本日は白人ドラマーのジョー・モレロの「イッツ・アバウト・タイム」をご紹介します。モレロと言えば何と言っても“Take Five”で有名なデイヴ・ブルーベック・カルテットのドラマーとして知られています。ブルーベック、ポール・デスモンド、ジーン・ライト、そしてモレロの4人は「黄金のカルテット」と呼ばれ、50年代から60年代後半まで活動をともにしました。その一方でモレロは自身のリーダー作も何枚か残しており、中ではイントロという西海岸のマイナーレーベルに残した「コレクションズ」がアート・ペッパーも参加した隠れ名盤としてマニアの間で人気です。本作は1961年にRCAに吹き込まれたもので、全10曲中6曲がクインテット形式で(ジャケットにはセクステットと書いてありますがどう聴いても5人しかいません)、フィル・ウッズ(アルト)、ゲイリー・バートン(ヴァイブ)、ジョン・バンチ(ピアノ)、ジーン・チェリコ(ベース)、そしてモレロと言う布陣です。残りの4曲はアレンジャーのマニー・アルバムが指揮する8人編成のブラスセクションがバックに加わっており、ボブ・ブルックマイヤー(トロンボーン)やクラーク・テリー(トランペット)が参加しているようです。全編にわたって大活躍するのがウッズで、特に前半はウッズのソロが中心のため、彼のリーダー作かと思ってしまいます(後半ではドラムソロもフィーチャーされて、モレロの作品っぽくなっていますが)。その他のメンバーでは70年代以降にビッグネームとなるゲイリー・バートンが録音当時わずか18歳(!)とは思えない見事なマレットさばきで演奏にアクセントを付けています。
曲は1曲目から7曲目までがよく知られたスタンダード曲集で、その中でもバートンの涼やかなヴァイブが印象的な軽快なミディムチューン“Every Time”、メンバー全員が疾走する“Just In Time”、ウッズの情熱的なアルトが見事な“Summertime”が出色の出来です。ただ、ハイライトは後半のメンバーのオリジナル3曲ですかね。まず、フィル・ウッズ作曲の“Mother Time”は典型的なバップチューンで、バンチ、バートンが軽快にソロを取った後、ウッズがノリノリのアドリブを披露します。続くジョン・バンチ作“Fatha Time”はピアノ・トリオによる演奏でバンチのピアノとモレロのドラムによる絶妙な掛け合いで演奏が進んで行きます。ラストはタイトルチューンの“It's About Time”でビッグバンドをバックにバンチ、ウッズらがソロを取り、途中からモレロの2分近くに及ぶ圧巻のドラムソロが挟まれます。以上、モレロのドラムの技だけでなくフィル・ウッズやゲイリー・バートンの溌剌としたプレイも楽しめるなかなかの佳作と言えるのではないでしょうか?
曲は1曲目から7曲目までがよく知られたスタンダード曲集で、その中でもバートンの涼やかなヴァイブが印象的な軽快なミディムチューン“Every Time”、メンバー全員が疾走する“Just In Time”、ウッズの情熱的なアルトが見事な“Summertime”が出色の出来です。ただ、ハイライトは後半のメンバーのオリジナル3曲ですかね。まず、フィル・ウッズ作曲の“Mother Time”は典型的なバップチューンで、バンチ、バートンが軽快にソロを取った後、ウッズがノリノリのアドリブを披露します。続くジョン・バンチ作“Fatha Time”はピアノ・トリオによる演奏でバンチのピアノとモレロのドラムによる絶妙な掛け合いで演奏が進んで行きます。ラストはタイトルチューンの“It's About Time”でビッグバンドをバックにバンチ、ウッズらがソロを取り、途中からモレロの2分近くに及ぶ圧巻のドラムソロが挟まれます。以上、モレロのドラムの技だけでなくフィル・ウッズやゲイリー・バートンの溌剌としたプレイも楽しめるなかなかの佳作と言えるのではないでしょうか?