広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

アンパンマンで高知へ

2010-03-28 13:48:12 | 旅行記
【四国旅行記8】旅行記の最初の記事はこちら、直前の記事はこちら
フリーきっぷ2日目。岡山から再び瀬戸大橋を渡って高知へ向かう。
「バースデイきっぷ」を使って、JR四国の全線を「乗りつぶし」する方が多い。でも個人的には、“全線完全乗車”には興味がない(いろんな路線に乗ってみたいという願望はあるけれど)し、あちこち見るよりも特定の都市をじっくり見たい。
そんなわけで、高松や松山、高知県西部にも行ってみたいけれどそれらは次回以降に回し、今回は徳島市と高知市に重点を置くことにしたので、高知市は今回訪れる最南端。

瀬戸内から高知へ向かう列車は、岡山始発の特急「南風(なんぷう)」が1時間毎に運転されている。高松始発の特急「しまんと」は本数が少ない。
昨日と同様、フリーきっぷエリア外の岡山駅から児島駅までSuicaを使って先行の快速列車で先回りし、後から来る「南風」を待つ。

高知へ向かう土讃線(以前は土讃本線と呼んでいたが、JR四国では「○○本線」という呼称を使用しない)が電化されていないので、「南風」の車両はディーゼルカー。形式としては「2000系」と昨日乗った「うずしお」と同じ「N2000系」車両が使われる。(2000系を高速対応マイナーチェンジしたものがN2000系)
多くの「南風」は2000系が使われ、銀色に水色の帯の外観なのだが、僕が乗ったのは、この列車、
「アンパンマン列車」
2000系の一部は、高知県出身のやなせたかし氏の「それいけ!アンパンマン」のキャラクターを車体に描いた「アンパンマン列車」になっている。四国各地で走っているが、「南風」用には昨年リニューアルされた色違いの2本があり、毎日同じ列車に固定して走っている(検査等で変更の場合あり)。
グリーン車側の先頭車(1号車)
乗ったのはオレンジ色の編成(もう1本は緑)。3両1組のようだが、この日は普通の塗装の車両を間に1両増結していた。
ドアが開くと一部隠れてしまう
瀬戸大橋を渡って四国最初の停車駅までは、徳島行きの「うずしお」と一緒に走る(はやて・こまちみたいな感じ)数少ない便だったので、通常塗装のN2000系「うずしお」+アンパンマン列車の2000系+通常塗装の2000系と、外観上3種類の列車がつながっていた(形式が違うが一緒に走行できる)。
外観としては、ちぐはぐな印象
「うずしお」と分かれると、隠れていた反対側(普通車)の先頭が姿を現した。
こっちの方がまとまっていいデザインだと思う
なお、通常の(アンパンマン列車でない)「南風」のヘッドマーク(トレインマーク)は、
クジラの形の雲?
「うずしお」もそうだったが、JR四国の特急のマークは、列車名を連想させるやや抽象的なイラストがマークになっていて、国鉄時代とは雰囲気が違う。


今や国民的キャラクターとなったアンパンマン。(アニメの人気が出てきたのが、僕が中学生になった頃だったので、個人的にはあまり馴染みはないけど嫌いじゃない)
ホームでは親子連れはもちろん、子どもの頃に見ていたであろう20代の人、子どもや孫に見せるのか大人まで、たくさんの人がカメラを向けていた。でも、そのファンタジックな塗装の車内に乗り込むにはちょっと勇気が要るかも。
昨日は普通車にしか乗れなかったが、南風にはグリーン車があるのでやっとグリーン車にありつける。先頭の1号車の前側半分がグリーン車。
内装は至って普通
横1列に3席しかない(6列あるので定員18人)、どっしりとしたシート。1列4席の「こまち」よりもゆったり。
1人で予約すれば、優先的に1人掛け席に割り当てられるようで、僕も1人掛けに座る。隣に人が来ないのはいいが、ちょっとした荷物を隣の空席に置いたり、弁当を食べる時2席分のテーブルを出して使ったりできず、ちょっと不便かも。
幅広でゆったりしすぎて体にうまく合わず、なんとなく落ち着かなかった(貧乏性ですね)。格安で乗せてもらって文句は言えないが、正規料金を払ってまで乗る気にはならない。(「こまち」は少し狭いが、ふかふかのヘッドレストがあって寝ても首が痛くならないし、飲み物やスリッパがタダで出てくるから、そっちの方が価値はあるかも)

さて、1号車のグリーン車でない残り半分は、普通車指定席。秋田周辺の特急「かもしか」「いなほ」同様、“半室グリーン車”の“合造車”というやつだ。ただし、その半室普通車というのが普通の普通車じゃない。
シートにアンパンマン

 天井に、テーブルの影に、壁にもアンパンマン!
2号車以降の普通車は通常の内装だが、1号車の半室普通車だけは「アンパンマンシート」として、「パン工場をイメージした」アンパンマンの世界が広がっている。
指定席予約システムには、通常の普通車と分けて登録されているので、“狙って”乗ることが可能で、16席の大部分が子ども連れのお客で埋まっていた。
でも何かの手違いで、何も知らない大人がこの席に割り当てられたら、びっくりするだろうね。グリーン車のお客がトイレに行く時も、ここを通らないといけないのので、人によってはキツイかも。
 図柄にバリエーションがある
狙ったわけではないが、翌日、高知から戻る時も、同じ車両だった。結局、普通の塗装の南風には乗れなかった…


岡山から高知までは約180キロ、2時間。南国土佐は遠くて時間がかかりそうな印象があるが、秋田-青森間(約186キロ)と同じくらいだから思ったほどでない。正規のグリーン料金だけでも片道5000円近くかかるから、1万円のバースデイきっぷで乗り応えがある。

JR四国では、2003年に車内販売をすべてやめてしまった。と思いきや、途中の丸亀駅からワゴンが乗り込み、高松の駅弁やコーヒーを売りに来た。そして、車内を一巡し、わずか15分ほど先の琴平駅で降りていった。昨年から、このような短区間限定で車内販売が復活したそうだ。
慌ただしい車内販売だったが、「何も買わずに乗ってしまった」という人は助かるし、僕も小腹が空いていたので利用した。

土讃線は山間部を走る。前通った時も思ったが、四国がこんなに山深いとは意外。
こんぴらさんの「琴平」、一度徳島県に入って高校野球で名をはせた池田高校のある「阿波池田」、景勝地の大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)を過ぎれば高知県。
小歩危かな?
沿線の山肌には山桜が咲いており、途中駅のソメイヨシノも1部咲きくらい。高知市内で花見ができるか?
グリーン車のお客は6~7人ほどで空席が目立ち、多くの方が徳島県内・高知県内の途中駅で降りていった。この程度の乗車率だから、格安きっぷが成り立ってるんだろう。普通車の方はそれなりに混んでいたようだ。


アンパンマン列車では、始発駅発車後と終着駅到着前に、アニメのテーマ曲「アンパンマンのマーチ」とアンパンマンからのごあいさつ(ようこそ/またね程度)が放送された。
車掌の検札時に押されるスタンプにも(通常のスタンプを押した車掌もいた)
そして高松や宇多津・丸亀・多度津付近では、他のアンパンマン列車にも出会える。
予讃線松山方面「しおかぜ」「いしづち」用の車両で、アンパンマン以外のキャラクターをメインにしたデザインになっている。
宿敵現る?!
左の南風のアンパンマンの隣に、「ばいきんまん号」がやって来た。
 
側面に大きく「ANPANMAN」と書かれ、他のキャラクターたちが並んでいる。
「メロンパンナちゃん号」
ほかにも「カレーパンマン号」、「どんぶりまんトリオ号」など、全11種類あるようだ。JR四国の特急列車は、楽ではない経営の中、がんばって楽しませてくれている。
それは分かるんだけど…
アンパンマンでない特急車両の車外ドア横のLED表示
本来オレンジ一色の文字なのに、部分的に緑や赤がモザイク状に混ざって、サイケデリック?
LEDは、赤色LEDと緑色LEDを同時に点灯させることでオレンジに見せている。モザイク状になった部分では、片方のLEDが作動していないようだ。

それから、四国の特急では、「この列車は南風7号高知行きです。次は○○に停まります」といったような音声合成式の自動放送が流れる。(昔録音されたのか、つながりが若干不自然な箇所も多いけど)
僕が乗ったアンパンマン南風では、冒頭部分の音声が欠落し、突然「7号高知行きです」という放送が各駅で行きも帰りも流れていた。
他のアンパンマン列車に乗っていないので断言できないが、アンパンマンのあいさつを放送するために、放送装置をいじった(音声データを加えた)際、何らかの不具合が生じてしまったのではないだろうか。
LEDも放送も乗客への案内に使うものだから、不安定なままにせず、きちんと手入れしてほしい。

次回は、高知市内を紹介します。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする