本日もヨーロッパもので、フランスを代表するサックス奏者であるバルネ・ウィランのアルバムです。バルネについては以前に本ブログでも代表作「バルネ」を取り上げましたね。今日ご紹介する「ティルト」はその2年前の1957年1月にフランスのスウィングというレーベルに吹き込まれた彼のデビュー作で、録音当時まだ19歳というから早熟ぶりに驚きです。前年にジョン・ルイスの「アフタヌーン・イン・パリ」でも素晴らしいプレイを披露していますが、自身のリーダー作ではワンホーンカルテットで思う存分にテナーを吹きまくっています。アドリブではやや一本調子なところもなきにしもあらずですが、それでも若々しくエネルギッシュなプレイは一聴の価値アリです。
録音は2つのセッションに分かれており、前半の5曲がモーリス・ヴァンデール(ピアノ)、ビビ・ロヴェール(ベース)、アル・レヴィット(ドラム)のリズムセクションをバックにスタンダード曲とビバップの名曲を、後半4曲はベースはそのままでピアノがジャック・ヌーデ、ドラムがシャルル・ソードレに交代し全てセロニアス・モンクのナンバーを演奏しています。ヌーデというピアニストのことはまるで知りませんが、モンクを彷彿とさせるパーカッシブなピアノタッチで、独特のモンクワールドを再現しようとしているのが分かります。ただ、どうせモンクを聴くなら本家を聴いた方が良い、というのが感想です。と言うわけでお薦めは前半部分。ナット・キング・コールの“Nature Boy”だけはややくどいですが、それ以外はすべて素晴らしい。特にディジー・ガレスピーの2曲“Blue N' Boogie”と“A Night In Tunisia”でのパワフルなテナープレイは圧巻です。古いスタンダード曲“Melancholy Baby”“The Way You Look Tonight”も原曲の美しいメロディを活かしつつ、見事にハードバピッシュな演奏に料理しています。バルネの陰に隠れてはいますが、フランス屈指の名ピアニストであるヴァンデールのキラリと光るピアノソロも見逃せません。
バルネの若き天才ぶりはすぐにアメリカのジャズメンに知れ渡ることになり、同年12月にはマイルス・デイヴィスの有名な「死刑台のエレベーター」に参加、さらに2年後にジャズ・メッセンジャーズの「危険な関係」「パリ・ジャム・セッション」等でも名を馳せます。60年代以降はロックに走ったり、フリージャズに走ったりした時期もあったようですが、今聴いても魅力的なのはやはり50年代のバルネですね。
録音は2つのセッションに分かれており、前半の5曲がモーリス・ヴァンデール(ピアノ)、ビビ・ロヴェール(ベース)、アル・レヴィット(ドラム)のリズムセクションをバックにスタンダード曲とビバップの名曲を、後半4曲はベースはそのままでピアノがジャック・ヌーデ、ドラムがシャルル・ソードレに交代し全てセロニアス・モンクのナンバーを演奏しています。ヌーデというピアニストのことはまるで知りませんが、モンクを彷彿とさせるパーカッシブなピアノタッチで、独特のモンクワールドを再現しようとしているのが分かります。ただ、どうせモンクを聴くなら本家を聴いた方が良い、というのが感想です。と言うわけでお薦めは前半部分。ナット・キング・コールの“Nature Boy”だけはややくどいですが、それ以外はすべて素晴らしい。特にディジー・ガレスピーの2曲“Blue N' Boogie”と“A Night In Tunisia”でのパワフルなテナープレイは圧巻です。古いスタンダード曲“Melancholy Baby”“The Way You Look Tonight”も原曲の美しいメロディを活かしつつ、見事にハードバピッシュな演奏に料理しています。バルネの陰に隠れてはいますが、フランス屈指の名ピアニストであるヴァンデールのキラリと光るピアノソロも見逃せません。
バルネの若き天才ぶりはすぐにアメリカのジャズメンに知れ渡ることになり、同年12月にはマイルス・デイヴィスの有名な「死刑台のエレベーター」に参加、さらに2年後にジャズ・メッセンジャーズの「危険な関係」「パリ・ジャム・セッション」等でも名を馳せます。60年代以降はロックに走ったり、フリージャズに走ったりした時期もあったようですが、今聴いても魅力的なのはやはり50年代のバルネですね。