東海道山陽新幹線の、JR東海所属車両の車内放送チャイム、TOKIO「AMBITIOUS JAPAN!(アンビシャス ジャパン)」が、2023年7月21日からほかの曲に代わった。ヘンなタイミングだけど、夏休み開始にでも合わせたのか?
後継は、JR東海の新キャンペーンに連動した、UA「会いにいこう」。
変更は今年2月16日に発表されたので、(それまではなかったことにされていたのに)この数か月で突然問題視されるようになった、ジャニーズ事務所(ジャニー喜多川氏)の不祥事を受けてということではない。
「AMBITIOUS JAPAN!」は、2003年11月24日から約20年使われたこと。
なお、JR西日本所属車両では、同時に「いい日旅立ち・西へ(鬼束ちひろが歌い、原曲と歌詞も異なる)」が使われるようになったが、今後も継続(東京~新大阪間でも流れる)。
それ以前は、東海・西日本共通で、ひかり&こだま/のぞみで異なるオリジナルメロディが流れていた。もっとさかのぼると、ピンポンパンポンだったり(音程が一般的なものと違う)、黛敏郎作曲の(奇抜な?)オリジナル曲だったり、開業時は「鉄道唱歌」のオルゴール(在来線車両とは多少異なる?)だったりしたらしい。
日本の大動脈で20年も親しまれたものがなくなるということで、ネットばかりでなくマスコミも取り上げ、名残惜しむ声が上がっている。
個人的には、数度しか聞いたことがなく、東日本の新幹線とはいろいろ違ううちの1点に過ぎないし、その前のひかり・こだまのチャイムこそ、東海道新幹線という感じがして好きだった。
ちなみに、東北上越新幹線のチャイムは30年以上変わっていない。リンク先の記事では、東海道新幹線のことは触れていないが、今回の変更で連想する人が多いようで【22日追記・もしくは勘違いや間違いで?】、たくさんのアクセスをいただいています。
「AMBITIOUS JAPAN!」のチャイムは、始発駅発車後・終着駅到着前に流れる長いものと、途中駅用の短いものがある(いい日旅立ちも同様)。
前者は、歌いだしの部分で12秒。後者は、サビの「Be ambitious!」部分でわずか5秒。
どちらもテンポはゆっくりめで、伴奏が控えめでシンプルな印象。ビジネス客も多い東海道新幹線だけに、あえてそうしていたのかもしれないが、シンプルすぎるとも思っていた。途中駅版は、(伴奏音は走行音でかき消されるので実質的に)「トン トン トン ト トーン」のわずか5音。
元歌のCDは、オリコン1位になったこともあるそうだが、大ヒットというほどではなかったと思う。
まして20年経った今、覚えている人は減っているだろうし、チャイムのメロディーが何なのか分からない人は多いだろう。以前、「東海道新幹線のチャイム、どこかで聞いたことがあるんだけど、何だっけ?」と悩む人のツイートを見たことがある。
日本国民誰もが知るヒット曲が少なくなった今、流行歌を車内チャイムに起用する以上は避けられないことであり、新チャイム「会いにいこう」も、秋田駅発車メロディー「明日はきっといい日になる」も、いずれ同じ道をたどることになる。「いい日旅立ち」だって、若い人は知らないだろうし。
まあ、元歌を知らずに/忘れて、東日本の新幹線のような“車内チャイム専用曲”だと思ってしまっても、さほど問題はないけれど。
ネットで「会いにいこう」の新チャイムと元歌(JR東海がプロモーション映像を公開)を聞いた。
チャイムは全駅共通の9秒で、今までよりは音数が増えて、一般的な車内チャイムらしくなった。だけど元歌をよく知らない状態だと、やっぱりよく知らないチャイム。
ちなみに、N700S(系)と N700A(系)ではスピーカーの位置が違い、それでも同じように聞こえるよう、それぞれ向けに調整されたチャイムが流れているとのこと(鉄道新聞https://tetsudo-shimbun.com/article/topic/entry-3546.htmlより)。
ところで、「AMBITIOUS JAPAN!」も、当時のJR東海のキャンペーン連動。西日本「いい日旅立ち・西へ」と同時展開で、2003年10月1日の新幹線・品川駅開業と「のぞみ」増発に合わせたもの。
キャッチコピーは「AMBITIOUS JAPAN! のぞみは、かなう。」で、後に「AMBITIOUS JAPAN! のぞみはいつも、そこにある。」になったそうだが、前者しか記憶にない。
ところで「ambitious」という英単語は、日本人にどの程度認知され、それを使ったこのフレーズ(曲名)は、どうとらえられていた/いるだろう。
いくつかの英和辞典サイトでは「大学入試レベル」とされ、weblioでは「英検:2級以上」「TOEIC® L&Rスコア:470点以上」「大学入試:難関大対策レベル」。大衆向けキャッチコピーにしては難解なようにも感じる。
そのためか、質問サイトで「AMBITIOUS JAPAN」や「be ambitious」の意味を尋ねる投稿も見受けられる。
2004年3月13日のJR東海ニュースリリース「「AMBITIOUS JAPAN!」キャンペーン実施中!(http://www.jr-central.co.jp/news.nsf/frame/2004312-21463)」を、ネットアーカイブで確認。※この時点でサブコピーは「のぞみはいつも、そこにある。」になっていた。
その中で、
僕は「日本よ大志を抱け」だと思っていたし、英語は不得意でも中学生の時からambitiousを知っていた。
ambitiousといえば、クラーク博士では?
明治初めに札幌農学校に赴任。帰任時に「Boys, be ambitious!」のことばを残し、「少年よ大志を抱け」と訳され、今日に伝わっている。
中学校の修学旅行先が札幌であったこともあり、学級目標に採用する(Boys and girls として)クラスがあるなど、身近だった。
JR東海(あるいは曲の制作側)としては、クラーク博士のことばを、もしくはことばを多くの日本人が知っていることを念頭において、ambitiousの語を使ったのだと思っていたのだけど。訳を「日本よ大志を抱け」としなかったのは、クラーク博士への遠慮か。
JR東海のキャンペーンでインパクトがあったのが、
2004年12月 広島駅
当時最新だった700系電車の、JR東海所属編成の両先頭車(1・16号車)側面・窓下の青帯部分に、「AMBITIOUS JAPAN!」の文字を大きく表記。
鉄道車両にこんなに大きく文字を書くことはあまりない。新幹線では、今でもこれが唯一だと思う【21日訂正・九州新幹線「いだてん」や西九州新幹線「HAPPY BIRTHDAY」では、もっと大きな文字が表記されていた】。
在来線では、JR東日本の「EF81」とか、かつてのJR貨物の「地球環境に優しいJRF」とか、労働組合が幅を利かせていた頃の国鉄で要求などを書き殴ったのとかはあるけれど。
屋外広告物条例の規制も気になるが、当然、クリアできていたのでしょう。
当初は2003年末で終える予定だったが、好評だったので、開業40周年や愛・地球博とからめて2005年9月25日まで続いた。
僕も好意的に受け止めており、キャンペーンや歌よりも、この表記が印象に残っている。当時は、静岡、四国、九州を旅する機会があったので、その途中でいくらか撮影していた。
2003年12月 どこかの駅で隣の列車内から
300系電車では、ドア横に円形ロゴを表示(700系にもあったようだ)。
2003年12月「のぞみは、かなう。」
ちなみに、100系電車は2003年9月16日で東海道新幹線から引退。山陽新幹線では0系電車もまだ走っていた。そんな頃。
2003年12月 東静岡駅
後継は、JR東海の新キャンペーンに連動した、UA「会いにいこう」。
変更は今年2月16日に発表されたので、(それまではなかったことにされていたのに)この数か月で突然問題視されるようになった、ジャニーズ事務所(ジャニー喜多川氏)の不祥事を受けてということではない。
「AMBITIOUS JAPAN!」は、2003年11月24日から約20年使われたこと。
なお、JR西日本所属車両では、同時に「いい日旅立ち・西へ(鬼束ちひろが歌い、原曲と歌詞も異なる)」が使われるようになったが、今後も継続(東京~新大阪間でも流れる)。
それ以前は、東海・西日本共通で、ひかり&こだま/のぞみで異なるオリジナルメロディが流れていた。もっとさかのぼると、ピンポンパンポンだったり(音程が一般的なものと違う)、黛敏郎作曲の(奇抜な?)オリジナル曲だったり、開業時は「鉄道唱歌」のオルゴール(在来線車両とは多少異なる?)だったりしたらしい。
日本の大動脈で20年も親しまれたものがなくなるということで、ネットばかりでなくマスコミも取り上げ、名残惜しむ声が上がっている。
個人的には、数度しか聞いたことがなく、東日本の新幹線とはいろいろ違ううちの1点に過ぎないし、その前のひかり・こだまのチャイムこそ、東海道新幹線という感じがして好きだった。
ちなみに、東北上越新幹線のチャイムは30年以上変わっていない。リンク先の記事では、東海道新幹線のことは触れていないが、今回の変更で連想する人が多いようで【22日追記・もしくは勘違いや間違いで?】、たくさんのアクセスをいただいています。
「AMBITIOUS JAPAN!」のチャイムは、始発駅発車後・終着駅到着前に流れる長いものと、途中駅用の短いものがある(いい日旅立ちも同様)。
前者は、歌いだしの部分で12秒。後者は、サビの「Be ambitious!」部分でわずか5秒。
どちらもテンポはゆっくりめで、伴奏が控えめでシンプルな印象。ビジネス客も多い東海道新幹線だけに、あえてそうしていたのかもしれないが、シンプルすぎるとも思っていた。途中駅版は、(伴奏音は走行音でかき消されるので実質的に)「トン トン トン ト トーン」のわずか5音。
元歌のCDは、オリコン1位になったこともあるそうだが、大ヒットというほどではなかったと思う。
まして20年経った今、覚えている人は減っているだろうし、チャイムのメロディーが何なのか分からない人は多いだろう。以前、「東海道新幹線のチャイム、どこかで聞いたことがあるんだけど、何だっけ?」と悩む人のツイートを見たことがある。
日本国民誰もが知るヒット曲が少なくなった今、流行歌を車内チャイムに起用する以上は避けられないことであり、新チャイム「会いにいこう」も、秋田駅発車メロディー「明日はきっといい日になる」も、いずれ同じ道をたどることになる。「いい日旅立ち」だって、若い人は知らないだろうし。
まあ、元歌を知らずに/忘れて、東日本の新幹線のような“車内チャイム専用曲”だと思ってしまっても、さほど問題はないけれど。
ネットで「会いにいこう」の新チャイムと元歌(JR東海がプロモーション映像を公開)を聞いた。
チャイムは全駅共通の9秒で、今までよりは音数が増えて、一般的な車内チャイムらしくなった。だけど元歌をよく知らない状態だと、やっぱりよく知らないチャイム。
ちなみに、N700S(系)と N700A(系)ではスピーカーの位置が違い、それでも同じように聞こえるよう、それぞれ向けに調整されたチャイムが流れているとのこと(鉄道新聞https://tetsudo-shimbun.com/article/topic/entry-3546.htmlより)。
ところで、「AMBITIOUS JAPAN!」も、当時のJR東海のキャンペーン連動。西日本「いい日旅立ち・西へ」と同時展開で、2003年10月1日の新幹線・品川駅開業と「のぞみ」増発に合わせたもの。
キャッチコピーは「AMBITIOUS JAPAN! のぞみは、かなう。」で、後に「AMBITIOUS JAPAN! のぞみはいつも、そこにある。」になったそうだが、前者しか記憶にない。
ところで「ambitious」という英単語は、日本人にどの程度認知され、それを使ったこのフレーズ(曲名)は、どうとらえられていた/いるだろう。
いくつかの英和辞典サイトでは「大学入試レベル」とされ、weblioでは「英検:2級以上」「TOEIC® L&Rスコア:470点以上」「大学入試:難関大対策レベル」。大衆向けキャッチコピーにしては難解なようにも感じる。
そのためか、質問サイトで「AMBITIOUS JAPAN」や「be ambitious」の意味を尋ねる投稿も見受けられる。
2004年3月13日のJR東海ニュースリリース「「AMBITIOUS JAPAN!」キャンペーン実施中!(http://www.jr-central.co.jp/news.nsf/frame/2004312-21463)」を、ネットアーカイブで確認。※この時点でサブコピーは「のぞみはいつも、そこにある。」になっていた。
その中で、
2.楽曲名
AMBITIOUS JAPAN!(アンビシャス ジャパン)
※「大望を抱く」あるいは「意欲にあふれる日本」という意味です。
と説明されている。AMBITIOUS JAPAN!(アンビシャス ジャパン)
※「大望を抱く」あるいは「意欲にあふれる日本」という意味です。
僕は「日本よ大志を抱け」だと思っていたし、英語は不得意でも中学生の時からambitiousを知っていた。
ambitiousといえば、クラーク博士では?
明治初めに札幌農学校に赴任。帰任時に「Boys, be ambitious!」のことばを残し、「少年よ大志を抱け」と訳され、今日に伝わっている。
中学校の修学旅行先が札幌であったこともあり、学級目標に採用する(Boys and girls として)クラスがあるなど、身近だった。
JR東海(あるいは曲の制作側)としては、クラーク博士のことばを、もしくはことばを多くの日本人が知っていることを念頭において、ambitiousの語を使ったのだと思っていたのだけど。訳を「日本よ大志を抱け」としなかったのは、クラーク博士への遠慮か。
JR東海のキャンペーンでインパクトがあったのが、
2004年12月 広島駅
当時最新だった700系電車の、JR東海所属編成の両先頭車(1・16号車)側面・窓下の青帯部分に、「AMBITIOUS JAPAN!」の文字を大きく表記。
鉄道車両にこんなに大きく文字を書くことはあまりない。新幹線では、
在来線では、JR東日本の「EF81」とか、かつてのJR貨物の「地球環境に優しいJRF」とか、労働組合が幅を利かせていた頃の国鉄で要求などを書き殴ったのとかはあるけれど。
屋外広告物条例の規制も気になるが、当然、クリアできていたのでしょう。
当初は2003年末で終える予定だったが、好評だったので、開業40周年や愛・地球博とからめて2005年9月25日まで続いた。
僕も好意的に受け止めており、キャンペーンや歌よりも、この表記が印象に残っている。当時は、静岡、四国、九州を旅する機会があったので、その途中でいくらか撮影していた。
2003年12月 どこかの駅で隣の列車内から
300系電車では、ドア横に円形ロゴを表示(700系にもあったようだ)。
2003年12月「のぞみは、かなう。」
ちなみに、100系電車は2003年9月16日で東海道新幹線から引退。山陽新幹線では0系電車もまだ走っていた。そんな頃。
2003年12月 東静岡駅
なんとなく会社のスタンスがわかります。
一方西日本は谷村新司が大好きなようで。
長野や高崎発止の北陸上越の西日本車、九州の西日本車でも採用してるぐらい。
北海道であのチャイムと堺さんなのは財政難が原因でしょうか…
ある意味AmBitiousジャパンの地に相応しいようですが。
東日本と東海は不仲、東日本と北海道は親密と言われるますから、それが原因かもしれません。でも、昨今取り沙汰されるように、広告会社、芸能事務所、楽曲制作側といろいろしがらみがあるようですから、不可侵なのかもしれません。
いい日旅立ちは、元々は国鉄のキャンペーンだったわけですが、西日本単独でリバイバルするに当たり、グループ他社への根回しがあったのか。北陸新幹線・西日本車のチャイムは、今は「北陸ロマン」という曲だそうですが、やはり谷村作品。谷村新司さんと良好な関係なのは間違いないでしょう。
曲自体が爽やかなのと、ビジネスマンが商談やらなにやらで日々東京へ出かけていくときのあの雑多感が上手く表現されている映像とが合わさって、なかなか周りでも評判が良いですね。
JR東海にしては久しぶりにいい仕事した?と話したりしていました。
Ambitious Japanも学生の頃から長年聞いてきて、静岡〜神奈川へ抜けるあたりの徐々に都心へ迫っていく時にこの曲が流れると気持ちが高ぶるのとで馴染みはかなりありました。
いつまでも変わらずというのも進化、新鮮味がなくなってくると思うので今後はこの曲が皆の記憶に残っていく様に期待ですね。
JR東海の公式YouTubeには、5か月前にアップされた動画がありました。車窓のほか、スジャータのアイスクリームまで登場して、東海道新幹線の魅力がよく現れていると感じました。
次はリニア中央新幹線の開業(2027年?)が控えています。JR東海や東海道新幹線にとっては大きな分岐点になりますが、その時はどういうキャンペーンや歌になっているでしょうか。