広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

子会社の社章

2015-04-20 23:13:49 | 秋田のいろいろ
先日の記事最後で取り上げたように、青森の弘南鉄道(※弘南バスとは別会社)の「社章」のデザインには意味あり、ホームページで説明されていた。

では、この社章(というのかは分かりませんが、ここではそう呼びます)は?

秋田の中央交通のものである。
車輪のように見えるが、こういう円形の社章は各地の鉄道会社もしくは鉄道会社起源のバス会社にたまに見られる。中央交通(の前身)も、今の八郎潟-五城目を結ぶ私鉄として設立されている。
文字が隠されたりはしていないようで、ひねりのない社章と言えなくもない。
【21日追記】コメント欄の情報では、ハンドルがモチーフだとか、「交」をデザインしたとかの説もあるらしい。

この中央交通の社章は、2012年の創立90周年記念祝賀会の看板に表示されていた。
今も公式ホームページにも出ているし、回数券の地紋にも使われている。

バス停にも、基本的には表示されている。(上の画像の社章もバス停のもの)
(再掲)「バスで行こう」これが元々の中央交通のバス停

(再掲)市営バスから移管されたバス停。最近は新設・更新されるのもこのタイプ
しかし、最近更新された表示板には社章がない。単なる気まぐれかと思うけど。


それに、上記リンク先の2012年の記事でも触れた通り、現行のバスの車体に社章はない。※ここでは一般路線バスの塗装に限定します。
以前の塗装では、車体側面の中央付近に銀色の金属製(?)の社章があった。1993年頃に現行の塗装に変更され、その時から車体の社章がなくなった。
社章付きの五城目営業所「298」※五城目にはもう1台「298(新塗装のエルガミオ)」がいるのでややこしい
当初は社章付きの旧塗装だった車両でも、後に新塗装に塗り替えられたものがある一方、ごくわずかに、旧塗装のまま使い続けられる車両があった。
2012年の記事で掲載した、臨海営業所のいすゞ中型「秋田22い912」は廃車になったようで、2013年7月を最後に見かけない。
臨海には、日野中型「391」もあったが見なくなり、臨海営業所から社章付き車両は消滅。
2013年春。秋田駅前に珍しく2台の旧塗装が揃った
現在、秋田市内で見られる社章付き旧塗装の車両は、いずれも日野製中型で、秋田営業所の「秋田22い300」と五城目営業所の同「298」の2台だけではないだろうか。
2台の中間の「299」も男鹿営業所で現役のようだが、秋田市内には来ない。
2011年1月撮影。ナンバー不明
社章の位置は、ドア側は中ドアより少し前の戸袋の所。運転席側は日野といすゞで異なるようで、日野製はほぼ中央、いすゞ製はドア側と同じやや前寄りだったようだ。


そんなわけで、バスの車体で社章を見ることは、この先なくなると考えられる。
【2016年6月27日追記】上記、298と300は2016年春までは旧塗装のまま運行を続け、2016年6月頃までに廃車になったとのこと。これにより秋田市内を旧塗装のバスが走ることはなくなった。
ところが、別の車体では、社章を見る機会が増えることになりそうだ。
それは、タクシー。


中央交通の子会社「秋田中央トランスポート」では、小規模団体を中心とした貸切バスやコミュニティバスの受託運行のほか、秋田市内でタクシー事業も行っている。※社員の名札などでは「秋田中央TP」と略記されていることがあるので、以下、同社を「TP」と表記します。
なお、TPは親会社の社長であるワタナベヤスヒコさんが会長を務めており、社長は別のワタナベさん(ご子息?)。
同社のタクシーは「中央タクシー」として主に旭北から茨島近辺を中心によく見かけ、秋田市内ではあさひタクシーやキングタクシーには及ばないものの、準大手に位置づけられるであろうタクシー会社である。

TPは2004年に設立された新しい企業だが、秋田市の中央交通系列のタクシー事業としてはそれより長い歴史がある。(男鹿の「船川タクシー」も同社系列のようだが、ここでは置いておきます)
Wikipediaによれば、「秋田フタバ観光」というタクシー会社が1981年に中央交通系列となって「秋田中央タクシー株式会社」になったのが最初。
2001年に中央交通本体に吸収され、2004年にコミュニティバス事業などを分社化してTPが発足した際に、タクシー事業もいっしょに移されて現在の形になったようだ。

フタバ観光(記憶にあるようなないような…)が1981年に中央交通傘下に入って以来、企業としては変遷を遂げてきたものの、ブランドとしては「(秋田)中央タクシー」で通していて、多くの秋田市民は企業の変遷は知らないのではないだろうか。「中央タクシー」は知っていても、TPという会社は知らない人も多いだろう。
僕も、中央タクシー社→TPという単純な再編・改称だと思っていた。

中央タクシーの車両も、僕が記憶している限りでは、ずっと同じ塗装だった。

あんどんが「中央」で、白地にオレンジとエメラルドグリーンのラインが入るもの。
親会社のバスとも、TPの観光バス(旧・秋田中央観光)とも共通性がないのは、この会社のこだわりのない“社風”なのか、かつては無関係の別会社だった名残なのか。


ところが、昨2014年夏に、新たな塗装の車を見かけた。(7月30日に発見)
「中央」の行灯
車種は既存車両と同型、秋田では一般的な小型タクシーサイズのトヨタコンフォートである。(クラウンより小さく、エンブレムが違う)

最近は、あさひタクシー、合同タクシーなどで、車体が黒一色のコンフォートを導入している。
一見すると、ハイヤーもしくはクラウンの中型タクシーかと見間違えてしまうが、あくまで普通の小型タクシー扱いらしい。高級感を出そうとしているのか、デザイン・塗装費用の節約なのか。
これは黒じゃない
中央タクシーの新塗装は単色ではあるが黒ではなく、青みがかっている。
紺色ではなく「青灰色」だろうか。独特で悪くない色だと思う。

助手席側だけ後部座席ドアの後方(Cピラー)には、ナンバープレートとは別の3桁の数字が表記されている。親会社のバスでは実施していない「社番」だろう。その書体が金色の「POP体」なのが、なんとも…
この塗装は、ナンバープレートが「18-99」と「19-00」の連番で2台を確認。なぜか社番は連番ではなく・逆転しているようで、たしか「140」と「136」。

その運転席と助手席のドアに、
「秋田中央」の金文字と金色の社章
どうやら子会社TPの社章も親会社と同じだったようだ。

その後、青灰色のコンフォートは増備されていない【その後2015年頃には徐々に増備】が、2014年10月以降、また違った新しい車を見るようになった。(写真はありません)
トヨタプリウスαで、塗装は(ほんとうの)黒。ナンバープレート(社番)の順に「215(145)」と「216(162)」の2台を確認。
それにも同じ金色の社章がある。コンフォートでは車体に直接塗装されているが、プリウスαではシールを貼っているようだ。【5月16日訂正】社章はペイントで、「秋田中央」はシール貼り。【12月30日追記】「215(145)」の少なくとも助手席側では、「秋田中央」もシールではなくペイントされていた。新たに書いたのだろうか?

中央タクシーのうち4台には、社章が付いていることになる。
求人情報紙に掲載されたTPの広告にも、同じ社章が出ていた。

ただし、現時点では、TPのホームページには社章が見当たらないし、タクシー車両の写真も従来の塗装。
【2016年9月6日追記】その後、2016年9月時点では、ホームページの写真は変わらず。実際には、紺塗装のコンフォートがじわじわと増えているようだ。


TPの社章は、親会社のものとまったく同一ではない。
全体的に線が太い印象だし、二重の円の外側に文字が抜いてある。
上半分に「AKITA CHUO TRANSPORT」、下半分に「AKITA CHUO KOTSU GROUP」とある。

また、中心部の車輪の軸のところに、アルファベット3文字らしきものがデザインされている。(弘南鉄道社章の「弘南」みたいな雰囲気)
それが「ACD」?
「AKITA CHUO」までは分かるが、「D」って何?
かなりバランスが崩れた「T」だろうか?

【21日追記】既存の「社章」の中に、文字しかも英字を組み込んで子会社の社章(ロゴマーク?)にしてしまうとは、ある意味斬新。見た目はかっこいいようなうるさいような…
コメント (16)
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