広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

教育テレビ

2009-04-05 19:48:10 | その他もろもろ
前にも書いたけど、僕は昔のテレビ番組が好き。普段、DVDやビデオは買わないし借りないし見ないのだけど、最近、昔の番組のDVDが各種出ていて興味をひかれた。「欽ドン」のDVDがいいなと思っていたら、もっといいものを見つけて購入。
NHKエンタープライズが1月23日に発売した「懐かしの教育テレビ テーマソング集」(3990円)。今年で放送開始50年を迎えたNHK教育テレビの学校放送の中から35番組のテーマソングだけを集めたDVDだ。

今はカリキュラムの変更、録画機器やネットの発達で学校放送の位置づけはだいぶ変わったのだろうが、僕たちが小学生だった昭和末期は、授業時間にテレビ(学校放送)を見るのがとても楽しかったし、長期休みの再放送で他学年向けの番組も見ていて、「おかあさんといっしょ」「ポンキッキ」などの幼児番組やアニメとともに「子供の頃のテレビの思い出」として欠かせない存在だ。

「NHKアーカイブス」ができたおかげか、ここ数年はこの手の商品がいくつか出ていて、実は僕は全部買っている。「懐かしのこども番組グラフィティー ~教室のヒーローたち~」というDVDと「あの日の教室~さわやか3組 NHK子ども番組テーマ集 」というCDとDVDのセット。
マスターVTR自体が残っていなかったり、出演者などの権利関係の制限があるらしく、作品間で同じ映像・音源が使い回されているものもあるが、それを差し引いても貴重な資料だし、各商品とも特徴があって、どれも買って損だったとは思わない。

今回のDVDは1970年代、特に前半生まれの人にいちばんしっくりくる内容だと思う。後半生まれの僕には休み中に年上の学年向けのものを見ていて記憶があるという程度のものも多かった。60年代や80年以降の生まれの人は見てもほとんど分からないと思う。

僕にとって記憶にある番組名でテーマ曲が思い浮かぶものでも、再生すると違う曲だった番組もあった。これは、放送期間が長い番組で、途中でテーマ曲が変わった場合でも、その中の1パターンしか収録されていないため。保管されている映像の制約もあるだろうし、幅広い年代の人に対応するには仕方ないだろう。
逆に時代からすると絶対見ていたはずなのに記憶にない曲や、「理科教室小学校1年生~なんなんなあに~」など忘れていたのに見ているうちに記憶がよみがえったものもあった。記憶というものはあやふやだ。

印象に残ったものを挙げてみると。(カッコ内は対象学年・科目、収録されている映像が使用された年度)
ぼくらの社会科ノート」(小3社会、1981)
記憶にない番組。僕たちの1つ上の学年から彼の有名なチョーさんの「たんけんぼくのまち」が始まったが、その前身番組のようだ。
テーマ曲はチェリッシュが歌っている。さわやかな曲調で「わたしの好きなこの町で 町も人も生きている」という内容の歌詞が気に入った。
映像は1つの町(おそらく静岡県沼津市)を舞台に富士山、みかん畑、水族館、漁業、都市が俯瞰や空撮とアップがテンポよく切り換えられ、歌詞と番組内容にふさわしい、すばらしいテーマ曲と映像だ。
今の空洞化した元気のない町、平成の大合併で無意味に拡大してしまった町とは違う、真の「わたしの町」が歌われていると思う。

みつめる目」(低学年総合学習、1982)
僕も小学校1年生の時に見た。「総合学習」の先駆けだが、子供心に「この番組は何の科目なんだ?」と疑問だった。
歌は東京放送児童合唱団となっているが、大人の男声も入っていて、その名前は記載されてない。「キシベシロウ」さんの気がするけど…
子供の時、歌詞でどうしても聞き取れない部分があった。男声独唱の後の児童合唱の最初が早口で「???ったら???ったらしに行こう 世界が呼んでる~」としか聞き取れない。今回大人になってDVDを聞いても同様。歌詞カードがないので分からない。謎は解決しなかった。

わたしたちのくらし」(小4社会、1982)
教育テレビ黎明期(1961年)から続いた、“クラさん”が日本各地をレポートする番組。1986年の僕たちの学年が最後だったようだ。僕が地理好きになったきっかけの1つともいえるけど、テーマ曲が子供心にも、今聞いても名曲だと思う。金管楽器メインで拍子木や木琴の音が印象的。
クラさんが汚水の行方を探る回。手書きテロップが懐かしいが文字がデカイ。
ところで、僕たちの年代で「収録中に車が突っ込んでクラさんは死んでしまった」という噂があった。実は、クラさんは代替わりしており、このDVDに収録されているのも僕たちが見ていたのも「ラスト・クラさん」で、せこたかまる(世古陽丸)さんという俳優。数年前の「金八先生」で生徒の父親役をしていたから、噂はデマ。“都市伝説”の一種だろう。ちなみに、5年くらい上の学年の人たちの1世代前のクラさんは、レポーターや俳優でおなじみの「剛たつひと」さんだったそうだ。
さらに僕より下の世代では、小3社会の「たんけんぼくのまち」のチョーさんが同様の伝説になっているらしいが、これも嘘。ご存知の方も多いと思うが、チョーさんこと長島雄一氏は、クレヨンしんちゃんの秋田のおじいさん役などの声優としての活躍のほか、教育テレビの乳幼児向け番組で、ワンワンという犬の「着ぐるみの中に入って演技しながら同時に声も出す」という荒技をやっている。1957年生まれ、51歳にして!(先日たまたま見たら畑で大根を引っこ抜いていた)しかも最近芸名をチョーさんにちなんで「チョー」に改名している。

理科教室小学校6年生」(1982)
この曲も好きで、時々鼻歌で歌ってしまうほど。
ただ記憶していたのと収録されているのは、メロディは同じだが、アレンジがまったく別物。トランペット【2021年1月3日追記・トロンボーン? いずれ金管楽器】のジャズっぽい(?)格調高い雰囲気で、これも悪くはない。小学校最高学年の理科番組にふさわしい。僕たちの頃は、エレクトーンか何かの電子楽器でもっとテンポが速かった。
説明書きによれば作曲は坂田晃一氏。「もしもピアノが弾けたなら」「鳥の詩」や、世界名作劇場(母をたずねて三千里、ふしぎな島のフローネなど)でなじみ深い。
ただ、僕たちが見ていた頃は、坂田氏の名前は画面に出なかった。音楽担当者としてカタカナの名前が出ていたはず。それを見た担任の先生とうちの親戚が異口同音に「この人は秋田出身」と言っていたから記憶に残っている。
動画投稿サイトに僕の1つ上の学年向けの同番組【2021年1月3日追記・声の出演者から1985~1987年度版と特定】があった。音楽は記憶通りのアレンジ。だが、テロップにはカタカナでなく「音楽 加曽利康之」とある。加曽利氏なら知っている。秋田市出身のエレクトーン奏者でNHKの番組や秋田市建都400年や国体のイベント音楽を担当した方。
ということは、僕たちの年代は坂本氏作曲の曲を加曽利氏が編曲・演奏したのだろうか。カタカナ名前は僕の記憶違いか一時改名でもしたのだろうか。ご存知の方がいれば教えてほしい。

にんげん家族」(中学年総合学習、1985)
僕たちの年代から放送が始まった番組だが、担任の先生は見せてくれなかった。
でも、出演やナレーションをしていたのが東北人のさとう宗幸氏だったのと、テーマ曲自体が記憶に残っていた。「娘ののぞみに『私とチンパンジーのケンタはどう違うの?』と聞かれて戸惑った」という趣旨の歌をさとう氏が歌っていた。
さとう氏の作詞作曲かと思っていたが、作詞は本田重光という人。「娘ののぞみ」の父は誰だろう?

僕としては以上の曲、映像が特にうれしかった。ほかにも「ばくさんのかばん」「おーい! はに丸」「できるかな」「いちにのさんすう」「大きくなる子」「うたって・ゴー」そして「たんけんぼくのまち」などなど皆さんそれぞれ違った思い出があると思う。


そして今まで発売された3つのDVD、CDに未収録で見たいのは、
「はたらくひとたち」:タンちゃんペロくんの「はたらくおじさん」などの後番組で、僕たちが最初の学年だった、小2社会。「仕事ゴトゴト」のテーマ曲ととぼけた表情のケンちゃんと犬のフムフムの人形が見たい。

「ワンツー・どん」:小1音楽。僕たちの時はザ・ワイルドワンズの鳥塚しげき氏も出ていたが、ドラムの「石川のおじさん」のインパクトが強い。その時代のを見たい。その石川のおじさんは石川晶(あきら)氏という1931年生まれのジャズドラマーで、2002年に亡くなったそうだ。
後任のピアノの「上柴のおじさん」版(上柴はじめ氏)は別のDVDに収録されているし、今も作・編曲家として歌番組(大人向けの)でピアノを弾いたりオーケストラの指揮をしているのをお見かけする。

「ふえはうたう」:小3音楽。「ピッピロ誰かが~」の旧バージョン。
「理科教室小学校6年生」:加曽利バージョン。

最後に、直接関係ないが津軽と教育テレビの意外な関係。
1995年から2004年まで放送の幼稚園・保育所向けの自然科学クイズ番組「むしまるQ」「あにまるQ」「むしまるQ」シリーズがあった。虫や動物が独特のタッチのCGで登場し3択クイズを出したり、「カブトムシにも消費税がかかる」といった虫や動物にちなんだ歌があったりの番組だった。
この番組は、弘前大学農学部の城田安幸助教授(現在は農学生命科学部教授【6月9日訂正】准教授)が構成や監修をしていた。昆虫学が専門だが、琥珀の中の虫からDNAを抽出するなど、いろいろやっておられるようだ。
コメント (6)
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