バスの広告のお話。※以前アップした秋田市営バスの広告もご参考に。
秋田中央交通の公式サイトに、いつの間にか「バス広告のご案内」というページ(http://www.akita-chuoukotsu.co.jp/kokoku/index.php)ができていた。
営業課内で担当していたり、外部エージェンシーに任せているのかと思っていたが、同社には「広告課」というセクションがあるらしい。その割には、旧秋田市交通局と比べて、あまり広告を接居的積極的にやってないような気がするけど。
そのページには、媒体別広告料金まで掲載されていた。(PDFファイルもありhttp://www.akita-chuoukotsu.co.jp/kokoku/files/koukoku.pdf)
そこからいくつかのおネダンを見てみる。※費用は1台あたりでデザイン料・制作費別途
◯ラッピングバス(両側面と後部)
中型一般路線バス 6ヶ月:660,000円、1年:1,200,000円、剥離・復元費300,000円
空港リムジンバス 6ヶ月:825,000円、1年:1,500,000円、剥離・復元費400,000円
全国的な相場としてこんなもんだろうとは思うが、空港リムジンの方がずいぶんと高い。
リムジンは大型車で面積が広く、かつ路線の性格上、旅行客の眼に触れる機会が多いからかもしれないが、一方で走る道・回数は限定されるし人通りが少ない道も多く走る。むしろ、市中心部を繰り返し走行する一般路線バスの方が、ラッピング広告の効果が高そうにも思う。
また、一般路線バスの大型車や小型車の料金は設定されていない。在籍台数が少ないからかもしれないが、これらにラッピング広告は出せないのだろうか?(数年前までは大型バスのラッピングも何台かあったが、現在はないはず)
◯フロントエプロン(正面フロントガラス下のゼッケンみたいの) 40センチ×80センチ、30枚以上、20日間以上掲出で1日400円
◯後部広告 45センチ×120センチは1年108,000円、30センチ×120センチは1年72,000円
◯乗車口ステッカー 90センチ×84センチ、最低3台以上。1台当たり6ヶ月:29,700円、1年:54,000円
市営バスの広告で「太平堂の銘茶(太平堂茶舗)」などを紹介した、中ドアの広告。
市営バス当時はほぼ全車両に掲出され、現在の中央交通でも比較的目にする媒体だと思う。
ドアが開いていると見えなくなってしまうが、側面の枠にはめ込むタイプの料金(60センチ×120センチで1年72,000円)や後部広告と比較すると、大きさの割に割安で広告主には魅力的なのだろう。
では、中央交通の実際の広告を見てみる。
「太平興業 秋田支店」
秋田、山形、新潟の各県には、「三菱ふそうトラック・バス」の製品を扱う、三菱ふそう直営のディーラーがない。代わりに「太平興業」という企業が販売や修理をしている。本社は東京。
その秋田支店のドア広告には、「トラック・バスの綜合ディーラー」と書かれているだけで、「三菱ふそうの」とはひとこともない。
ところで、中央交通では、長らく三菱(=太平興業)との取引がない時期があった。
1970年代までは三菱製車両を購入していたそうだが後になくなり、昭和末期~2000年代初めまでは、三菱製のバスが1台もなかった。
しかし、交通局の路線譲渡が本格化した2004年頃に、突如取引を再開。同時に市営バスや仲良しの小田急バスの中古の三菱製バスも譲受するようになり、現在では一定数の三菱製バスが使われている。
とはいえ、新車で買うバスはそれほど多くなく、路線バス用は現在までに中型車2台しか購入していない。(他は高速バス用が多いようだ)
上の広告が貼られているのは、
その新車で買った三菱製バス
そりゃあ、三菱以外のメーカーのバスに貼るよりは説得力があるだろうからね。
上記の資料によれば、この広告は最低3枚は掲出しないとならない。他の2枚はどんな車に貼られているかと思っていたら、もう1枚は、秋田市交通局から譲渡されたやはり三菱製のバスに貼られていたのを確認。
【3日追記】新車で買った三菱製のもう1台の中ドアは「おーいお茶」の広告だった。
※その後、この広告はなくなった(リンク先末尾)
秋田市営バスではあまり見られず、中央交通らしい広告主に、秋田市外の企業のものがある。
「秋田のおみやげ 安田のつくだ煮」
秋田市の北、南秋田郡にある八郎潟周辺では、佃煮が特産。その最大手が「株式会社安田のつくだ煮」ではないだろうか。資料にはない、横長サイズの広告。
安田のつくだ煮は、秋田市の市民市場に店舗、そのそばの南大通りに事務所があるが、本社は八郎潟町にあるらしい。市営バスには広告を出していなかったはずで、この横長の文字だけの広告を見ると中央交通らしいアイテムだと感じていた。
掲出枚数はそれほど多くないようではあるが、最近は、市営バスからの移管路線を走る車両でも見かける。(広告を新たに出したというよりは、車両の転属によるものだと思われる)
五城目営業所のバス
秋田市外を主な運行エリアとする車両だけに、広告もご当地ものばかり。
「湖東植物園」
10年近く前に初めて見た時、「植物園」というからには、植物を展示・鑑賞させるいわゆる植物園が五城目にあるのかと思ったら、上に小さく書いてあるように植木屋さんだ。
同じ車両の中ドア付近
ドアのガラスに「危険物持込禁止」と表示されているのも、五城目営業所所属車両の特徴。(他営業所の車両では同じ紙が車内に掲出されているものがあるし、五城目の車両でも表示がないものもある)
黄色いステッカーが目立つのは、「伊藤ダンススポーツクラブ」という、八郎潟町のダンス教室の広告。
かわいらしいイラスト
別の(たぶん)五城目の車両
※系統番号がLEDに表示されなかった五城目営業所のバスも、遅れてデータが更新され、「100五城目BT」と分かりにくく表示されるようになった。
中央交通全体では、いすゞ製の路線バスがとても多いが、五城目営業所から秋田市内に来るバスは、日野製が多い印象。この写真のようないすゞ、それに日産ディーゼルは少なめ。(三菱は皆無)
五城目営業所の比較的新しいバスには、広告が一切掲出されていないものもあるが、その中で数少ない広告が「サルタ観賞魚センター」。「五城目高校入口」とあるが、所在地は八郎潟町のようだ。
「ALL PET」? 鳥や爬虫類も扱うお店のようだ
所変わって、青森県弘前市の弘南バス。※以下、写真の写りがよくありません。
同社も、昨年秋に訪れた時までは車体の広告はそれほど盛んでない印象だったが、今年夏に行ってみると、以前より増えており、新たな広告主も登場している。
最近は、はめ込み式の広告枠の代わりに、同じくらいのサイズの広告を印字したシートを貼ったものが多い。
「石豊建設」
車体の「K」をモチーフにしたラインや「KONAN BUS」の文字が中途半端に隠れてしまっている。
もうちょっと、位置をなんとかできなかったもんでしょうか。
一部には、側面全面とまではいかなくても広い範囲をラッピングした(シートを貼った)バスがあった。
「青森県後期高齢者医療広域連合」
上の写真の反対面
元気そうなおばあさん。赤い逆「し」の字は、杖を放り投げているのか?
ほかにも、土手町循環100円バスに充当されていた弘前営業所の三菱製中型バスは、秋田にもある、黄色い背景にアンパンマンが描かれたJA共済の広告で、ほぼ全面がラッピングされていたと思う(弘南バスでは極めて珍しい)。しかし、近くで見ると、ラッピングが凸凹しているというか斜めの線(筋)みたいなのがあり、なんというかラッピングが下手に見えた気がした。ラッピング広告に慣れていないのか。
目新しい広告主としては、まずは、
あの
津軽百年食堂のモデルの1つ、
「三忠食堂」
さくらまつりの出店の看板そのもののデザインだ。(若干縦方向に縮んでいる?)
(再掲)出店の看板
元の色合いが地味で目立ちにくいし、せっかくなら、どーんとでっかくしてはどうでしょうか。
さらに、
弘前営業所所属の土手町循環100円バス/和徳車庫所属の黒石行き
これらの側面の広告主は、なんと我らが(?)、
「秋田市大森山動物園」!
アムールトラの写真と、「動物たちから元気を!! 動物と語らう森 秋田市大森山動物園」という文字。
実は以前、弘南バスの複数の車両に大森山動物園の広告が出ているという情報をいただいていた(ありがとうございました)。そこで弘前に行った時に気をつけて探したのだが、意識しているとなかなか見つからない。
でも、ぼーっとしている時に通り過ぎたバスとか、バスに乗っていてすれ違った他のバスでは、何度も見かけた。(そのため、上のような写真しか撮れていません)
複数の営業所・車庫所属の中型または小型(日野リエッセ)車両の側面に掲出されているのを確認。車両によって、左右どちらかに掲出されるかは異なる。
青森には本格的な動物園がなく、津軽地方から秋田市は観光の目的地になり得る距離だから、広告効果はありそう。
土手町循環100円バスの車両は、弘前市中心部を1日中ぐるぐる(頻度としては1時間に1回以上か)しているのだから、目に付くことだろう。
秋田県内の水族館の広告を秋田市内のバスに出すよりも、ずっと意義があると思う。
これも、写真をもっと大きくすれば、迫力がありそうだ。
この写真のアムールトラって、もしかして今年6月に11歳で死んだ「ウィッキー」(オス)かな、とも思ったが、横腹の模様の少なさからすると、メスの「アシリ」かもしれない。
秋田中央交通の公式サイトに、いつの間にか「バス広告のご案内」というページ(http://www.akita-chuoukotsu.co.jp/kokoku/index.php)ができていた。
営業課内で担当していたり、外部エージェンシーに任せているのかと思っていたが、同社には「広告課」というセクションがあるらしい。その割には、旧秋田市交通局と比べて、あまり広告を
そのページには、媒体別広告料金まで掲載されていた。(PDFファイルもありhttp://www.akita-chuoukotsu.co.jp/kokoku/files/koukoku.pdf)
そこからいくつかのおネダンを見てみる。※費用は1台あたりでデザイン料・制作費別途
◯ラッピングバス(両側面と後部)
中型一般路線バス 6ヶ月:660,000円、1年:1,200,000円、剥離・復元費300,000円
空港リムジンバス 6ヶ月:825,000円、1年:1,500,000円、剥離・復元費400,000円
全国的な相場としてこんなもんだろうとは思うが、空港リムジンの方がずいぶんと高い。
リムジンは大型車で面積が広く、かつ路線の性格上、旅行客の眼に触れる機会が多いからかもしれないが、一方で走る道・回数は限定されるし人通りが少ない道も多く走る。むしろ、市中心部を繰り返し走行する一般路線バスの方が、ラッピング広告の効果が高そうにも思う。
また、一般路線バスの大型車や小型車の料金は設定されていない。在籍台数が少ないからかもしれないが、これらにラッピング広告は出せないのだろうか?(数年前までは大型バスのラッピングも何台かあったが、現在はないはず)
◯フロントエプロン(正面フロントガラス下のゼッケンみたいの) 40センチ×80センチ、30枚以上、20日間以上掲出で1日400円
◯後部広告 45センチ×120センチは1年108,000円、30センチ×120センチは1年72,000円
◯乗車口ステッカー 90センチ×84センチ、最低3台以上。1台当たり6ヶ月:29,700円、1年:54,000円
市営バスの広告で「太平堂の銘茶(太平堂茶舗)」などを紹介した、中ドアの広告。
市営バス当時はほぼ全車両に掲出され、現在の中央交通でも比較的目にする媒体だと思う。
ドアが開いていると見えなくなってしまうが、側面の枠にはめ込むタイプの料金(60センチ×120センチで1年72,000円)や後部広告と比較すると、大きさの割に割安で広告主には魅力的なのだろう。
では、中央交通の実際の広告を見てみる。
「太平興業 秋田支店」
秋田、山形、新潟の各県には、「三菱ふそうトラック・バス」の製品を扱う、三菱ふそう直営のディーラーがない。代わりに「太平興業」という企業が販売や修理をしている。本社は東京。
その秋田支店のドア広告には、「トラック・バスの綜合ディーラー」と書かれているだけで、「三菱ふそうの」とはひとこともない。
ところで、中央交通では、長らく三菱(=太平興業)との取引がない時期があった。
1970年代までは三菱製車両を購入していたそうだが後になくなり、昭和末期~2000年代初めまでは、三菱製のバスが1台もなかった。
しかし、交通局の路線譲渡が本格化した2004年頃に、突如取引を再開。同時に市営バスや仲良しの小田急バスの中古の三菱製バスも譲受するようになり、現在では一定数の三菱製バスが使われている。
とはいえ、新車で買うバスはそれほど多くなく、路線バス用は現在までに中型車2台しか購入していない。(他は高速バス用が多いようだ)
上の広告が貼られているのは、
その新車で買った三菱製バス
そりゃあ、三菱以外のメーカーのバスに貼るよりは説得力があるだろうからね。
上記の資料によれば、この広告は最低3枚は掲出しないとならない。他の2枚はどんな車に貼られているかと思っていたら、もう1枚は、秋田市交通局から譲渡されたやはり三菱製のバスに貼られていたのを確認。
【3日追記】新車で買った三菱製のもう1台の中ドアは「おーいお茶」の広告だった。
※その後、この広告はなくなった(リンク先末尾)
秋田市営バスではあまり見られず、中央交通らしい広告主に、秋田市外の企業のものがある。
「秋田のおみやげ 安田のつくだ煮」
秋田市の北、南秋田郡にある八郎潟周辺では、佃煮が特産。その最大手が「株式会社安田のつくだ煮」ではないだろうか。資料にはない、横長サイズの広告。
安田のつくだ煮は、秋田市の市民市場に店舗、そのそばの南大通りに事務所があるが、本社は八郎潟町にあるらしい。市営バスには広告を出していなかったはずで、この横長の文字だけの広告を見ると中央交通らしいアイテムだと感じていた。
掲出枚数はそれほど多くないようではあるが、最近は、市営バスからの移管路線を走る車両でも見かける。(広告を新たに出したというよりは、車両の転属によるものだと思われる)
五城目営業所のバス
秋田市外を主な運行エリアとする車両だけに、広告もご当地ものばかり。
「湖東植物園」
10年近く前に初めて見た時、「植物園」というからには、植物を展示・鑑賞させるいわゆる植物園が五城目にあるのかと思ったら、上に小さく書いてあるように植木屋さんだ。
同じ車両の中ドア付近
ドアのガラスに「危険物持込禁止」と表示されているのも、五城目営業所所属車両の特徴。(他営業所の車両では同じ紙が車内に掲出されているものがあるし、五城目の車両でも表示がないものもある)
黄色いステッカーが目立つのは、「伊藤ダンススポーツクラブ」という、八郎潟町のダンス教室の広告。
かわいらしいイラスト
別の(たぶん)五城目の車両
※系統番号がLEDに表示されなかった五城目営業所のバスも、遅れてデータが更新され、「100五城目BT」と分かりにくく表示されるようになった。
中央交通全体では、いすゞ製の路線バスがとても多いが、五城目営業所から秋田市内に来るバスは、日野製が多い印象。この写真のようないすゞ、それに日産ディーゼルは少なめ。(三菱は皆無)
五城目営業所の比較的新しいバスには、広告が一切掲出されていないものもあるが、その中で数少ない広告が「サルタ観賞魚センター」。「五城目高校入口」とあるが、所在地は八郎潟町のようだ。
「ALL PET」? 鳥や爬虫類も扱うお店のようだ
所変わって、青森県弘前市の弘南バス。※以下、写真の写りがよくありません。
同社も、昨年秋に訪れた時までは車体の広告はそれほど盛んでない印象だったが、今年夏に行ってみると、以前より増えており、新たな広告主も登場している。
最近は、はめ込み式の広告枠の代わりに、同じくらいのサイズの広告を印字したシートを貼ったものが多い。
「石豊建設」
車体の「K」をモチーフにしたラインや「KONAN BUS」の文字が中途半端に隠れてしまっている。
もうちょっと、位置をなんとかできなかったもんでしょうか。
一部には、側面全面とまではいかなくても広い範囲をラッピングした(シートを貼った)バスがあった。
「青森県後期高齢者医療広域連合」
上の写真の反対面
元気そうなおばあさん。赤い逆「し」の字は、杖を放り投げているのか?
ほかにも、土手町循環100円バスに充当されていた弘前営業所の三菱製中型バスは、秋田にもある、黄色い背景にアンパンマンが描かれたJA共済の広告で、ほぼ全面がラッピングされていたと思う(弘南バスでは極めて珍しい)。しかし、近くで見ると、ラッピングが凸凹しているというか斜めの線(筋)みたいなのがあり、なんというかラッピングが下手に見えた気がした。ラッピング広告に慣れていないのか。
目新しい広告主としては、まずは、
あの
津軽百年食堂のモデルの1つ、
「三忠食堂」
さくらまつりの出店の看板そのもののデザインだ。(若干縦方向に縮んでいる?)
(再掲)出店の看板
元の色合いが地味で目立ちにくいし、せっかくなら、どーんとでっかくしてはどうでしょうか。
さらに、
弘前営業所所属の土手町循環100円バス/和徳車庫所属の黒石行き
これらの側面の広告主は、なんと我らが(?)、
「秋田市大森山動物園」!
アムールトラの写真と、「動物たちから元気を!! 動物と語らう森 秋田市大森山動物園」という文字。
実は以前、弘南バスの複数の車両に大森山動物園の広告が出ているという情報をいただいていた(ありがとうございました)。そこで弘前に行った時に気をつけて探したのだが、意識しているとなかなか見つからない。
でも、ぼーっとしている時に通り過ぎたバスとか、バスに乗っていてすれ違った他のバスでは、何度も見かけた。(そのため、上のような写真しか撮れていません)
複数の営業所・車庫所属の中型または小型(日野リエッセ)車両の側面に掲出されているのを確認。車両によって、左右どちらかに掲出されるかは異なる。
青森には本格的な動物園がなく、津軽地方から秋田市は観光の目的地になり得る距離だから、広告効果はありそう。
土手町循環100円バスの車両は、弘前市中心部を1日中ぐるぐる(頻度としては1時間に1回以上か)しているのだから、目に付くことだろう。
秋田県内の水族館の広告を秋田市内のバスに出すよりも、ずっと意義があると思う。
これも、写真をもっと大きくすれば、迫力がありそうだ。
この写真のアムールトラって、もしかして今年6月に11歳で死んだ「ウィッキー」(オス)かな、とも思ったが、横腹の模様の少なさからすると、メスの「アシリ」かもしれない。