秋田市山王七丁目1番地は、国の出先機関が集まる一角。
そのうち北側の山王大通りに面した、すなわち秋田県庁正庁【2021年4月11日訂正】本庁舎と秋田市文化会館の間にあるのが、裁判所。それが建て替えられる話。
前から言っているけれど、ここは1つの建物に仙台高等裁判所秋田支部、秋田地方裁判所、秋田家庭裁判所、秋田簡易裁判所、秋田検察審査会という異なる組織が同居している。
こういう場合、他の機関なら「○○合同庁舎」みたいな建物の名前が付けられるものだけど、裁判所の場合はそうはならないらしい。なんて呼べばいいのか知らないけれど、とりあえず「裁判所」と表記します【庁舎名は末尾にリンクがある、2020年8月の記事参照】。
当ブログでこれまでに、
・「身近で利用しやすい裁判所」になるためという、ある意味、裁判所のワガママでバス停名が「八橋市民広場・裁判所前」になったこと。
・斜め後ろにある国の秋田第二合同庁舎に入る、秋田地方気象台のレーダードームが、裁判所の壁に怪しい形を投影すること。
・2015年の東北六魂祭では、裁判所の駐車場がねぶた小屋やわらじ祭りの展示場になったこと。
などを紹介してきた。
そんな裁判所の建物は、1968(昭和43)年4月から使われていた地上5階・地下1階、延べ床面積7421平方メートルのビル。
ちなみにそれ以前は、中通の今の秋田キャッスルホテルの場所に、レンガ造りの建物があったそうだ。
北東・県庁西交差点角から。テレビの報道では、このアングルがよく使われる
2009年に裁判所前の植えこみのツツジを紹介したが、その時と違っている。
(再掲)2009年
建物の色合いなど雰囲気は変わらないが、耐震補強がされている。耐震補強しても老朽化には勝てず建て替えになったようだ。
大通り向かいから
その植えこみも正面側がなくなって舗装され、「裁判所」と記した石もなくなった。今はその部分で、工事の準備らしきことをやっている。
少し離れて東側・市役所駐車場前から
裁判所の敷地のうち、写真奥の西・文化会館寄りが大きな駐車場で、六魂祭ではねぶた小屋が作られた。今はそこに平べったい建物が建った。これが裁判所の仮庁舎。
プレハブ2階建て

裁判所は現在地で建て替えられることになり、解体→建設の間は、駐車場に約6億円で建てた仮庁舎を使う。
あんな広い駐車場があるのだから、仮庁舎でなく、そこに新庁舎を建てればよさそうなものだけど、何か事情があるのだろう。全国各地の裁判所でも、仮庁舎を経て建て替える事例は多いようだ。
旧庁舎と仮庁舎の位置関係
この3連休で移転作業を行い、明けた11月5日から仮庁舎での業務開始。旧庁舎でも残務があり、完全に移転するのは11月いっぱいかかる。
旧庁舎を取り壊した後にいずれできる新しい庁舎は、地上6階・地下1階、延べ床面積10112平方メートル。約60億円【6日補足・仮庁舎6億も含めて60億らしい】で、2023年度完成予定。※ABSの報道では仮庁舎を「2025年まで」使うとしているが??【6日追記・他の報道も含めて、いつまで仮庁舎なのかはどこかあいまい。まだ不確定なのかもしれない。新庁舎は2023年度にできて、移転・新庁舎稼働はそれより後という感じか。】【6日さらに補足・と思ったら、6日になってABSが「2025年は誤り、2023年でした」との訂正を出した。】
旧裁判所でも充分大きいと思うけれど、新しい裁判所はもっと大きくなるようだ。地方裁判所の庁舎は最高でも4階建てが原則【2023年3月12日コメントいただき訂正・4階建て以上のものもあるとのこと。】だが、秋田は高裁支部が入るため、それより規模が大きいということらしい。
さて、仮庁舎。上の向かい側から撮影した写真を見ると、プレハブにしては大きいようにも感じる。
しかし、現地で近くから見たら、小さく、きゅうくつで、威厳がないように感じてしまった。
八橋市民広場・裁判所前下りバス停(トラックは什器などの搬入中)
駅からのバス停の真ん前が、すぐに仮庁舎。
文化会館側から。奥のトラックがある所がバス停
上の写真手前が自転車置き場で、妙に立派。
玄関はバス停からちょっと離れたところ。
左右から階段やスロープで上がり、自動ドアを2回通って入る形
移転前なのに、表示板がもう出ていた
南西側から仮庁舎の側面と裏面
エアコン室外機が大量に並ぶ。
裏面。奥が旧庁舎=例の気象台のレーダードームの丸い影が
上の写真の赤白の柵よりこちら側、舗装されている部分は裁判所でなく、農林水産省東北農政局秋田県拠点の敷地。ギリギリまで仮庁舎が建っている。
仮庁舎は延べ床面積4400平方メートル。
法廷は1つ減って9つに。いちばん広いのは「101号法廷」で傍聴席36。旧庁舎では1号法廷で48だった。
プレハブでも内部はしっかりした造りなのかもしれないけれど、プレハブ法廷で判決を言い渡されたり、調停を受けたりするのって、気分的にはどうなんだろう。
あと、2階建てで、道路や隣接地ギリギリの仮庁舎では、被告人が逃亡しやすかったり、判決直後に法廷から飛び出してきた記者が勢い余って山王大通りに飛び出したりしてしまわないか。
けやき通りから、旧庁舎南東角。3階が出っ張っている
旧庁舎の裏にも駐車場があったが、ここは工事スペースになりそう。
Googleマップ航空写真に加筆。上が山王大通り
上の航空写真の赤い枠が裁判所の敷地。仮庁舎は左側の農政局の上部分いっぱいに建つ。
【6日追記】Googleマップでは、複数施設が入る建物なのに、そのうち1つの代表とは必ずしも言えない施設名だけが表記されることがままある(ただし、表記されない施設名で検索すると、正しく表示はされる)。裁判所も高裁支部、地裁、家裁を差し置いて「秋田簡易裁判所」だけの表示(下の国の合同庁舎2棟では、庁舎名が表示されていて、気象台などはなし)。むしろこういう点をなんとかすることが「身近で利用しやすい裁判所」になるのでは?
隣の秋田市文化会館も、県民会館跡の新施設ができれば、廃止となる。さらに西の秋田放送も駅前に移転してなくなる。この一帯は、あと数年で風景が変わることになる。
【6日追記】数年後、東北六魂祭の後継「東北絆まつり」が秋田市で開催されると考えられるが、少なくともねぶた小屋やわらじ展示は、変更を余儀なくされる。
【6日さらに追記】裁判所仮庁舎が何かに似ていると思ったら、産業会館跡地の工事事務所だ。工事事務所も大きめだけど、裁判所はもっと大きい。
【19日追記】裁判のニュースで法廷内が映った。どの法廷かは不明。若干天井が低い気がしなくもない(高い裁判長席は照明に近く、しかも頭髪が少ない裁判長だったので、ハレーション気味)が、いたって普通の新しめの法廷内の雰囲気。それぞれの席にセットされた液晶ディスプレイがフィリップス製だったのが珍しい。
【12月20日追記】12月20日の昼、山王大通り・臨海方向から来た車が、県庁前交差点で信号待ちしていた車の列に追突。5台がからむ事故となった。大ケガの人はなかったが、通行止めが長くなった。秋田放送屋上のカメラが、発生時の映像をとらえており、ほとんど減速せずにぶつかり、最初にぶつかられた車は180度向きが変わって(ひっくり返ったのじゃなく前後の向きが)しまった。
運転していた70歳代の男性は「建替え中の裁判所を見ていた」とのこと【21日補足・ABSとNHK秋田のテレビニュースで言及。22日付魁では報道されたが裁判所には触れず】。裁判所が原因で発生した交通事故である。
※続き・2020年2月の状況。
※さらにその後、庁舎名についても、2020年8月の記事。そして新庁舎完成後。
そのうち北側の山王大通りに面した、すなわち秋田県庁
前から言っているけれど、ここは1つの建物に仙台高等裁判所秋田支部、秋田地方裁判所、秋田家庭裁判所、秋田簡易裁判所、秋田検察審査会という異なる組織が同居している。
こういう場合、他の機関なら「○○合同庁舎」みたいな建物の名前が付けられるものだけど、裁判所の場合はそうはならないらしい。なんて呼べばいいのか知らないけれど、とりあえず「裁判所」と表記します【庁舎名は末尾にリンクがある、2020年8月の記事参照】。
当ブログでこれまでに、
・「身近で利用しやすい裁判所」になるためという、ある意味、裁判所のワガママでバス停名が「八橋市民広場・裁判所前」になったこと。
・斜め後ろにある国の秋田第二合同庁舎に入る、秋田地方気象台のレーダードームが、裁判所の壁に怪しい形を投影すること。
・2015年の東北六魂祭では、裁判所の駐車場がねぶた小屋やわらじ祭りの展示場になったこと。
などを紹介してきた。
そんな裁判所の建物は、1968(昭和43)年4月から使われていた地上5階・地下1階、延べ床面積7421平方メートルのビル。
ちなみにそれ以前は、中通の今の秋田キャッスルホテルの場所に、レンガ造りの建物があったそうだ。

2009年に裁判所前の植えこみのツツジを紹介したが、その時と違っている。

建物の色合いなど雰囲気は変わらないが、耐震補強がされている。耐震補強しても老朽化には勝てず建て替えになったようだ。

その植えこみも正面側がなくなって舗装され、「裁判所」と記した石もなくなった。今はその部分で、工事の準備らしきことをやっている。

裁判所の敷地のうち、写真奥の西・文化会館寄りが大きな駐車場で、六魂祭ではねぶた小屋が作られた。今はそこに平べったい建物が建った。これが裁判所の仮庁舎。


裁判所は現在地で建て替えられることになり、解体→建設の間は、駐車場に約6億円で建てた仮庁舎を使う。
あんな広い駐車場があるのだから、仮庁舎でなく、そこに新庁舎を建てればよさそうなものだけど、何か事情があるのだろう。全国各地の裁判所でも、仮庁舎を経て建て替える事例は多いようだ。

この3連休で移転作業を行い、明けた11月5日から仮庁舎での業務開始。旧庁舎でも残務があり、完全に移転するのは11月いっぱいかかる。
旧庁舎を取り壊した後にいずれできる新しい庁舎は、地上6階・地下1階、延べ床面積10112平方メートル。約60億円【6日補足・仮庁舎6億も含めて60億らしい】で、2023年度完成予定。※
旧裁判所でも充分大きいと思うけれど、新しい裁判所はもっと大きくなるようだ。地方裁判所の庁舎は
さて、仮庁舎。上の向かい側から撮影した写真を見ると、プレハブにしては大きいようにも感じる。
しかし、現地で近くから見たら、小さく、きゅうくつで、威厳がないように感じてしまった。

駅からのバス停の真ん前が、すぐに仮庁舎。

上の写真手前が自転車置き場で、妙に立派。
玄関はバス停からちょっと離れたところ。



エアコン室外機が大量に並ぶ。

上の写真の赤白の柵よりこちら側、舗装されている部分は裁判所でなく、農林水産省東北農政局秋田県拠点の敷地。ギリギリまで仮庁舎が建っている。
仮庁舎は延べ床面積4400平方メートル。
法廷は1つ減って9つに。いちばん広いのは「101号法廷」で傍聴席36。旧庁舎では1号法廷で48だった。
プレハブでも内部はしっかりした造りなのかもしれないけれど、プレハブ法廷で判決を言い渡されたり、調停を受けたりするのって、気分的にはどうなんだろう。
あと、2階建てで、道路や隣接地ギリギリの仮庁舎では、被告人が逃亡しやすかったり、判決直後に法廷から飛び出してきた記者が勢い余って山王大通りに飛び出したりしてしまわないか。

旧庁舎の裏にも駐車場があったが、ここは工事スペースになりそう。

上の航空写真の赤い枠が裁判所の敷地。仮庁舎は左側の農政局の上部分いっぱいに建つ。
【6日追記】Googleマップでは、複数施設が入る建物なのに、そのうち1つの代表とは必ずしも言えない施設名だけが表記されることがままある(ただし、表記されない施設名で検索すると、正しく表示はされる)。裁判所も高裁支部、地裁、家裁を差し置いて「秋田簡易裁判所」だけの表示(下の国の合同庁舎2棟では、庁舎名が表示されていて、気象台などはなし)。むしろこういう点をなんとかすることが「身近で利用しやすい裁判所」になるのでは?
隣の秋田市文化会館も、県民会館跡の新施設ができれば、廃止となる。さらに西の秋田放送も駅前に移転してなくなる。この一帯は、あと数年で風景が変わることになる。
【6日追記】数年後、東北六魂祭の後継「東北絆まつり」が秋田市で開催されると考えられるが、少なくともねぶた小屋やわらじ展示は、変更を余儀なくされる。
【6日さらに追記】裁判所仮庁舎が何かに似ていると思ったら、産業会館跡地の工事事務所だ。工事事務所も大きめだけど、裁判所はもっと大きい。
【19日追記】裁判のニュースで法廷内が映った。どの法廷かは不明。若干天井が低い気がしなくもない(高い裁判長席は照明に近く、しかも頭髪が少ない裁判長だったので、ハレーション気味)が、いたって普通の新しめの法廷内の雰囲気。それぞれの席にセットされた液晶ディスプレイがフィリップス製だったのが珍しい。
【12月20日追記】12月20日の昼、山王大通り・臨海方向から来た車が、県庁前交差点で信号待ちしていた車の列に追突。5台がからむ事故となった。大ケガの人はなかったが、通行止めが長くなった。秋田放送屋上のカメラが、発生時の映像をとらえており、ほとんど減速せずにぶつかり、最初にぶつかられた車は180度向きが変わって(ひっくり返ったのじゃなく前後の向きが)しまった。
運転していた70歳代の男性は「建替え中の裁判所を見ていた」とのこと【21日補足・ABSとNHK秋田のテレビニュースで言及。22日付魁では報道されたが裁判所には触れず】。裁判所が原因で発生した交通事故である。
※続き・2020年2月の状況。
※さらにその後、庁舎名についても、2020年8月の記事。そして新庁舎完成後。