広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

続イチョウ・黄色い実

2014-11-25 23:28:16 | 動物・植物
1週間ほど前の秋田駅東口から見る、うっすらと雪化粧した太平山
最近はまあまあ良い天気が続いているが、あとは里にも雪が降れば冬に突入しそうな、秋田市内の木の話題2つ。


まずは、黄葉が遅くて太いイチョウのその後。
(再掲)手前の木
↑さすがに↓
ほぼ落葉し、わずかに残るだけ
通りの他の木(というか秋田市内のほとんどのイチョウ)は既に丸裸になっているので、やっぱりこの木がいちばん遅かった。



さて、秋田市内の住宅地にある街区公園に、1本だけこんな木があった。

ほぼ落葉して、黄色い果実が下がっている。

住宅の庭木などでも、たまに見かける木であるが、ぱっと見て種名としては2つに絞り込める。

「マルメロ」か「カリン」である。
どちらも、見た目が似ていて果実に芳香があり、果実は生食には向かないが「喉に良い」と言われて果実酒やジャムなどに加工して食べられるという共通点がある。
※マルメロ、カリンとも、石細胞(和梨のジャリジャリ成分)が多く、渋みや酸味が強いので、生食はしないとされているが、「マルメロは生食が可能」という情報も一部にはある。
植物分類学的にも近縁ではあるものの、バラ科マルメロ属とカリン属と、それぞれ別属に分類されている。

マルメロは、秋田県の北秋田市森吉町や青森県の平川市碇ヶ関(ソフトクリームがある)などが特産地。生の果実が、秋田市内の店でたまに売られている。
森吉の温泉「クウィンス森吉」はマルメロの英名だし、弘前市には「まるめろ緑地」があるように、親しまれている植物でもある。

両者の見分け方はそれなりにいろいろあり、秋田県果樹試験場のホームページ(http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1138260441721/)に詳しいが、素人や季節によっては難しそう。

果実の表面を見るのが簡単。
「表面に毛があるのがマルメロ、ツルツルなのがカリン」である。
陽射しを浴びて輝く
果樹試のホームページには、「カリンは果実が楕円(のものが多い)で、樹皮が滑らか」という趣旨の記述もあるから、そうした観点からしてもこの公園のはカリンで間違いないでしょう。

ただし、信州(特に諏訪近辺?)では、マルメロのことを「カリン」と呼ぶ。
1993年に放送された、NHK連続テレビ小説「かりん」(細川直美主演)でも、作中では実態に忠実にマルメロが登場していたそうだ。(という話を果樹園芸学の専門家から伺った)
また、勘違いや誤解でマルメロとカリンが混同されたり取り違えられたりすることも、多分にあるだろう。


さて、気になるのが、この公園のカリンの実の行方。
取ってそのまま食べられないから誰も手を付けないこともあるだろうけど、公共の場所に実った食べ物を気安く食べるのも気が引ける。一方で、少々もったいない気もして、こんな罪作り(?)な木を公園に植えなくてもいいのに…とも思えてしまう。
この公園は20年ほど前にできた公園らしいが、その前からここにあった木なんだろうか。

秋田市では、柿の木がある公園もあるが、あれは元は別の施設だったので、その頃からあったのかもしれない。渋柿だから、これもそのままは食べられないけど。
コメント (2)
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