがにそれは言い過ぎだろうとは思いますが、リーダー2人を中心に軽快なハードバップを聴かせてくれます。本作「ウォーキング・イン・ザ・ナイト」は1960年にRCAに残した録音で、彼らの代表作と言うだけでなくヨーロッパジャズ屈指の名盤として昔から知られており、今回「ジャズ・コレクション1000」シリーズでも再発となりました。



この作品の特徴は12曲全てがオリジナルで占められていること。この時期のヨーロッパのジャズメンの作品の多くは、本場アメリカのビバップ、ハードバップへの強い憧れから、有名バップ曲のカバーが必ずと言っていいほど含まれていますが、本盤は全てメンバーまたは他のイタリア人ジャズメン達が書き下ろした意欲作です。とは言え、どれもどこかで聴いたことのあるような曲調で、バップの影響をもろに受けていることに変わりはないですが・・・どの曲も平均以上ですがオープニングのファンキーな“Lotar”、ドライブ感抜群の“Estroverso”、ヴァルダンブリーニのミュート演奏が印象的な“Softly”、マイナー調のバラード“Dialogo”、ウェストコースト風の爽やかな“Ricordando Lester”などが特にお薦めです。演奏ですが、力強いバッソのテナー、小気味よいラッパを聴かせてくれるヴァルダンブリーニとリーダー2人が目立っているのはもちろんですが、レナト・セッラーニ(ピアノ)、ジョルジョ・アッゾリーニ(ベース)、ジャンニ・カルツォラ(ドラム)から成るリズムセクションもカッチリしたサポートぶりを見せています。私も聴く前は知らないメンバーの知らない曲ばかりで正直不安でしたが、聴き込むほどに味が出る傑作だと思います。
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