本日はカウント・ベイシーのルーレット再発コレクションから「ザ・レジェンド」をご紹介します。録音は1961年。前年に発表した「カンザスシティ組曲」でアレンジャーを務めたベニー・カーターが引き続き作曲・編曲全てをこなしています。しかも、前作は演奏自体には加わりませんでしたが、今回は不動のメンバーであるマーシャル・ロイヤルに代わってアルトも吹いています(ただし、ソロはありませんが)。他にも前作からメンバー交代がいくつか。トランペットにはジョー・ニューマンに代わりアル・アーロンズが、テナーにはビリー・ミッチェルに代わりバッド・ジョンソンが、トロンボーンにはアル・グレイに代わりクエンティン・ジャクソンがそれぞれ加入しています。何より驚天動地なのはリズム・ギターの“ミスター・リズム”ことフレディ・グリーンがおらず、代わりにサム・ハーマンがギターを弾いていること。何せグリーンと言えば1937年にベイシー楽団に加入して以来、80年代に引退するまで半世紀近くひたすらリズムを刻み続けたベイシー楽団の“心臓”です。確かにギターソロは取らないので目立たない存在とは言え、グリーンのいないベイシー楽団と言うのは何となく落ち着きません。結局、グリーンは次の作品から何事もなかったように復帰しているので、たった1作だけの不在が謎ですね。たまたま体調でも悪かったのでしょうか?

以上、メンバーはいろいろ代わってはいますが、だからと言って作品のクオリティが下がることは一切ありません。全8曲、全てカーターがこの作品のために書き下ろしたものだと思いますが、昔からベイシー楽団がレパートリーにしていた曲であるかのよう典型的なベイシー・サウンドに仕上がっており、一糸乱れぬ鉄壁のアンサンブルと選び抜かれたメンバー達のソロが極上の世界を作り出しています。重厚なホーン・アンサンブルに続いてサド・ジョーンズとフランク・フォスターが素晴らしいソロを披露する“The Trot”、スヌーキー・ヤングのカップ・ミュートをフィーチャーした“Easy Money”、ラテンのリズムが情熱的な“Amoroso”、ファンキーなブルース“Goin' On”、バンド全体が疾走する“The Swizzle”、けだるい雰囲気が漂うタイトル曲“The Legend”、ゆったりしたビートに乗って新加入のアーロンズがブリリアントなソロを取る“Who's Blue?”、フォスターとバッド・ジョンソンがテナー・バトルを繰り広げる“Turnabout”。どの曲も水準以上の出来栄えで、この頃のベイシー楽団にハズレなし!をあらためて実感させてくれる1枚です。

以上、メンバーはいろいろ代わってはいますが、だからと言って作品のクオリティが下がることは一切ありません。全8曲、全てカーターがこの作品のために書き下ろしたものだと思いますが、昔からベイシー楽団がレパートリーにしていた曲であるかのよう典型的なベイシー・サウンドに仕上がっており、一糸乱れぬ鉄壁のアンサンブルと選び抜かれたメンバー達のソロが極上の世界を作り出しています。重厚なホーン・アンサンブルに続いてサド・ジョーンズとフランク・フォスターが素晴らしいソロを披露する“The Trot”、スヌーキー・ヤングのカップ・ミュートをフィーチャーした“Easy Money”、ラテンのリズムが情熱的な“Amoroso”、ファンキーなブルース“Goin' On”、バンド全体が疾走する“The Swizzle”、けだるい雰囲気が漂うタイトル曲“The Legend”、ゆったりしたビートに乗って新加入のアーロンズがブリリアントなソロを取る“Who's Blue?”、フォスターとバッド・ジョンソンがテナー・バトルを繰り広げる“Turnabout”。どの曲も水準以上の出来栄えで、この頃のベイシー楽団にハズレなし!をあらためて実感させてくれる1枚です。