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神田土崎線の記録1

2019-11-11 00:04:50 | 秋田市営バス
秋田市のバス路線「神田線」の、2019年秋の変化の記録シリーズ。前回までは神田停留所付近の旧道経由の廃止を取り上げた。
もう1つの大きな変化として次に紹介するのが、秋田駅西口と土崎駅前を神田経由で結んでいた、いわゆる「神田土崎線」の系統廃止。※「路線廃止」か「系統廃止」か悩ましいところではあるが、個人的には土崎線も旭野団地線もまとめて「神田線」という同じ路線だと思っている。そのため、当ブログでは系統の廃止ととらえさせてもらいます。

神田土崎線の運行区間のうち、秋田駅西口~外旭川病院前間は旧道経由旭野団地線と同じで、前回までと重複するので取り上げない。
その先、外旭川病院前~土崎駅前が神田土崎線だけの経路。
したがって、「神田土崎線の廃止」は、「神田線が外旭川地区内(+秋田厚生医療センター)で完結するように短縮された」とも言える。
神田土崎線は、秋田市交通局が1954年に神田線を運行開始した当初の運行区間・経路に近い、いわば神田線の始祖。ここ数十年は本数が激減し、代替路線もあるので、廃止されるべくして廃止されたのではあるけれど、神田線の始祖がなくなったという意味で、神田線にとって1つの節目とするべき変化ではないだろうか。感傷かもしれないけれど。

今回は、廃止直前、秋田中央交通が運行していた神田土崎線について、記録しておきたい。※本数や途中経由地など昔からこの形態ではなかったことをご承知おきください。
市営バス時代については、また改めて。

一部繰り返しになるが、神田土崎線は、西口~通町~天徳寺前~(旧道)神田~八柳・卸売市場入口~外旭川病院前までは、旭野団地系統と同じ。旧道でない天徳寺バイパス経由の土崎線は設定されたことはない。
外旭川病院前の交差点では、旭野団地線が右折するのに対し、土崎線は左折し、ここから我が道を行く。地図に赤い線で示す。
地理院地図をモノクロ化して加筆。オレンジ色は旭野団地線。青は他路線(一部略)
すぐに奥羽本線と草生津川を渡り、外旭川から将軍野へ入り、西へ進む。
途中から一方通行になるため、上下で経路が分かれる。上り秋田駅行きは、港中央二丁目から護国神社裏参道まで新国道を走行。
下り土崎駅行きは、踏切・橋からの道をそのまま直進し、新国道の2本北の一方通行路を進む。
自衛隊通りを越えさらに西へ。上下が合流するのが港中央四丁目。北進して土崎駅へ向かう。

外旭川病院前~土崎駅前の距離は、地図計測で下り3.1キロ、上り3.5キロ。
神田土崎線全線の秋田駅→土崎駅(下り)は9.3キロ。廃止時の所要時間は下り29分、上り33分。通し運賃は480円。
参考までに、秋田駅→土崎駅を新国道経由土崎線では8.4キロ、県庁・寺内経由土崎線では8.8キロ。どちらも所要時間25分、運賃460円(消費税8%当時)。
神田経由は時間も運賃もだいぶかかるかと思っていたが、それほどでもない(一時期あった神田笹岡線は、もっとかかっていた)。
なお、JR奥羽本線では営業キロ7.1キロ、6~7分、200円。

廃止時点では、平日のみ、上下とも朝に1本ずつ=1往復だけ運行。
ダイヤは以下の通り。旧道区間も含めて【11日訂正】外旭川病院前~土崎駅前の廃止区間は全バス停の時刻を掲載しておく。下りのカッコ内は秋田駅からの運賃。
秋田駅西口7:05→通町7:09(170円)→すわ町7:12(170円)→桜町7:15(220円)→天徳寺前7:16(250円)→水口7:17→笹岡入口7:18(300円)→神田7:19→吉学寺入口7:20→八柳三丁目7:23(350円)→外旭川病院前7:24→鳥谷場7:25(390円)→向山7:26【15日訂正・この位置に「将軍野南四丁目」が抜けていました】→将軍野郵便局前7:27→将軍野南三丁目7:28(420円)→港東一丁目7:29→土崎南小学校前7:30→嶺梅院前7:31→港中央四丁目7:31(460円)→土崎小学校前7:32→港中央六丁目7:33→土崎駅前7:34(480円)
土崎駅前7:55→港中央六丁目7:56→土崎小学校前7:57→港中央四丁目7:58→港中央二丁目7:58→港南二丁目7:59→自衛隊入口8:00→護国神社裏参道8:01→将軍野南四丁目8:03→向山8:03→鳥谷場8:03→外旭川病院前8:04→八柳三丁目8:05→吉学寺入口8:07→神田8:07→笹岡入口8:08→水口8:09→天徳寺前8:11→桜町8:12→すわ町8:16→通町8:19→秋田駅西口8:28
外旭川病院前~土崎駅前のうち、土崎駅前-港中央六丁目-土崎小学校前の3停留所は、廃止されない土崎駅前-自衛隊前-秋田厚生医療センターの路線(いちおう神田線の1つの扱いだった200系統)が使うため、10月以降も存続(土崎駅前は、駅発着の新国道経由・寺内経由も使用)。
新国道に出る上りの港中央二丁目→護国神社裏参道も、新国道経由各線が通るからもちろん存続(例の電柱に巻き付いた自衛隊入口も)するので、以降省略します。
【11日追記】中央交通移管後、秋田市内路線で系統番号表示が始まった時は、神田土崎線に「201」系統が付番された。同一路線内での系統の番号順の法則はよく分からないが、「その路線の基本に、より近い系統ほど若い番号」のようなところがある。川尻割山線で商業高校経由が701で、本数は少ないが歴史がある船場町経由が700であるように。神田線の場合は、歴史が浅く、神田と縁がない、土崎駅-秋田厚生医療センターの短距離路線が「200」になってしまった点はよく分からないが、旭野団地発着各系統(202以降)を差し置いて201なのが、神田土崎線の歴史を示している。
また、車両正面の行き先表示の文字は、市営バス時代は単に「神田・土崎駅/秋田駅」といった表示(後日)だったが、移管後にLED行き先表示が採用されると「向山」経由とも小さく表記されるようになった。向山の知名度がどうか疑問だが、一方通行区間でない停留所から選んだのだろう。
なにせ見かける機会が少ない路線だったので、記憶があいまい。(LED化後・系統番号付番前も向山が出ていたか? 系統番号表示後は、他には天徳寺や神田が表示されていたか? など)とにかく「向山」は表示されていて、ちょっと意外だった。

【11日追記】市営バス時代~廃止時まで、朝の神田土崎線の下り便は、ほぼ時刻が変わっておらず、永らく下り神田線全体の中で第2便を務めていた。
第1便は、神田笹岡線があった当時は、その笹岡経由土崎駅行き。笹岡線廃止後は代替で旭野団地線に代わり、廃止時点では6時50分発バイパス経由厚生医療センター行き。秋大附属学校の通学にはまだ早く、客は少なかったはずで、10~15分間隔で続行するのは、効率が悪かったかもしれない。
神田土崎線の廃止分の増発はされず、旭野団地線初便が6時55分発となった。→2023年10月ダイヤ改正で、6時55分発が6時50分発に再び変更。(以上追記)


では、外旭川病院側から経路をだとってみる。
外旭川病院前バス停通過後の交差点。向かい側右が病院
旭野団地線(外旭川市営住宅、秋田厚生医療センター方面)はここを右折。
土崎線は左折。やや狭い道の比較的新しい住宅地の中を200メートルほど進む。ここまでは新興住宅地として昭和末に整備されたであろう新しい道。神田線初期からあったわけではない。

信号のない実質丁字路で、センターラインがないほど狭くて古い道にぶつかり、右折。
この道の左方向は、外旭川アンパスの県道の道を越えて、卸売市場入口の交差点まで一直線。前回も触れたように、これが昔からある道路で、もともとの神田線のルートだった。
曲がるとすぐ「鳥谷場(とりやば)」バス停。所在地の外旭川字鳥谷場が由来。外旭川病院前から250メートルほど。
上り進行方向の視点。奥にアンパスの柵が見える。上の写真の赤い線の左方向が外旭川病院
鳥谷場は上下が向かい合う。ポールはどちらもサビサビの古いもの。【この記事も参照
 
表示板は上りが市営バス末期設置のワープロ印字ローマ字入り透明シール、下りは移管直後に中央交通が設置した「JTCウインR」フォント。
【25日補足】鳥屋場の位置を2012年10月や2017年8月のGoogleストリートビューで確認すると、上り側が1軒ほど踏切寄り(手前側)の空き地(駐車場?)の所にあった。40キロ制限の標識がついた電柱も、ほぼ同じ位置で移設されていた。※今は空き地に何か建ったの可能性があるが未確認。

すぐに八柳踏切で奥羽本線を渡る。
渡ってから振り返った上りの視点。道路標識は蒸気機関車柄だが、反対側は新しい電車柄
さらにすぐ、カーブした八柳橋で草生津川を渡る。
上りの視点。奥が踏切。その奥に太平山
上の写真で、左隣(上流)には奥羽本線の橋、右隣には同じくらいの道幅の市道の向山橋が架かる。向山橋はもともとは市電が通っていた橋(道路併用ではなく鉄道専用)がルーツ。さらに下流側が新国道(という名の県道56号)の草生津川橋。

今は草生津川が外旭川と将軍野地区の境。橋を渡ると将軍野南。
奥羽本線と新国道の間を進む。ここから道はさらに狭く、時折緩いカーブも現れる。新興住宅地ではない家並みが続く。
鳥谷場から340メートルで「向山」。
ここも上下が向かい合う
ここから先の各バス停は、鳥谷場ほど支柱が錆びておらず、表示板は市営バス時代設置の「ナール」フォントが続く。
向山上り表示板
現在は「将軍野向山」という町名があるが、線路の向こう側でバスは通らない。住居表示実施以前は、この辺りも外旭川で「外旭川字向山」だったようだ。

280メートルほどで「将軍野南四丁目」。上下が少しズレて、下りが酒屋の前、上りが美容室の角にある。
下りは「酒」看板と電柱の間
さらに進むと、
小さな交差点。直進方向はここから一方通行
ここで上下でルートが分かれる。
新国道「高清水公園」交差点を曲がってきた上りは、上の写真左から手前へ右折する。
土崎駅行きの下りは、こちらから奥へ直進して一方通行路へ。なのだけど、一方通行路は横断歩道の線が3本しかない。これまでも充分狭い道だったが、中型バスでここを通るのは、相当大変ではないだろうか(実際に乗ったり見たりしたことがないので、本当にこれで正しいのか信じられない)。

下りルートを進む。この先はいくぶん道幅は広くなり、新しくはない住宅地が続く。
将軍野南四丁目から140メートルで「将軍野郵便局前」。
顕彰碑の前
郵便局前とは言うものの、郵便局は少し離れている。一方通行に入る交差点を新国道方向へ左折した所。上り便は前を通るのだが、バス停はない。

過去の地形図を見てみると、2006年には現在と同じ場所にあるが、1985年、1971年は違う場所に郵便局があった。移転していたようだ(地図記号だけなので局名は断定できない)。
以前の場所は、将軍野郵便局前バス停から土崎方向へ1~2軒目辺り。今も新しくはない建物が建っており、民家を使った簡易郵便局とかだったのだろうか。いずれにしても、昔はまさに「郵便局前」で、それがそのまま残っていたことになる。
【12日追記】いただいたコメントからGoogleストリートビュー(2012年11月と2015年8月)を確認してみると、ここ数年でも、郵便局前バス停が若干移動していたことが判明。
バス停は、2015年では現在の位置だが、2012年には1軒土崎駅寄りの家とさらにその隣の家の間にあった。
また、バス停と直接の関係はないかもしれないが、顕彰碑の裏にある白い建物は、かつては教会だった。廃止時にバス停があった電柱の左側から入るようになっていて、2012年には「日本キリスト教会 秋田北教会」という看板があった。

【11日追記】全バス停名が表記されている、1988年の秋田市交通局の冊子時刻表では、将軍野郵便局前が上下両方に存在するような書き方。誤記かもしれないが、かつては上り側にもあったのかもしれない。

ちなみに秋田市で郵便局名がバス停になっているのは、秋田中央、土崎、新屋の大所(ただし新屋は西部公民館廃止、秋銀新屋支店移転の後、最近の命名)のほかは、中通六、桜(簡易局)くらいか。

220メートルで、「将軍野南三丁目」。

ここまで住宅地の裏道といった趣の道を進んできた。沿道はたまに酒屋が点在する程度で目立った施設も、信号機もなかったが、ここで、
セブン-イレブンと久々に信号機。左が自衛隊入口交差点方向・右が将軍野踏切~自衛隊
自衛隊通りと交わる交差点。自衛隊通りが将軍野と土崎(土崎港東)の境界。
自衛隊通りは、通町寺内経由と県庁寺内経由の将軍野線が通り、この交差点そばには「将軍野南五丁目」バス停がある。秋田駅から南五丁目までは410円、神田線の南三丁目までは420円でその先460円だった。

セブン-イレブンの看板横の道路標識では、「一方通行終わり」が示されている。しかし、交差点を越えた直進方向も道幅は変わらず、「一方通行」の標識がある。「終わり」はいらないのでは?

画像が多く長くなってしまったので、いったん区切ります。土崎地区について、続く
コメント (5)
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