以前紹介した通り、秋田市中心部でアオサギを見ることがあり、その集団営巣地(コロニー)も秋田市内にある。
※本記事の写真は、天候が違う別の日に撮影した画像を使用しています。
秋田駅から西に約4キロ、県道の山王大通りの末端と国道の交差点が「臨海十字路」。この辺りは「臨海」と呼ばれるけど、考えてみれば山があって直接海は見えない。
南北方向の道路は、古い秋田市民は「(国道7号の)臨海バイパス」と呼ぶが、今はここから南が13号線(つまりここが起点)、北が7号線のそれぞれ本線となっているらしい。そして西方向が2003年に開通した7号線の秋田南バイパス。複雑だが、ともかく自動車交通の要衝でトラックなど交通量が多い地点。
臨海十字路の次の小さな交差点を渡ると秋田運河に架かる臨海大橋。
振り返ると秋田市街。左が秋田県JAビル。
周辺は工業地帯。お菓子工場から甘い香りがする。長さ349メートルの橋は正面にある勝平山を避けるように大きく左にカーブしている。
以前紹介したように、この秋田運河は70年前までは雄物川の本流だった。その名残りかこの辺りはあまり運河っぽくない。蛇行気味で上流・下流とも見通しはよくない。緑の水がゆっくりと流れている。
上流から小船が下ってきた
左の高台に見える茶色の建物は対岸の勝平小学校。その奥に雄物川本流のさらに対岸の大森山のテレビ塔が見える。
勝平側にトンネルがある。
その先に見える風車の風力発電ではこの道路の照明やロードヒーティング(融雪)の電力をまかなっているそうだ。
さらに進むと、旧秋田空港を抜けて雄物川河口だが、途中にはミサイル対策で話題になった陸上自衛隊の演習場もある。民家はないので、歩行者が通るとすればジョギングやウォーキングの人くらい。
勝平側からふり返る
少し戻って途中から
渡る前は左にあったJAビルが右に見え、カーブの大きさが分かる。太平山がきれい。
歩道は秋田市街から見て右(下流)側にしかない。大橋上の反対側は欄干が簡素なものしかなく、歩行が禁止されている。
歩道は幅が広く、秋田大橋と似た透明な防風板が取り付けられている。歩きやすいし、川面がほとんど見えないので恐怖感は感じない。気になるのは大型トラックが通ると、揺れを感じること程度。
その防風板は、所々このように複雑な構造。
秋田大橋の秋田県に補修させたら継ぎはぎになってしまった所に似ているが、ここは国土交通省管轄区間。そんなわけはありません。
ガラガラ
のぞき窓になっており、スライドする!
勝平山が間近に見える。ここはちょっとタテツケが悪いね。
のぞき窓は橋の途中に数か所設けられ、ここからサギを観察してもらおうという趣向。低い位置だから、子供でも見やすい。
窓が小さいのは、モノや人間が落ちないためかアオサギを驚かせない配慮だろう。(1か所大きな窓があったが、水質検査か何かのためらしく、施錠されていた)
開閉に力が要り、指を挟んだりする可能性もなくはないのでご注意を。
広角で撮影
斜面
山の向こう側はゴルフ場だが、運河側は急斜面に水際まで木が茂っていて人間は近寄れない。
対岸にいた時から木々の上に点々と白いものが見えていた。車で通っても目につくが、じっくり見るのは初めて。
いるいる。たくさんのアオサギ!
橋の中央部からまっすぐの部分に多くいるが、山と50メートル位しかない端の部分にもまとまった数がいる。さすがに道路のすぐ脇の山の端の方にはいないが、アオサギたちはまったく車の存在を気にしていないようだ。
バイパス建設時にアオサギへの影響を懸念して反対運動が起こったが、確かにこの距離では心配になる。でも杞憂に終わったわけで、国交省秋田河川国道事務所の資料(http://www.thr.mlit.go.jp/akita/etc/sagi/img/eisousuu.gif)によれば、アオサギの営巣数は昭和62年に29、平成4年に130など、バイパス開通後の平成16(2004)年には367と、全体的に増加傾向で道路建設との因果関係は見られない。
今回も、素人目で少なく見積もっても50以上の巣があると思われる。
最大ズーム&トリミング
めいめいに巣を作って、1羽か2羽ずついる。時期的に巣作りから抱卵の時期らしい。立っている個体が多いけど、座っているのは卵を温めているのか?
コウノトリとか大型の鳥類らしい立派な巣だ。鷺の楽園なんだろうけど、団地のベランダを眺めているような気分。上の方ではカラスがたむろしている。卵やヒナを狙っているのか。
時折、空を飛ぶ個体がいる
その多くは自分の翼の幅より長い枝をくわえている。
巣の補強をするのだろうか。バランスを取るのが難しいのかもしれないが、2~3本まとめて運べば効率がよさそうだけど…
まっすぐ巣に向かわず、川の上でぐるっと旋回してからふわりふわりと舞い降りる姿が美しくて見とれてしまう。サギはツルと違って首を曲げて飛ぶが、伸ばして飛ぶこともあるようだ。
アオサギは外見で雌雄を区別するのは難しいが、巣で待っているもう1羽に枝を渡した模様。
この時期は婚姻色でくちばしや脚が色鮮やかになる(以前の記事の写真と比較するとよく分かります)。
何だか知らないが、帰ってくるなり怒られているアオサギも。「ギャー」という鳴き声がたまに聞こえた。
これから木の葉が茂ると見にくくなるが、夏にかけてヒナの生長や水辺で餌をとる姿などが見られそう。また、少し遅れてダイサギ・ゴイサギという別種の営巣も始まる。詳細は秋田河川国道事務所のサイト(http://www.thr.mlit.go.jp/akita/etc/sagi/main.html)で。
初めて見たけど、とても楽しかった。後ろをビュンビュン車が通るのも、時間も忘れて路面に膝をついて見入ってしまった。肉眼で見えないこともないが、双眼鏡か高倍率のカメラがあると、より良く観察可能。敷物か椅子もあるといいかも?
市街地から近い場所で、大型の野生の鳥がまとまって繁殖する姿を観察できるのは、恵まれている。
また国交省も観察窓を作るとは粋な計らいをしてくれる。カッパの看板もそうだけど、見直した。ちなみに、1ケタ番号の国道の維持管理も県へ移管する動きがあるそうだが、ここが秋田県へ移管されたら、窓が開かなくなるようないい加減な保守をされそう。だから反対します!
【アクセス】
駐車場はなく、路上駐車ももちろん不可。でも県庁・市役所から歩いて15分弱、営業所が2つ近くにあるため秋田駅からのバスの便も多い。
県庁・八橋経由車庫(秋田営業所)行きまたは臨海営業所もしくはスケート場行き利用。長崎屋経由車庫行きは不可。
降車バス停は「臨海十字路」だが、路線によって場所が違う。車庫行きでは降りた目の前が橋だが、臨海営業所とスケート場行きでは、右折した所にバス停があるので、少し距離がある。帰りは全路線同じJAビル前のバス停。
【追記】4月下旬の様子はこちら
※本記事の写真は、天候が違う別の日に撮影した画像を使用しています。
秋田駅から西に約4キロ、県道の山王大通りの末端と国道の交差点が「臨海十字路」。この辺りは「臨海」と呼ばれるけど、考えてみれば山があって直接海は見えない。
南北方向の道路は、古い秋田市民は「(国道7号の)臨海バイパス」と呼ぶが、今はここから南が13号線(つまりここが起点)、北が7号線のそれぞれ本線となっているらしい。そして西方向が2003年に開通した7号線の秋田南バイパス。複雑だが、ともかく自動車交通の要衝でトラックなど交通量が多い地点。
臨海十字路の次の小さな交差点を渡ると秋田運河に架かる臨海大橋。
振り返ると秋田市街。左が秋田県JAビル。
周辺は工業地帯。お菓子工場から甘い香りがする。長さ349メートルの橋は正面にある勝平山を避けるように大きく左にカーブしている。
以前紹介したように、この秋田運河は70年前までは雄物川の本流だった。その名残りかこの辺りはあまり運河っぽくない。蛇行気味で上流・下流とも見通しはよくない。緑の水がゆっくりと流れている。
上流から小船が下ってきた
左の高台に見える茶色の建物は対岸の勝平小学校。その奥に雄物川本流のさらに対岸の大森山のテレビ塔が見える。
勝平側にトンネルがある。
その先に見える風車の風力発電ではこの道路の照明やロードヒーティング(融雪)の電力をまかなっているそうだ。
さらに進むと、旧秋田空港を抜けて雄物川河口だが、途中にはミサイル対策で話題になった陸上自衛隊の演習場もある。民家はないので、歩行者が通るとすればジョギングやウォーキングの人くらい。
勝平側からふり返る
少し戻って途中から
渡る前は左にあったJAビルが右に見え、カーブの大きさが分かる。太平山がきれい。
歩道は秋田市街から見て右(下流)側にしかない。大橋上の反対側は欄干が簡素なものしかなく、歩行が禁止されている。
歩道は幅が広く、秋田大橋と似た透明な防風板が取り付けられている。歩きやすいし、川面がほとんど見えないので恐怖感は感じない。気になるのは大型トラックが通ると、揺れを感じること程度。
その防風板は、所々このように複雑な構造。
秋田大橋の秋田県に補修させたら継ぎはぎになってしまった所に似ているが、ここは国土交通省管轄区間。そんなわけはありません。
ガラガラ
のぞき窓になっており、スライドする!
勝平山が間近に見える。ここはちょっとタテツケが悪いね。
のぞき窓は橋の途中に数か所設けられ、ここからサギを観察してもらおうという趣向。低い位置だから、子供でも見やすい。
窓が小さいのは、モノや人間が落ちないためかアオサギを驚かせない配慮だろう。(1か所大きな窓があったが、水質検査か何かのためらしく、施錠されていた)
開閉に力が要り、指を挟んだりする可能性もなくはないのでご注意を。
広角で撮影
斜面
山の向こう側はゴルフ場だが、運河側は急斜面に水際まで木が茂っていて人間は近寄れない。
対岸にいた時から木々の上に点々と白いものが見えていた。車で通っても目につくが、じっくり見るのは初めて。
いるいる。たくさんのアオサギ!
橋の中央部からまっすぐの部分に多くいるが、山と50メートル位しかない端の部分にもまとまった数がいる。さすがに道路のすぐ脇の山の端の方にはいないが、アオサギたちはまったく車の存在を気にしていないようだ。
バイパス建設時にアオサギへの影響を懸念して反対運動が起こったが、確かにこの距離では心配になる。でも杞憂に終わったわけで、国交省秋田河川国道事務所の資料(http://www.thr.mlit.go.jp/akita/etc/sagi/img/eisousuu.gif)によれば、アオサギの営巣数は昭和62年に29、平成4年に130など、バイパス開通後の平成16(2004)年には367と、全体的に増加傾向で道路建設との因果関係は見られない。
今回も、素人目で少なく見積もっても50以上の巣があると思われる。
最大ズーム&トリミング
めいめいに巣を作って、1羽か2羽ずついる。時期的に巣作りから抱卵の時期らしい。立っている個体が多いけど、座っているのは卵を温めているのか?
コウノトリとか大型の鳥類らしい立派な巣だ。鷺の楽園なんだろうけど、団地のベランダを眺めているような気分。上の方ではカラスがたむろしている。卵やヒナを狙っているのか。
時折、空を飛ぶ個体がいる
その多くは自分の翼の幅より長い枝をくわえている。
巣の補強をするのだろうか。バランスを取るのが難しいのかもしれないが、2~3本まとめて運べば効率がよさそうだけど…
まっすぐ巣に向かわず、川の上でぐるっと旋回してからふわりふわりと舞い降りる姿が美しくて見とれてしまう。サギはツルと違って首を曲げて飛ぶが、伸ばして飛ぶこともあるようだ。
アオサギは外見で雌雄を区別するのは難しいが、巣で待っているもう1羽に枝を渡した模様。
この時期は婚姻色でくちばしや脚が色鮮やかになる(以前の記事の写真と比較するとよく分かります)。
何だか知らないが、帰ってくるなり怒られているアオサギも。「ギャー」という鳴き声がたまに聞こえた。
これから木の葉が茂ると見にくくなるが、夏にかけてヒナの生長や水辺で餌をとる姿などが見られそう。また、少し遅れてダイサギ・ゴイサギという別種の営巣も始まる。詳細は秋田河川国道事務所のサイト(http://www.thr.mlit.go.jp/akita/etc/sagi/main.html)で。
初めて見たけど、とても楽しかった。後ろをビュンビュン車が通るのも、時間も忘れて路面に膝をついて見入ってしまった。肉眼で見えないこともないが、双眼鏡か高倍率のカメラがあると、より良く観察可能。敷物か椅子もあるといいかも?
市街地から近い場所で、大型の野生の鳥がまとまって繁殖する姿を観察できるのは、恵まれている。
また国交省も観察窓を作るとは粋な計らいをしてくれる。カッパの看板もそうだけど、見直した。ちなみに、1ケタ番号の国道の維持管理も県へ移管する動きがあるそうだが、ここが秋田県へ移管されたら、窓が開かなくなるようないい加減な保守をされそう。だから反対します!
【アクセス】
駐車場はなく、路上駐車ももちろん不可。でも県庁・市役所から歩いて15分弱、営業所が2つ近くにあるため秋田駅からのバスの便も多い。
県庁・八橋経由車庫(秋田営業所)行きまたは臨海営業所もしくはスケート場行き利用。長崎屋経由車庫行きは不可。
降車バス停は「臨海十字路」だが、路線によって場所が違う。車庫行きでは降りた目の前が橋だが、臨海営業所とスケート場行きでは、右折した所にバス停があるので、少し距離がある。帰りは全路線同じJAビル前のバス停。
【追記】4月下旬の様子はこちら