日曜日は参議院選挙の投票日。
多くの人に投票してもらおうということで、「選挙の啓発」が行われる。
選挙啓発は、県の選挙管理委員会が中心になって行われることが多いようで、秋田県では今までもいろいろやっていた。
「明るい選挙推進協議会」による全国共通の明るい選挙のイメージキャラクター「選挙のめいすい(明推)くん」を秋田仕様にカスタマイズした(=ナマハゲの格好をさせた)「なまはげめいすいくん」というのがいるし、標語の募集やうちわの配布などが行われてきた。
先日も少し触れたけれど、今選挙の秋田県の標語は、一般からの公募で「今でしょう 日本を変える 一票を」に決まった。
※衆議院の解散に伴う選挙など、選挙まで時間が短い場合は、一般ではなく県内の各市町村選管の職員を対象に募集することがある。
個人的には、選挙に行く気のない人に多少宣伝したくらいで投票率が上がるとは思えず、「選挙の啓発」という行為自体が税金の無駄遣いのようにも感じるものの、秋田県選管はがんばっていると思う。
今選挙で特徴的なのが、看板類。
二丁目橋交差点
大きな選挙の時は、竿燈大通り突き当りの旧・産業会館跡地に啓発看板が設置される。
※現在、産業会館跡地は竿燈の観覧席設置工事の作業用地として使用中。また、左隣りの看板は20日に行われる駅伝大会の交通規制告知。
こんな看板
右側の男女となまはげめいすいくんが劇画調にされたのがインパクトがある。(左側で正面を向いているのが本来のなまはげめいすいくん)
色使いも目立つ。
同じ内容(サイズは異なる)の看板などが、県正庁【2021年4月11日訂正】本庁舎の庇、秋田駅中央改札口の床面などにもある。
7月5日付の秋田経済新聞「秋田県選管、参院選は「燃えキャラ」で啓発(http://akita.keizai.biz/headline/1778/)」によれば、「選管が啓発事業としてコンペを開き、寄せられた7社の企画の中から、」「秋田市内の広告代理店のアイデアを選んだ。イラストは潟上市在住の女性イラストレーターが制作した。」とのこと。
さて、東北地方のブロック紙河北新報の15日付に「投票行きたくなる? 東北の選管ポスター 専門家が批評」というのが出ていた。
東北6県の各県選管が作った啓発ポスターが「選管の思惑通り、有権者を投票所に向かわせる図案に なっているのかどうか」「デザインが専門の東北芸術工科大の中山ダイスケ教授に評価してもらった。」そうだ。
※東北芸術工科大学は山形市にある私立大学。東北地方の四年制美術系大学はここと秋田美大の2つだけ。
中山ダイスケ氏は存じ上げなかったが、1968年生まれの現代美術家、デザイナー、舞台美術家、アートディレクター。本名は全部漢字。そしてなんと、女優の鶴田真由の夫!
おもしろそうな企画だと思って、中身(オンライン版)を見たが、その“批評”はひどいもの。これでは批判だ。
※紙面では詳細に評価されている可能性はあります。あくまでオンライン版を読んだ感想。
まず先に、素人である僕の感想では、秋田、山形、福島の各県は、おもしろいもの・目を引くものにしようと、それなりに努力していると思う。
宮城は子どものポスターコンクール作品を取り入れたものだそうで、まあそれなり。青森はありふれた感じでインパクトが薄いし、全体の色(コントラスト)も薄い。岩手は総務省のポスターをそのまま流用したそうで、やはりありふれた感。※岩手県は経費節減を狙って、オリジナルデザインにしなかったとも考えられ、それならばそれはそれでいいでしょう。
中山氏は、青森県のが「6県の中で一番良くできている。」とお気に入り。
青森県選挙管理委員会ホームページより(河北新報サイトのポスター画像とは配置が若干異なる)
まず「キャッチコピーがいい。」そうだが、「自分の一票を信じよう。」がそんなにいいコピーでしょうか?
「キャッチコピーからモデルの男性、投票箱へと視線がスムーズに流れる工夫も凝らされている。」そうだけど、僕の視線はそう流れない。投票箱(の絵)は背景がごちゃごちゃで目立たないし、そもそも屋外に投票箱があるのって不自然でしょ。
他の5県(独自性がない岩手は当然として)については、いずれも“酷評”と言えよう。
秋田については「劇画調で熱く激しく、選挙への関心の低い風潮と温度差があってしらける。」そうだ。
低い関心を高めようと熱いポスターにしたんだから、それでいいんじゃない! 屋外で絵の投票箱に、おかしな姿勢で一票を投じようとしている青森の登場人物だって、相当現実離れしていて、しらけそうですが…
総評は、「選挙ポスター、チラシの役目は有権者に投票日を知らせることで、選挙の意味や質感を語る必要はないと思う。今回はインターネット選挙が解禁された記念的な選挙であるにもかかわらず、広報はポスター中心の旧来型で時間が止まったままになっている。」とのこと。
前段の「投票日を知らせること」うんぬんはその通りだと思う。
でも、後段で「ポスター中心の旧来型(のまま)」と言っているのは矛盾するのでは? 投票日を知らせるだけなら、旧来型ポスターで充分なのでは? お気に入りの青森県のようなキャッチコピーなど不要なのでは?
そして、「投票日を知らせる」のが目的ならば、ポスターをぱっと見て「選挙(投票)」が「7月21日」に行われることが伝わらないといけないのではないだろうか。
6県のポスターで、それがよく伝わるのは福島と山形だ。(秋田は日付は分かりやすいが、「参議院議員通常選挙」の文字が詰めてごちゃっと書いているので分かりにくい)
中山氏お気に入りの青森なんか、(河北新報サイトのバージョンは特に)日付が小さくて目に付きにくいと思うのだけど…
専門家といえども人によって感覚はそれぞれで、こういう評価もあるのでしょう。新聞社側のまとめかたが下手なのかもしれないし。
河北新報さん。次は中山氏ご自身に「理想の啓発ポスター」を作成してもらったり、秋田美大の教員の評価と“対決”させてみたり、そんな企画はいかがでしょうか。
多くの人に投票してもらおうということで、「選挙の啓発」が行われる。
選挙啓発は、県の選挙管理委員会が中心になって行われることが多いようで、秋田県では今までもいろいろやっていた。
「明るい選挙推進協議会」による全国共通の明るい選挙のイメージキャラクター「選挙のめいすい(明推)くん」を秋田仕様にカスタマイズした(=ナマハゲの格好をさせた)「なまはげめいすいくん」というのがいるし、標語の募集やうちわの配布などが行われてきた。
先日も少し触れたけれど、今選挙の秋田県の標語は、一般からの公募で「今でしょう 日本を変える 一票を」に決まった。
※衆議院の解散に伴う選挙など、選挙まで時間が短い場合は、一般ではなく県内の各市町村選管の職員を対象に募集することがある。
個人的には、選挙に行く気のない人に多少宣伝したくらいで投票率が上がるとは思えず、「選挙の啓発」という行為自体が税金の無駄遣いのようにも感じるものの、秋田県選管はがんばっていると思う。
今選挙で特徴的なのが、看板類。
二丁目橋交差点
大きな選挙の時は、竿燈大通り突き当りの旧・産業会館跡地に啓発看板が設置される。
※現在、産業会館跡地は竿燈の観覧席設置工事の作業用地として使用中。また、左隣りの看板は20日に行われる駅伝大会の交通規制告知。
こんな看板
右側の男女となまはげめいすいくんが劇画調にされたのがインパクトがある。(左側で正面を向いているのが本来のなまはげめいすいくん)
色使いも目立つ。
同じ内容(サイズは異なる)の看板などが、県
7月5日付の秋田経済新聞「秋田県選管、参院選は「燃えキャラ」で啓発(http://akita.keizai.biz/headline/1778/)」によれば、「選管が啓発事業としてコンペを開き、寄せられた7社の企画の中から、」「秋田市内の広告代理店のアイデアを選んだ。イラストは潟上市在住の女性イラストレーターが制作した。」とのこと。
さて、東北地方のブロック紙河北新報の15日付に「投票行きたくなる? 東北の選管ポスター 専門家が批評」というのが出ていた。
東北6県の各県選管が作った啓発ポスターが「選管の思惑通り、有権者を投票所に向かわせる図案に なっているのかどうか」「デザインが専門の東北芸術工科大の中山ダイスケ教授に評価してもらった。」そうだ。
※東北芸術工科大学は山形市にある私立大学。東北地方の四年制美術系大学はここと秋田美大の2つだけ。
中山ダイスケ氏は存じ上げなかったが、1968年生まれの現代美術家、デザイナー、舞台美術家、アートディレクター。本名は全部漢字。そしてなんと、女優の鶴田真由の夫!
おもしろそうな企画だと思って、中身(オンライン版)を見たが、その“批評”はひどいもの。これでは批判だ。
※紙面では詳細に評価されている可能性はあります。あくまでオンライン版を読んだ感想。
まず先に、素人である僕の感想では、秋田、山形、福島の各県は、おもしろいもの・目を引くものにしようと、それなりに努力していると思う。
宮城は子どものポスターコンクール作品を取り入れたものだそうで、まあそれなり。青森はありふれた感じでインパクトが薄いし、全体の色(コントラスト)も薄い。岩手は総務省のポスターをそのまま流用したそうで、やはりありふれた感。※岩手県は経費節減を狙って、オリジナルデザインにしなかったとも考えられ、それならばそれはそれでいいでしょう。
中山氏は、青森県のが「6県の中で一番良くできている。」とお気に入り。
青森県選挙管理委員会ホームページより(河北新報サイトのポスター画像とは配置が若干異なる)
まず「キャッチコピーがいい。」そうだが、「自分の一票を信じよう。」がそんなにいいコピーでしょうか?
「キャッチコピーからモデルの男性、投票箱へと視線がスムーズに流れる工夫も凝らされている。」そうだけど、僕の視線はそう流れない。投票箱(の絵)は背景がごちゃごちゃで目立たないし、そもそも屋外に投票箱があるのって不自然でしょ。
他の5県(独自性がない岩手は当然として)については、いずれも“酷評”と言えよう。
秋田については「劇画調で熱く激しく、選挙への関心の低い風潮と温度差があってしらける。」そうだ。
低い関心を高めようと熱いポスターにしたんだから、それでいいんじゃない! 屋外で絵の投票箱に、おかしな姿勢で一票を投じようとしている青森の登場人物だって、相当現実離れしていて、しらけそうですが…
総評は、「選挙ポスター、チラシの役目は有権者に投票日を知らせることで、選挙の意味や質感を語る必要はないと思う。今回はインターネット選挙が解禁された記念的な選挙であるにもかかわらず、広報はポスター中心の旧来型で時間が止まったままになっている。」とのこと。
前段の「投票日を知らせること」うんぬんはその通りだと思う。
でも、後段で「ポスター中心の旧来型(のまま)」と言っているのは矛盾するのでは? 投票日を知らせるだけなら、旧来型ポスターで充分なのでは? お気に入りの青森県のようなキャッチコピーなど不要なのでは?
そして、「投票日を知らせる」のが目的ならば、ポスターをぱっと見て「選挙(投票)」が「7月21日」に行われることが伝わらないといけないのではないだろうか。
6県のポスターで、それがよく伝わるのは福島と山形だ。(秋田は日付は分かりやすいが、「参議院議員通常選挙」の文字が詰めてごちゃっと書いているので分かりにくい)
中山氏お気に入りの青森なんか、(河北新報サイトのバージョンは特に)日付が小さくて目に付きにくいと思うのだけど…
専門家といえども人によって感覚はそれぞれで、こういう評価もあるのでしょう。新聞社側のまとめかたが下手なのかもしれないし。
河北新報さん。次は中山氏ご自身に「理想の啓発ポスター」を作成してもらったり、秋田美大の教員の評価と“対決”させてみたり、そんな企画はいかがでしょうか。