コメント欄で情報をいただいていた(ありがとうございます)ように、このほど、中央交通の路線バスに新車が3台導入された。
路線用の新車としては、昨年末に3台導入されて以来。過去は何年間も新車を入れないことがあったので、思っていたより早いペース。
運良く目撃できた。
「か10-87」臨海営業所配置
あとの2台は10-85と10-86で秋田営業所配置とのこと。
昨年の新車と同じく、秋田2台、臨海1台の振り分けになった。
臨海営業所路線に多く乗る者としては、乗車チャンスが少ないことになる。(昨年の10-29はまだ1度しか乗っていない)※ただし、2011年以前導入の新車3台は、すべて臨海。
新車は、ノンステップタイプの中型車なのは珍しくないが、メーカーが日野自動車なのは少々意外だった。
なぜなら、中央交通では、ここ10年ほどは日野からは高速・貸切用だけを購入しており、路線用はいすゞばかりだったから。(いすゞからは貸切タイプも購入)
一方で、日野とも取り引きがある中央交通において、日野製路線車が入ることは、なくはないだろうと予想もしていたので、ついに来たかとも思った。
なぜなら、現在では、実質的にいすゞと日野のバスは同じだから。
事情を解説。(バスに詳しい方はご存知でしょうが)
かつては、当然、いすゞと日野はそれぞれで開発・製造・販売していた。
2002年に、両者のバス製造部門を統合し、両者が半分ずつ出資した「ジェイ・バス株式会社」が発足。両者でバスの車種を統合し、ジェイ・バスが製造した同じ車をそれぞれに供給して販売することになった。
ジェイ・バスの工場は、旧いすゞ系が宇都宮、旧日野系が石川県小松にあり、統合後もそのまま。路線系車種は宇都宮、貸切系車種は小松で製造することになり、見かけ上は「いすゞの路線車が日野で販売され、日野の貸切車がいすゞで販売される」ことになった(一部例外あり)。
統合車種では、両メーカーでほぼ同じ車になり、装飾や車種名が違う程度の差。
だから、いすゞのヘビーユーザーである中央交通が、それと同一の統合車種を日野から購入したとしても、運転や整備上は同一に扱うことが可能であり、技術的な面で導入をためらう点はないはず。
中央交通がいすゞにこだわる理由としては、秋田いすゞとの付き合いではないのかと邪推していた。先代商工会議所会頭の会社が、先々代商工会議所会頭(かつ秋田経済界の重鎮)の会社から購入するということだし、秋田の日野ディーラーである西東北日野自動車は山形の会社だから…
昔(1980~1990年代頃)の中央交通では、いすゞと日野だけからほぼ半々ずつ購入していた。秋田市営バスの移管が始まった時に、なぜか取り引きメーカーも“移管”されて、三菱と日産ディーゼルも導入開始。(三菱は1970年代までは取り引きがあって、中断していたそうだ)
ところが、いつの間にか、いすゞとの取り引きが圧倒的に多くなって、今に至っている。(日産ディーゼルのバス販売撤退という事情はあるけれど)
先代の日野レインボー。2003年頃の車のようで、この型としては末期(2004年で製造終了)
ちなみに、両者と取り引きがある弘南バスでは、逆に路線用はすべて日野から購入しており、統合車種になってからはいすゞの路線車は1台も入れていないはず。
弘南バスでは、昔からいすゞの路線車は多くなかったが、弘南バスには弘南バスなりの理由やこだわりがあるんだろうか。
ということで、新しい車は、実質的には「いすゞエルガミオ」と同じ。
車種は「日野レインボー2」。※正しくはローマ数字の「Ⅱ」。機器によっては文字化けするようなので、ここでは「2」とします。
「日野レインボー」は昭和から続く伝統の車種ではあるが、いすゞ側からの供給車種を意味する「2」が付くレインボー2では、受け継ぐのは名前だけ。
(再掲)昨年導入のいすゞエルガミオ
(冒頭の再掲)今回入ったレインボー2
エルガミオとレインボー2の大きな違いといえば、おそらく1点だけ。(エンブレムやロゴは別として)
ヘッドライトである。
いすゞではロービームとハイビームが上下に並んだ、4灯式。
日野では、左右1つずつにまとまった、2灯式。
昔の初代レインボーも同じ配置(ライトは丸型)だった。
(再掲・2001年撮影)市営バスの初代レインボー
日野自動車のホームページでは、「シャープなイメージで個性を強調。角形2灯式ヘッドランプ」「ヘッドランプは、すっきりしたデザインの角形2灯式を採用。日野レインボーⅡの個性を一段と引き立てます。」とある。
だけど、「レインボー2の個性を一段と引き立てます」じゃなく、「レインボー2のたった1つの個性です」のような…
レインボー2は、秋田県内では羽後交通が既に導入していて、2009年のバスまつりで展示された。
おそらく、今回はそれに続く2社目の導入だと思われる。
なお、2007年までは、ヘッドライトもいすゞと同じものだったので、メーカーロゴ以外では区別ができない。弘南バスなどに在籍。
(再掲)4灯だけど日野レインボー2
また、ごくまれに、いすゞブランドなのに日野タイプのヘッドライトの車が存在するそうで、小田急バスにいるらしい。あと何年かすれば、中央交通に譲渡されるかも…
今回中央交通に入った車は、正面右のライトの上に「HINO」のロゴが小さく入るほか、中央に「H」のエンブレム。(上の写真参照)
さらに、
前ドアと前輪の間、「一般乗合」表記の下にも「HINO」
以前なら、リアウインドウ右下にあった「HINO」表示はない。※後部の「HINO」は1992年度に秋田市交通局が導入したワンロマ車(秋田八丈塗装)で初めて見た。統合車種になった直後の車でも、色や大きさは違うもののあったはず。
後姿ではエルガミオと区別できない
後ろにこそ「HINO」が必要では?【末尾の12月12日付追記参照】
初代は筆記体、後に角張ったブロック体で誇らしげに表示されていた「Rainbow」の車種名はどこにもない。
従来、中央交通のノンステップバスでは、新車・小田急中古車、いすゞ・三菱とも、「ノンステップバス」の表示は、青い角ゴシック体だった。(上の昨年の新車の写真は、表示取り付け前)
(再掲)小田急中古車側面 ※窓配置や表示の位置が今回の新車とは異なります
それが、今回の車は、わずかに小さい丸ゴシック体に変わった。正面は青色、側面は蛍光緑色みたいな文字。
車内の座席の配置などはどうなっているだろうか。
昨年のエルガミオでは、前輪の上に座席がなかったり、中ドア戸袋付近のロングシートが一般的な部分が、布地の柄が違う前向きの席になっていたり、なんとなくイレギュラー。「国土交通省標準仕様ノンステップバス」のシールが貼っていないのは、そのせいのような気がしなくもない。
【12月1日追記】11月29日には、割山線で運用されていた。新国道方面等の限定運用ではなく、臨海営業所担当の全路線に入るようだ。車外から見た限りでは、中ドア戸袋付近は昨年のエルガミオと同じく前向きの座席。
【12月28日追記】後に、「国土交通省標準仕様ノンステップバス」のシールが、車外中ドア左側(車椅子マークの隣)に貼られた。
【11月28日追記】トヨタの新車販売台数が3年連続世界一になったことが、夏に報道された。この販売台数には、商用車を含み、さらにトヨタグループであるダイハツと日野の分も含まれる。
今回の3台も、次回分にカウントされることだろう。
【12月8日追記】コメントで教えていただいたように、同時期に小田急中古と思われるエルガミオ「10-79」が臨海営業所に導入された。(【12月28日追記】ネット上の情報では、狛江営業所に所属していたの2001年式「01-D319」だったとのこと)
レインボー2も含めてまとめると、中央交通ではノンステップバスは32台(EVバスは除く)、うち23台が小田急中古で、大型車は6台・いすゞエルガは5台となるはず。
【12月12日追記】「10-86」が手形方面の秋田営業所担当路線を走っていたのを目撃。
リアウインドウの従来と同じ位置に「HINO」ロゴがあった。10-87には付けていないのか、それとも遅れて貼付されたのか…
ドア側の前輪の上には、座席がないようだ。(運転席側は不明)
【2015年2月6日追記】「10-87」にも、リアウインドウ右下に「HINO」ロゴ、さらにその上に標準仕様ノンステップバスのステッカーが貼られていた(秋田営業所と位置が違う?)。こういうものは、運行開始後に遅れて貼付されるものなのか…【2月8日追記】秋田・臨海両営業所とも、側面中ドア左とリアウインドウ右下ロゴ上の2か所に貼っているようだ。
【2015年3月22日追記】2015年3月12日に確認した、前年導入のいすゞエルガミオ「10-29」では、中ドアの右のガラスと正面向かって右のボディ(ヘッドライトの上)にシールが貼ってあった。後部はリアウインドウ右下、車種名表記の上(レインボー2と同じ位置)。
※以降の新車導入状況はこちら。
路線用の新車としては、昨年末に3台導入されて以来。過去は何年間も新車を入れないことがあったので、思っていたより早いペース。
運良く目撃できた。
「か10-87」臨海営業所配置
あとの2台は10-85と10-86で秋田営業所配置とのこと。
昨年の新車と同じく、秋田2台、臨海1台の振り分けになった。
臨海営業所路線に多く乗る者としては、乗車チャンスが少ないことになる。(昨年の10-29はまだ1度しか乗っていない)※ただし、2011年以前導入の新車3台は、すべて臨海。
新車は、ノンステップタイプの中型車なのは珍しくないが、メーカーが日野自動車なのは少々意外だった。
なぜなら、中央交通では、ここ10年ほどは日野からは高速・貸切用だけを購入しており、路線用はいすゞばかりだったから。(いすゞからは貸切タイプも購入)
一方で、日野とも取り引きがある中央交通において、日野製路線車が入ることは、なくはないだろうと予想もしていたので、ついに来たかとも思った。
なぜなら、現在では、実質的にいすゞと日野のバスは同じだから。
事情を解説。(バスに詳しい方はご存知でしょうが)
かつては、当然、いすゞと日野はそれぞれで開発・製造・販売していた。
2002年に、両者のバス製造部門を統合し、両者が半分ずつ出資した「ジェイ・バス株式会社」が発足。両者でバスの車種を統合し、ジェイ・バスが製造した同じ車をそれぞれに供給して販売することになった。
ジェイ・バスの工場は、旧いすゞ系が宇都宮、旧日野系が石川県小松にあり、統合後もそのまま。路線系車種は宇都宮、貸切系車種は小松で製造することになり、見かけ上は「いすゞの路線車が日野で販売され、日野の貸切車がいすゞで販売される」ことになった(一部例外あり)。
統合車種では、両メーカーでほぼ同じ車になり、装飾や車種名が違う程度の差。
だから、いすゞのヘビーユーザーである中央交通が、それと同一の統合車種を日野から購入したとしても、運転や整備上は同一に扱うことが可能であり、技術的な面で導入をためらう点はないはず。
中央交通がいすゞにこだわる理由としては、秋田いすゞとの付き合いではないのかと邪推していた。先代商工会議所会頭の会社が、先々代商工会議所会頭(かつ秋田経済界の重鎮)の会社から購入するということだし、秋田の日野ディーラーである西東北日野自動車は山形の会社だから…
昔(1980~1990年代頃)の中央交通では、いすゞと日野だけからほぼ半々ずつ購入していた。秋田市営バスの移管が始まった時に、なぜか取り引きメーカーも“移管”されて、三菱と日産ディーゼルも導入開始。(三菱は1970年代までは取り引きがあって、中断していたそうだ)
ところが、いつの間にか、いすゞとの取り引きが圧倒的に多くなって、今に至っている。(日産ディーゼルのバス販売撤退という事情はあるけれど)
先代の日野レインボー。2003年頃の車のようで、この型としては末期(2004年で製造終了)
ちなみに、両者と取り引きがある弘南バスでは、逆に路線用はすべて日野から購入しており、統合車種になってからはいすゞの路線車は1台も入れていないはず。
弘南バスでは、昔からいすゞの路線車は多くなかったが、弘南バスには弘南バスなりの理由やこだわりがあるんだろうか。
ということで、新しい車は、実質的には「いすゞエルガミオ」と同じ。
車種は「日野レインボー2」。※正しくはローマ数字の「Ⅱ」。機器によっては文字化けするようなので、ここでは「2」とします。
「日野レインボー」は昭和から続く伝統の車種ではあるが、いすゞ側からの供給車種を意味する「2」が付くレインボー2では、受け継ぐのは名前だけ。
(再掲)昨年導入のいすゞエルガミオ
(冒頭の再掲)今回入ったレインボー2
エルガミオとレインボー2の大きな違いといえば、おそらく1点だけ。(エンブレムやロゴは別として)
ヘッドライトである。
いすゞではロービームとハイビームが上下に並んだ、4灯式。
日野では、左右1つずつにまとまった、2灯式。
昔の初代レインボーも同じ配置(ライトは丸型)だった。
(再掲・2001年撮影)市営バスの初代レインボー
日野自動車のホームページでは、「シャープなイメージで個性を強調。角形2灯式ヘッドランプ」「ヘッドランプは、すっきりしたデザインの角形2灯式を採用。日野レインボーⅡの個性を一段と引き立てます。」とある。
だけど、「レインボー2の個性を一段と引き立てます」じゃなく、「レインボー2のたった1つの個性です」のような…
レインボー2は、秋田県内では羽後交通が既に導入していて、2009年のバスまつりで展示された。
おそらく、今回はそれに続く2社目の導入だと思われる。
なお、2007年までは、ヘッドライトもいすゞと同じものだったので、メーカーロゴ以外では区別ができない。弘南バスなどに在籍。
(再掲)4灯だけど日野レインボー2
また、ごくまれに、いすゞブランドなのに日野タイプのヘッドライトの車が存在するそうで、小田急バスにいるらしい。あと何年かすれば、中央交通に譲渡されるかも…
今回中央交通に入った車は、正面右のライトの上に「HINO」のロゴが小さく入るほか、中央に「H」のエンブレム。(上の写真参照)
さらに、
前ドアと前輪の間、「一般乗合」表記の下にも「HINO」
以前なら、リアウインドウ右下にあった「HINO」表示はない。※後部の「HINO」は1992年度に秋田市交通局が導入したワンロマ車(秋田八丈塗装)で初めて見た。統合車種になった直後の車でも、色や大きさは違うもののあったはず。
後姿ではエルガミオと区別できない
後ろにこそ「HINO」が必要では?【末尾の12月12日付追記参照】
初代は筆記体、後に角張ったブロック体で誇らしげに表示されていた「Rainbow」の車種名はどこにもない。
従来、中央交通のノンステップバスでは、新車・小田急中古車、いすゞ・三菱とも、「ノンステップバス」の表示は、青い角ゴシック体だった。(上の昨年の新車の写真は、表示取り付け前)
(再掲)小田急中古車側面 ※窓配置や表示の位置が今回の新車とは異なります
それが、今回の車は、わずかに小さい丸ゴシック体に変わった。正面は青色、側面は蛍光緑色みたいな文字。
車内の座席の配置などはどうなっているだろうか。
昨年のエルガミオでは、前輪の上に座席がなかったり、中ドア戸袋付近のロングシートが一般的な部分が、布地の柄が違う前向きの席になっていたり、なんとなくイレギュラー。
【12月1日追記】11月29日には、割山線で運用されていた。新国道方面等の限定運用ではなく、臨海営業所担当の全路線に入るようだ。車外から見た限りでは、中ドア戸袋付近は昨年のエルガミオと同じく前向きの座席。
【12月28日追記】後に、「国土交通省標準仕様ノンステップバス」のシールが、車外中ドア左側(車椅子マークの隣)に貼られた。
【11月28日追記】トヨタの新車販売台数が3年連続世界一になったことが、夏に報道された。この販売台数には、商用車を含み、さらにトヨタグループであるダイハツと日野の分も含まれる。
今回の3台も、次回分にカウントされることだろう。
【12月8日追記】コメントで教えていただいたように、同時期に小田急中古と思われるエルガミオ「10-79」が臨海営業所に導入された。(【12月28日追記】ネット上の情報では、狛江営業所に所属していたの2001年式「01-D319」だったとのこと)
レインボー2も含めてまとめると、中央交通ではノンステップバスは32台(EVバスは除く)、うち23台が小田急中古で、大型車は6台・いすゞエルガは5台となるはず。
【12月12日追記】「10-86」が手形方面の秋田営業所担当路線を走っていたのを目撃。
リアウインドウの従来と同じ位置に「HINO」ロゴがあった。
ドア側の前輪の上には、座席がないようだ。(運転席側は不明)
【2015年2月6日追記】「10-87」にも、リアウインドウ右下に「HINO」ロゴ、さらにその上に標準仕様ノンステップバスのステッカーが貼られていた
【2015年3月22日追記】2015年3月12日に確認した、前年導入のいすゞエルガミオ「10-29」では、中ドアの右のガラスと正面向かって右のボディ(ヘッドライトの上)にシールが貼ってあった。後部はリアウインドウ右下、車種名表記の上(レインボー2と同じ位置)。
※以降の新車導入状況はこちら。