昨年9月から、秋田市としては初の「ネーミングライツ(命名権売却)」が、市教育委員会管轄の2つの体育施設を対象に実施されている。
「あきぎんスタジアム」はプロサッカーの試合場でもあり、それなりに定着しているように感じているが、「スペースプロジェクト・ドリームフィールド」はどうだろう。
秋田市では「命名権を導入する施設の拡大も検討したい」としていた通り、その第2弾が4月から実施されている。
対象となったのは、市教委管轄の市立図書館。
2月4日付河北新報によれば、2014年度の市民1人当たりの図書費は、仙台市が約143円なのに対し、秋田市は約44円で、東北地方の県庁所在地中最下位。
2013年度の入館者数(5館計)は、10年前の8万人減の61万504人だそうで、ネーミングライツで得た費用を本の購入に充てて、利用者増につなげたいようだ。
【6日追記】全国的には、図書館の運営を民間に委託する自治体が出てきていて、秋田県能代市でも今年度から指定管理者制度で民間企業が運営している。秋田市立図書館は市の直営。本件は、名称だけ民間が関わるということ。
秋田市立の図書館は5館ある。中央図書館明徳館、中央図書館明徳館河辺分館、土崎図書館、新屋図書館、雄和図書館。
平成の大合併前の旧河辺町、雄和町の図書館も市立に編入されているけれど、河辺は分館扱いなのか。
ネーミングライツは、5館共通で募集・命名されることになっていた。契約年数は3年以上、秋田市が希望する年額は60万円以上。
秋田市内2社から応募があり、最高額を付けた北都銀行がネーミングライツパートナーに決定。
2018年3月末までの3年契約で、年額108万円。
※スペースプロジェクト・ドリームフィールドは72万円、あきぎんスタジアムは325万円。
愛称は「ほくとライブラリー」。
中央図書館明徳館(と河辺分館)は「ほくとライブラリー明徳館」、土崎、新屋、雄和は「ほくとライブラリー○○図書館」となる。
スタジアムは秋田銀行だったから、北都銀行が出てきたのは想定内。前回も名乗りを上げたけれど、負けたのかもしれない。
図書館は小学生も高齢者も利用するから、「ライブラリー」がやや分かりづらいかもしれないが、奇抜でなく無難に収まって良かったかな。
公共施設の名前を売って特定の企業の名を付けるのはいかがなものかとか、秋田市のものであることが分かりにくく北都銀行の図書館と誤解されそうとかいうのは、本件に限らず、どこのネーミングライツでも同じことだから、ここでは置いておきます。「どらやきドラマチックパーク米子」なんかよりはマシだと思うし…
前から折に触れ述べているように、中央図書館明徳館の近くに、後から秋田県が「県立明徳館高等学校」を開校し、まぎらわしくなったのに、さらに拍車がかからないか、少々不安。【6日追記】「明徳館」は旧・久保田藩の藩校の名称が由来。
ほくとライブラリー明徳館に関しては、どっちみち「明徳館」と呼ばれ続けることになりそうです。(高校との混同・誤解に注意)
それから、河辺分館には「せせらぎライブラリー」という愛称が以前からあったそうで、今年度も継続。
ということは、「ほくとライブラリー明徳館河辺分館」と「せせらぎライブラリー」の2つの愛称を持つことになる。
あとは、現地の表示板類がどう変わるか。
あきぎんスタジアムの時は、大々的に表示が付け替えられた。スペースプロジェクト・ドリームフィールドはそれに比べると簡素だが表示が設置された。
明徳館は「秋田市立中央図書館」が取れるから、少なくともその文字は撤去されるかと予想した。
(再掲)秋田市立中央図書館明徳館
3月までの正面の文字
1日に、明徳館で市長と頭取が出席して表示の除幕式が行われた。すると、
従来の文字の下に「ほくとライブラリー」の看板
左の本の絵は初見。【6日追記】本の線が独特。何か意味がありそうだけど、何でしょう?
「と」と「ラ」の間が北都銀行のロゴマーク、右が北都銀行のマスコット・秋田犬の「ほっくん」。
思っていたより簡素。
土崎図書館でも、正面ひさしにある既存の「秋田市立土崎図書館」の上に同じ看板が付けられた。
これでは「ほくとライブラリー 秋田市立土崎図書館」と読めてしまい、「ほくとライブラリー土崎図書館」という正式な愛称(?)が伝わらない。
左後方の金色のが既存の表示。後ろの十字架は隣にある教会
【6日追記】従来のままの図書館名表記と別に「ほくとライブラリー」の看板があると、図書館全体の愛称ではなく「図書館の中に『ほくとライブラリー』という組織のようなものが存在している」と受け取られるおそれもある。
あきぎんスタジアムと比べると、看板が少々安っぽいと感じた。
「秋田市教育委員会ネーミングライツ導入に関するガイドライン」を見ると、「敷地内外の看板等の表示変更」「契約期間終了後の原状回復」はパートナー側が「ネーミング・ライツ料の他に別途負担とする。」ことになっていた。
※「パンフレット、封筒等の印刷物の表示変更」は市負担。
あきぎんスタジアムはずいぶん立派な看板なのに比べて、スペースプロジェクト・ドリームフィールドやほくとライブラリーではずいぶん差があると思っていたけれど、看板は別途、各自負担ということを知れば納得。
北都銀行は、看板の変更費用を最小限に抑えたかったのか、上の土崎図書館の写真右手前の掲示板には、ほくと~の名はない。
明徳館でも、正面以外の表示板類は3月以前と変わっていない。(以下の写真は3月撮影)
電柱や標識が前にある植え込みの中の目立たない表示板
今回を機に替えたほうが良かったのでは? せめて洗ってやって!
手書きっぽい掲示板
図書館のホームページには、看板と同じデザインのタイトル画像などが表示され、「ほくとライブラリー」となっている。
秋田魁新報には愛称が「図書の貸出票などにも使われる」とあったけど、貸出票って何?【2021年3月19日追記・コメントで教えていただいた。借りた時発行されるレシート状のものとのこと】
個人の貸出カードや本に貼るシールは、既存のものを変えるのは非現実的だし、今後の新規分にしても契約年数以上使われるだろうから、ふさわしくなさそうだし。
秋田市立明徳小学校が移転し、その跡に開館したのが秋田市立中央図書館明徳館。(それ以前は土崎、新屋だけで中央部に市立図書館はなかった)
僕は、旧・明徳小の記憶はほとんどなく、図書館ができた時に学校で貸出カードが一斉配布されたのは覚えている。開館は1983年だから、もう30年以上前のこと。
「あきぎんスタジアム」はプロサッカーの試合場でもあり、それなりに定着しているように感じているが、「スペースプロジェクト・ドリームフィールド」はどうだろう。
秋田市では「命名権を導入する施設の拡大も検討したい」としていた通り、その第2弾が4月から実施されている。
対象となったのは、市教委管轄の市立図書館。
2月4日付河北新報によれば、2014年度の市民1人当たりの図書費は、仙台市が約143円なのに対し、秋田市は約44円で、東北地方の県庁所在地中最下位。
2013年度の入館者数(5館計)は、10年前の8万人減の61万504人だそうで、ネーミングライツで得た費用を本の購入に充てて、利用者増につなげたいようだ。
【6日追記】全国的には、図書館の運営を民間に委託する自治体が出てきていて、秋田県能代市でも今年度から指定管理者制度で民間企業が運営している。秋田市立図書館は市の直営。本件は、名称だけ民間が関わるということ。
秋田市立の図書館は5館ある。中央図書館明徳館、中央図書館明徳館河辺分館、土崎図書館、新屋図書館、雄和図書館。
平成の大合併前の旧河辺町、雄和町の図書館も市立に編入されているけれど、河辺は分館扱いなのか。
ネーミングライツは、5館共通で募集・命名されることになっていた。契約年数は3年以上、秋田市が希望する年額は60万円以上。
秋田市内2社から応募があり、最高額を付けた北都銀行がネーミングライツパートナーに決定。
2018年3月末までの3年契約で、年額108万円。
※スペースプロジェクト・ドリームフィールドは72万円、あきぎんスタジアムは325万円。
愛称は「ほくとライブラリー」。
中央図書館明徳館(と河辺分館)は「ほくとライブラリー明徳館」、土崎、新屋、雄和は「ほくとライブラリー○○図書館」となる。
スタジアムは秋田銀行だったから、北都銀行が出てきたのは想定内。前回も名乗りを上げたけれど、負けたのかもしれない。
図書館は小学生も高齢者も利用するから、「ライブラリー」がやや分かりづらいかもしれないが、奇抜でなく無難に収まって良かったかな。
公共施設の名前を売って特定の企業の名を付けるのはいかがなものかとか、秋田市のものであることが分かりにくく北都銀行の図書館と誤解されそうとかいうのは、本件に限らず、どこのネーミングライツでも同じことだから、ここでは置いておきます。「どらやきドラマチックパーク米子」なんかよりはマシだと思うし…
前から折に触れ述べているように、中央図書館明徳館の近くに、後から秋田県が「県立明徳館高等学校」を開校し、まぎらわしくなったのに、さらに拍車がかからないか、少々不安。【6日追記】「明徳館」は旧・久保田藩の藩校の名称が由来。
ほくとライブラリー明徳館に関しては、どっちみち「明徳館」と呼ばれ続けることになりそうです。(高校との混同・誤解に注意)
それから、河辺分館には「せせらぎライブラリー」という愛称が以前からあったそうで、今年度も継続。
ということは、「ほくとライブラリー明徳館河辺分館」と「せせらぎライブラリー」の2つの愛称を持つことになる。
あとは、現地の表示板類がどう変わるか。
あきぎんスタジアムの時は、大々的に表示が付け替えられた。スペースプロジェクト・ドリームフィールドはそれに比べると簡素だが表示が設置された。
明徳館は「秋田市立中央図書館」が取れるから、少なくともその文字は撤去されるかと予想した。
(再掲)秋田市立中央図書館明徳館
3月までの正面の文字
1日に、明徳館で市長と頭取が出席して表示の除幕式が行われた。すると、
従来の文字の下に「ほくとライブラリー」の看板
左の本の絵は初見。【6日追記】本の線が独特。何か意味がありそうだけど、何でしょう?
「と」と「ラ」の間が北都銀行のロゴマーク、右が北都銀行のマスコット・秋田犬の「ほっくん」。
思っていたより簡素。
土崎図書館でも、正面ひさしにある既存の「秋田市立土崎図書館」の上に同じ看板が付けられた。
これでは「ほくとライブラリー 秋田市立土崎図書館」と読めてしまい、「ほくとライブラリー土崎図書館」という正式な愛称(?)が伝わらない。
左後方の金色のが既存の表示。後ろの十字架は隣にある教会
【6日追記】従来のままの図書館名表記と別に「ほくとライブラリー」の看板があると、図書館全体の愛称ではなく「図書館の中に『ほくとライブラリー』という組織のようなものが存在している」と受け取られるおそれもある。
あきぎんスタジアムと比べると、看板が少々安っぽいと感じた。
「秋田市教育委員会ネーミングライツ導入に関するガイドライン」を見ると、「敷地内外の看板等の表示変更」「契約期間終了後の原状回復」はパートナー側が「ネーミング・ライツ料の他に別途負担とする。」ことになっていた。
※「パンフレット、封筒等の印刷物の表示変更」は市負担。
あきぎんスタジアムはずいぶん立派な看板なのに比べて、スペースプロジェクト・ドリームフィールドやほくとライブラリーではずいぶん差があると思っていたけれど、看板は別途、各自負担ということを知れば納得。
北都銀行は、看板の変更費用を最小限に抑えたかったのか、上の土崎図書館の写真右手前の掲示板には、ほくと~の名はない。
明徳館でも、正面以外の表示板類は3月以前と変わっていない。(以下の写真は3月撮影)
電柱や標識が前にある植え込みの中の目立たない表示板
今回を機に替えたほうが良かったのでは? せめて洗ってやって!
手書きっぽい掲示板
図書館のホームページには、看板と同じデザインのタイトル画像などが表示され、「ほくとライブラリー」となっている。
秋田魁新報には愛称が「図書の貸出票などにも使われる」とあったけど、貸出票って何?【2021年3月19日追記・コメントで教えていただいた。借りた時発行されるレシート状のものとのこと】
個人の貸出カードや本に貼るシールは、既存のものを変えるのは非現実的だし、今後の新規分にしても契約年数以上使われるだろうから、ふさわしくなさそうだし。
秋田市立明徳小学校が移転し、その跡に開館したのが秋田市立中央図書館明徳館。(それ以前は土崎、新屋だけで中央部に市立図書館はなかった)
僕は、旧・明徳小の記憶はほとんどなく、図書館ができた時に学校で貸出カードが一斉配布されたのは覚えている。開館は1983年だから、もう30年以上前のこと。