弘前には「佐藤長」というスーパーがある。青森県全体で見れば大手ではないが、弘前周辺ではそこそこ店があって堅実な印象。
佐藤長といえばまず思い起こす店は、1度だけ利用した(ツナが入った惣菜パンを買って、ブルーチップだかグリーンスタンプをもらった記憶=今は配っていないようだ)ことがある「松森町店」。土手町から取上交差点方向へ進んだところにある。
今も健在
昔は外観がこんな黄緑色じゃなかった気はするが、建物は同じ。歩道ギリギリまで建物があり、ガラス越しに狭い店内が見渡せ、窓際で袋詰めするお客と目が合いそうな、昭和のスーパーの作り。
実はここが、佐藤長の創業地らしい。1897(明治30)年のこと。現在の本社は弘前市桔梗野。
他に店舗展開をしたのは1987(昭和62)年の小比内店以降のようだ。1897年と1987年、誤植かと思ってしまうが、90年開いている。
また、1978年(←これも誤植っぽいけど間違ってません。昭和53年)に「佐藤商店」だったのをスーパー佐藤長とし、松森町店ができたので、建物はその時のものではないだろうか。
現在の経営者は佐藤さんだけど名前に「長」は付かない。創業者は「長」が付く名前だったのかもしれないけれど、創業から81年経ってから「長」が出てきたのがおもしろい。
松森町店を見て気になったのが、店頭のロゴ。
縦書きの毛筆の「佐藤長」が味がある
日本語は「佐藤長」、ローマ字は「SATOUCHO」。
僕は昔からこの表記を見ていたから、漢字をそのまま読んで「さとうちょう」。ローマ字は「さとうちょ」だけど、まあやっぱり「さとうちょう」と読むんだろうなと思っていた。
ところが、他の店舗では…
Googleストリートビューより城東店「さとちょう」
漢字表記は見当たらず、ひらがなのみ。しかも「う」が1つ抜けた「さとちょう」。
それから漢字4文字は「生鮮活祭」? 「生活鮮祭」?
小比内店は松森町と同じ表記。店の新旧で使い分けているのか、古い店は今後更新していくのか。
公式ホームページでは、URLは「satoucho.co.jp」だが、本文では「みんなのスーパーさとちょうです。」など「さとちょう」表記。漢字も見当たらない。【14日補足】企業名は「株式会社佐藤長」であり、会社概要などでは漢字表記で掲載している。
この店は、今は「さとちょう」だったのか! ※ここでは「佐藤長」表記を使うことにします。
【14日補足】秋田ではわりとある「石郷岡」姓は、ふりがなとしては「いしごうおか」だが、会話では「いしごおか」と言うことが多い。さとちょうもそれと同じことだろうけど、正式な名称表記をそうしてしまうのが、大胆。
漢字表記がない新しい店舗だけを利用する人の中には、「さとちょう」の由来を知らないお客もいるかもしれない。あ、「由来」じゃなく「漢字表記」か。「長」の出どころが分からない以上、佐藤長の由来は分からない。
【14日表記】かな表記にしてしまって、本来の漢字表記が分からないという点では、「いとく(本社秋田県大館市、津軽にも店舗あり)」も同じ。ちなみに創業者名の姓名を略した「伊徳」が由来。佐藤長では、かな表記にした上、うを1つ抜いたせいで、よけい難解な店名になった気がする。
【15日追記】店舗の看板は「さとちょう」になっている店舗でも、配られるレジ袋ではローマ字で「SATOUCHO」と「う」入りで記されている。
ところで、上のストリートビューの写真の城東店。弘前駅の城東口からすぐのところなので、ここ数年は時間が余るとちょっとのぞくことがあった。
店の造りからして、古い(松森町店よりは新しく、昭和末~平成初期頃?)建物。昔、ここらにマックスバリュがあったので、その跡なのかなと思っていた。
Wikipediaを見ると、たしかにマックスバリュの跡であった。元は「亀屋みなみチェーン」の店だったそうで、2001年に同社が破産した際、マックスバリュ東北が継承した店舗の1つだった。
折しも11月13日から「さとちょう城東店「開店10周年祭」」が開催されているから2008年開店。差し引きマックスバリュとしては7年未満だったことになる。【2021年7月4日追記・コメントで情報をいただいた。マックスバリュは2002年2月~2005年末の4年弱の営業。マックスバリュ時代まで2階建てだった建物を減築して使っているらしい。】
それとは別に以前ちょっと触れたように、2000年前後頃まで、弘前には「ウエル」というイオン系のスーパーがあった。
「ウエルマート」ではなく、ジャスコ本体(後のイオンリテール)が運営していた。
後に、亀屋みなみチェーンをマックスバリュ東北が引き継いだ時に、ウエルも一部店舗が移管(マックスバリュ化?)されたらしい。
そしてマックスバリュ東北に継承されなかったウエルの中には、佐藤長が引き受けた店があるそうだ。
高杉、相馬など郊外にもあり、かつてウエルは津軽にけっこう浸透していたことにもなる。
ほかにも佐藤長では、平賀や尾上のマルエス主婦の店、下北のむつ市のマックスバリュ東北から継承した店もある。
さらに今年8月、弘前駅前のかつてダイエーが入っていた「ヒロロ(旧・ジョッパル)」地階に「ヒロロ店」がオープン。
2013年7月のヒロロ再出発時に、青森市から進出した「ルミエール」が入っていたが、大家と店子の関係でモメて2018年7月に閉店してしまった跡。
城東店と合わせて、弘前駅の東西どちらからも、いちばん近いスーパーが佐藤長になった(ヨーカドーもありますが)。
ヒロロの佐藤長は、改装期間が短かったこともあり、ルミエールのほぼ居抜き。さすがに自動演奏のアップライトピアノはなくなっていた。
レジは、支払いだけが無人のセミセルフレジ(=お支払いセルフレジ。佐藤長での呼称は不明)。レジ袋は無料らしい。
駅前の店だけに、お土産になりそうな地元食品も扱っていて、ルミエール時代と比べても充実していた。
むつ市内に店舗がある関係なのだろう、初めて見る下北方面の地元菓子店のお菓子もいくつかあった。
弘前市内からも「相馬製菓」というところの、
「これが津軽の味噌ぱん」と「これが津軽のいも太郎」。別段、津軽ならではということでもないが、素朴な味わいでよかった。
別の店の餅菓子などもあった。
弘前市内産の農産物産直コーナーもあり、9月初めでモモやリンゴが安くいろいろあったから、今頃はリンゴがいっそう充実しているはず。弘前駅周辺では、安く手軽にリンゴを買える店でしょう。
※佐藤長のラッピング広告バスについて。
佐藤長といえばまず思い起こす店は、1度だけ利用した(ツナが入った惣菜パンを買って、ブルーチップだかグリーンスタンプをもらった記憶=今は配っていないようだ)ことがある「松森町店」。土手町から取上交差点方向へ進んだところにある。
今も健在
昔は外観がこんな黄緑色じゃなかった気はするが、建物は同じ。歩道ギリギリまで建物があり、ガラス越しに狭い店内が見渡せ、窓際で袋詰めするお客と目が合いそうな、昭和のスーパーの作り。
実はここが、佐藤長の創業地らしい。1897(明治30)年のこと。現在の本社は弘前市桔梗野。
他に店舗展開をしたのは1987(昭和62)年の小比内店以降のようだ。1897年と1987年、誤植かと思ってしまうが、90年開いている。
また、1978年(←これも誤植っぽいけど間違ってません。昭和53年)に「佐藤商店」だったのをスーパー佐藤長とし、松森町店ができたので、建物はその時のものではないだろうか。
現在の経営者は佐藤さんだけど名前に「長」は付かない。創業者は「長」が付く名前だったのかもしれないけれど、創業から81年経ってから「長」が出てきたのがおもしろい。
松森町店を見て気になったのが、店頭のロゴ。
縦書きの毛筆の「佐藤長」が味がある
日本語は「佐藤長」、ローマ字は「SATOUCHO」。
僕は昔からこの表記を見ていたから、漢字をそのまま読んで「さとうちょう」。ローマ字は「さとうちょ」だけど、まあやっぱり「さとうちょう」と読むんだろうなと思っていた。
ところが、他の店舗では…
Googleストリートビューより城東店「さとちょう」
漢字表記は見当たらず、ひらがなのみ。しかも「う」が1つ抜けた「さとちょう」。
それから漢字4文字は「生鮮活祭」? 「生活鮮祭」?
小比内店は松森町と同じ表記。店の新旧で使い分けているのか、古い店は今後更新していくのか。
公式ホームページでは、URLは「satoucho.co.jp」だが、本文では「みんなのスーパーさとちょうです。」など「さとちょう」表記。漢字も見当たらない。【14日補足】企業名は「株式会社佐藤長」であり、会社概要などでは漢字表記で掲載している。
この店は、今は「さとちょう」だったのか! ※ここでは「佐藤長」表記を使うことにします。
【14日補足】秋田ではわりとある「石郷岡」姓は、ふりがなとしては「いしごうおか」だが、会話では「いしごおか」と言うことが多い。さとちょうもそれと同じことだろうけど、正式な名称表記をそうしてしまうのが、大胆。
漢字表記がない新しい店舗だけを利用する人の中には、「さとちょう」の由来を知らないお客もいるかもしれない。あ、「由来」じゃなく「漢字表記」か。「長」の出どころが分からない以上、佐藤長の由来は分からない。
【14日表記】かな表記にしてしまって、本来の漢字表記が分からないという点では、「いとく(本社秋田県大館市、津軽にも店舗あり)」も同じ。ちなみに創業者名の姓名を略した「伊徳」が由来。佐藤長では、かな表記にした上、うを1つ抜いたせいで、よけい難解な店名になった気がする。
【15日追記】店舗の看板は「さとちょう」になっている店舗でも、配られるレジ袋ではローマ字で「SATOUCHO」と「う」入りで記されている。
ところで、上のストリートビューの写真の城東店。弘前駅の城東口からすぐのところなので、ここ数年は時間が余るとちょっとのぞくことがあった。
店の造りからして、古い(松森町店よりは新しく、昭和末~平成初期頃?)建物。昔、ここらにマックスバリュがあったので、その跡なのかなと思っていた。
Wikipediaを見ると、たしかにマックスバリュの跡であった。元は「亀屋みなみチェーン」の店だったそうで、2001年に同社が破産した際、マックスバリュ東北が継承した店舗の1つだった。
折しも11月13日から「さとちょう城東店「開店10周年祭」」が開催されているから2008年開店。差し引きマックスバリュとしては7年未満だったことになる。【2021年7月4日追記・コメントで情報をいただいた。マックスバリュは2002年2月~2005年末の4年弱の営業。マックスバリュ時代まで2階建てだった建物を減築して使っているらしい。】
それとは別に以前ちょっと触れたように、2000年前後頃まで、弘前には「ウエル」というイオン系のスーパーがあった。
「ウエルマート」ではなく、ジャスコ本体(後のイオンリテール)が運営していた。
後に、亀屋みなみチェーンをマックスバリュ東北が引き継いだ時に、ウエルも一部店舗が移管(マックスバリュ化?)されたらしい。
そしてマックスバリュ東北に継承されなかったウエルの中には、佐藤長が引き受けた店があるそうだ。
高杉、相馬など郊外にもあり、かつてウエルは津軽にけっこう浸透していたことにもなる。
ほかにも佐藤長では、平賀や尾上のマルエス主婦の店、下北のむつ市のマックスバリュ東北から継承した店もある。
さらに今年8月、弘前駅前のかつてダイエーが入っていた「ヒロロ(旧・ジョッパル)」地階に「ヒロロ店」がオープン。
2013年7月のヒロロ再出発時に、青森市から進出した「ルミエール」が入っていたが、大家と店子の関係でモメて2018年7月に閉店してしまった跡。
城東店と合わせて、弘前駅の東西どちらからも、いちばん近いスーパーが佐藤長になった(ヨーカドーもありますが)。
ヒロロの佐藤長は、改装期間が短かったこともあり、ルミエールのほぼ居抜き。さすがに自動演奏のアップライトピアノはなくなっていた。
レジは、支払いだけが無人のセミセルフレジ(=お支払いセルフレジ。佐藤長での呼称は不明)。レジ袋は無料らしい。
駅前の店だけに、お土産になりそうな地元食品も扱っていて、ルミエール時代と比べても充実していた。
むつ市内に店舗がある関係なのだろう、初めて見る下北方面の地元菓子店のお菓子もいくつかあった。
弘前市内からも「相馬製菓」というところの、
「これが津軽の味噌ぱん」と「これが津軽のいも太郎」。別段、津軽ならではということでもないが、素朴な味わいでよかった。
別の店の餅菓子などもあった。
弘前市内産の農産物産直コーナーもあり、9月初めでモモやリンゴが安くいろいろあったから、今頃はリンゴがいっそう充実しているはず。弘前駅周辺では、安く手軽にリンゴを買える店でしょう。
※佐藤長のラッピング広告バスについて。