麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

ヘカベ、海を渡る

2024年10月13日 | 鑑賞

ギリシャ悲劇と聞いて、

「面白いよね〜」と開口一番

庭駆け回る日本人は、

ほぼいないだろう。

大半が「小難しくて詰まらない」。

いや、そもそも観たことないが

一番多いのだろう 残念だが。

 

紀元前550〜220年頃に古代ギリシアに

隆盛を極めた演劇には、けれども

すでに演劇のほぼ全てがある。

だから本当は、面白い。

 

そして!

14日(祝)まで上野ストアハウスで

上演中の清流劇場『ヘカベ、海を渡る』

(原作/エウリピデス、

上演台本、演出/田中孝弥)は

ディオニューシアの神に賭けて

面白かった。

 

 

余談ながら、ディオニューシア神を

祝す大祭の中で奉じられたのが、

悲劇、喜劇、滑稽劇の始まり。

この三大劇は演劇を超えて、

西洋文明に影響を与えている。

……総論はキリがないからここまで

 

さて「悲劇」は、仮面をつけた俳優と

舞踊合唱隊の掛け合いによって進行したが、

その形式も盛り込んだ清流劇場の

『ヘカベ〜』は、それでも尚、新しく、

団体名に相応しい清らかさに満ち、

さらには力強い1時間55分だった。

ギリシャ悲劇を選ぶ多くのカンパニーも

仮面劇とコロスの歌を取り込むけれど

「もともとはこの形で演じてたんです」と

まるで黒板を背にした授業みたいに、

〈教えて〉くれ、それは勉強になるけれど

詰まらないのである

 

しかし、大阪弁による『ヘカベ〜』は

2024年の現代小劇場演劇として成立し、

「復讐の連鎖を止める手立て」を

客席へ問う主題もきっちり果たした上に

兎に角純粋に面白い〜ここで言うのは、

笑うの一次ではなく興味深いなど含む

多次的な〈面白い〉だ

 

駐日ギリシャ大使館、日本ギリシャ協会、

2024日本ギリシャ・文化観光年記念事業を

後援とする芝居、残すは本日13時、18時と

明日13時。

 

 

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終りに見た街

2024年09月20日 | 鑑賞

敬愛する山田太一の『終りに見た街』が

宮藤官九郎バージョンで放送される。

明日の夜

まるでテイストが異なるクドカンは、

どんな「終り」をみせてくれるのか?

 

山田オリジナルの主人公・清水要治は、

名前も田宮太一とかわり、

妻はドッグウェア専門店にパートで働く

・・・なるほどクドカンの味付も

た〜っぷり効いていそうだ

 

1981年小説(中央公論)として世に出て、

翌年、細川俊之主演でドラマ化。

さらに2005年の中井貴一版では

山田自身が新たに再執筆した。

ドラマは今回の大泉洋主演含め、

すべてテレビ朝日系。

ほかにラジオドラマにも。

 

そのテレビ第一作目には

当時私が在籍していた劇団東演の

小池幸次が出演していた。

北野映画にも常連だったベテランは、

『座頭市』での船八の親分などが代表作。

 

同じく82年版出演の宝亀克寿。

現在は青二プロ所属だが

以前は東演に在籍していた。

彼は2010年から引き継いだ

『ONE PIECE』のジンベエ役、

海外刑事ドラマ『クローザー』の

プロベンザ警部補役などで知られる。

ただ私の在籍とは重なっていない。

 

『クローザー』の同僚で元鑑識の

マイケル・タオ役だった小高三良。

彼とは海外公演も伴にしたが、

随分前に座を離れ、

今はプロダクション・タンク。

と、それはまた別の話。

 

【文中敬称略】

 

『終りに〜』の頃といえば、

山田が『思い出づくり。』(81年TBS)、

『早春スケッチブック』(83年フジ)、

『ふぞろいの林檎たち』(同年TBS)

などなど次々に傑作を書いた、

脂が乗りにのっていた頃だ!!!!

 

1934年浅草生れ、昨年11月29日没。

終焉の地は川崎。

不世出の作家の作品がこれからも

多くの方々に鑑賞されたら素敵

 

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立川名画座通り映画祭

2024年09月17日 | 鑑賞

 

「知らない路地の映画祭」を

今年はじめて北千住で見て、

それが大層面白かったので、

〈リージョナルなフィルムフェス〉に

興味を抱いていた。

そこにFacebook広告が目に止まり、

『立川名画座通り映画祭

歴代グランプリ作品一挙上映!!』に

足を伸ばした。

 

「知ら路地」が市民参加型の

アートプロジェクトだったのに対し、

「立川〜」はコンテスト型だった。

とはいえ、第1回は身内作品4つ、

外部からの応募は『岐路』ひとつで

それが栄えある最初の栄冠

客席40の平土間の公民館での船出と、

昨夜の開幕挨拶で実行委員長談。

 

そこから猛烈な(?!)急カーブを描き、

第3回グランプリ『土曜日ランドリー』

メガホンの東かほり氏の最新作

『とりつくしま』はちょうど今上映中。

母・東直子の小説の映画化で

小泉今日子らが出演。新宿武蔵野館にて。

 

アニメーション作品で、ナレーションを

ナウシカの島本須美が務めた『AYESHA』が

第4回グランプリ・・・という勢いだ。

 

そして2022年の第6回。

監督名は連名で、祁答院雄貴と大門嵩。

けどういんゆうき?

俳優が本業の彼は今、カナダ在住で

トニー賞18冠『将軍』に出演している。

 

【つづく】

あたまの一枚は、立川のランドマーク

昭和記念公園。

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犬と猫

2024年09月13日 | 鑑賞

目黒シネマで二本立てを

『恋におちたシェイクスピア』

と『シャイン』。

 

前者は1998年、米英製作の映画。

後者はオーストラリアの伝記映画で

1996年の作品。

 

くくりとしては、『恋におちた〜』が

第71回作品賞、脚本賞、主演女優賞、

助演女優賞に音楽、美術、衣装デザインの

各賞を、『シャイン』は第69回の主演男優賞

と、ともにアカデミーのオスカー映画!

だとまずは言える。

 

そして『〜シェイクスピア』が演劇、

『シャイン』は音楽という

映画と隣接する芸術を扱ったフィルム。

 

さて題名ですが。

前者の冒頭、犬が登場する場面が多く、

劇中、シェイクスピアの次回の外題にも

入っていて……

(これ以上はネタバレ気味だから止める

後者は、主人公が猫について饒舌に語る

モノローグから始まる。

・・・まぁ、そんなわけです

 

西洋では学校の必修科目に演劇があるから

シェイクスピアの作品に名台詞、

当時の演劇状況が説明なしに

スピーディーにバンバカ描かれる。

日本においては「置いてけぼり」に

なっちゃう人もいるのかなぁ……と、

集中しながらも頭の片隅で思った。

 

ピアノ曲がふんだんに流れる『シャイン』。

音楽教育はわりとちゃんとしてるから

大丈夫かしら…。

それより強い父権の描写。

豪州作品には目立つテーマだけれど、

違和感を持つ人は少なくないか?

 

 

『ローゼンクランツとギルデンスターンは

死んだ』という有名な戯曲があり、

その作者トム・ストッパードがシナリオで

参加していることを初めて知った。

あ、勿論『〜シェイクスピア』の方。

 

どちらも封切当時には観ることなく、

ビデオやテレビでも縁がなく、今回初見。

資産家令嬢の乳母を演じた

イメルダ・スタウントンが

チャーミングでした

ヒロインのヴァイオラと

俳優トマス·ケントの二役で

オスカーを射止めた

グウィネス・ケイト・パルトロー

よりも。

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鴉よ、おれたちは弾丸をこめる

2024年08月09日 | 鑑賞

劇団うつり座第二回公演

『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』

絶賛公演中。

 

 

格段かかわってはいないのたが、

演出以下スタッフは多くが旧知で、

出演者も知った役者ばかりだ。

チケットは、ほぼ完売らしく

金曜と土曜の夜のみ何とか……

というのも、2日前の情報

興味のある方は是非最新情報を

確かめてください。

 

チラシの通り、本は清水邦夫で

演出は劇団代表でもある篠本賢一。

うつり座のコンセプトが

〈あの昭和の時代の如く人々が

上を向いて元気に生きていた時代の

息吹を、昭和を知るオトナ世代が、

演劇活動を通じて皆様に届けていこう〉

というもので、まさに昭和の、

なかでも「熱かった季節」のモノガタリ。

それをシニア世代が熱演

 

初演は1971年。演出が蜷川幸雄、

青年Aに蟹江敬三、鴉婆に緑魔子、

弁護士に湯浅実、ほか石橋蓮司、鶴田忍、

山谷初男、阿藤海といった癖の強い役者が

紡いだ裁判所を舞台としたアングラ芝居。

 

爆弾を投じた青年二人を救おうと

鴉婆、虎婆はじめ婆の一群が侵入して……。

 

 

新宿アートシアターでの初演に劣らぬ

(と決まり文句の修飾はするけれど

わたしはそれを観てはいない

うつり座のメンバーを主軸に、

多彩な客演を交えたアンサンブル。

私の観た回は、天も味方にして

轟く雷鳴が、激しいモノガタリの

前奏として上野ストアハウスを覆った。

 

そして・・・と、うつり座版の

オリジナルの魅力を語りたいが

まだ公演中ゆえ我慢する。

11日まで。

 

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黄金少年

2024年08月08日 | 鑑賞

 

『ゴールド・ボーイ』は今春公開の映画。

その公式サイトでは・・・

《原作は、 中国のベストセラー作家

紫金陳(ズー・ジンチェン)の

「坏小孩」 (和訳=悪童たち)。

殺人犯と少年たちの頭脳戦を描いた本作は

動画サイト「iQIYI(アイチーイー)」で

総再生回数20億回を突破する

大ヒットを記録。(後略)》

・・・と書かれていて、

ある映画サイトには・・・

《平成「ガメラ」3部作の金子修介監督が

岡田将生を主演に迎え、(中略)

岡田ふんする殺人犯と対峙する少年少女を

「リボルバー・リリー」の羽村仁成、

「王様戦隊キングオージャー」の星乃あんな、

「ラーゲリより愛を込めて」の前出燿志が演じ、

黒木華、松井玲奈、北村一輝、江口洋介らが

脇を固める。

・・・と紹介されている。

 

確かに多くが観たのは『ガメラ』だろう。

けれどもやはり金子修介といえば、

『1999年の夏休み』だ

 

萩尾望都の代表作のひとつ『トーマの心臓』

をもとに、全寮制の学校に通う4人の少年

〜宮島依里、寶智子、中野みゆき、水原里絵

〜たちのファンタジー。

 

中野は、日本バレーボール協会会長

川合俊一の、今は妻であり、

水原は改名して深津絵里になった。

もう26年前のメガホンだがしかし

早稲田松竹のレイトショーには

たくさんの観客が駆けつけていた。

 

 

話の順番を間違えたが

『ゴールド・ボーイ』は、

韓国のアクション・ノアールで

キム・ソンホ主演『貴公子』との

二本立て興行。

その後のレイトに『1999〜』。

 

私は『貴公子』は鑑賞済みゆえ

『ゴールド〜』のみを観たのだが、

終映後のロビーには、

その3倍くらいが待っていた。

 

 

名画座はどんどん姿を消している。

廉価でフィルムが愉しめる「至極の場」は

また、高田馬場の某予備校に通った私が

大変お世話になった「教室」でもある。

 

話をようやく『ゴールド〜』に戻す。

3人の中学生が、三者三様じつに良い。

特に星乃のヒロインっぷりは、

前述『〜夏休み』の〈少年たち〉の

透明感と、良い意味でのネガティブに

通じる魅力に溢れていた。

 

そして。本作も主な時間軸は

夏休みなのだった。

 

・・・思えば。

早稲田松竹や、今はないがパール座

(やはり高田馬場の、山手線線路の

反対側のスーパーの地下にあった)で

過ごした一年は、ワタシの人生の

夏休みだったような気がする。

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エトシバイ

2024年08月03日 | 鑑賞

干支芝居……でなはく、絵と芝居。

 

 

新宿の花園神社の裏手というか、

ゴールデン街をかすめる四季の路を

くねくねと抜けてすぐにあるのが

「新宿眼科画廊」だ。

 

公式サイトから引用すると。

〈現代美術を中心に、写真や映像作品、

演劇など様々なジャンルの展覧会を行〉い、

〈この場所に集まるヒト・モノ・コトから

次の何かが生まれるように〉一階に四つ、

地下に一つのスペースがあるギャラリー

 

昨夜、地下で演劇を観たのだけど、

少し早めについて絵画も鑑賞した。

都立芸術総合高校卒業生のグループ展

など全4フロアを堪能。

 

さて、眼科のオーナーが

社会貢献の想いからこさえた「場」

と、名称から当然考える。

若い頃画家を目指したり、

演劇青年だったか、若しくは

こどもがアーティストといった

サイドストーリーも含めて……。

 

ところが

〈名前の由来は「目に良い場所」

という意味です。眼科医院は

併設しておりません〉という。

な、なんと!!

 

そんな絵や写真や映像などが

楽しめるところが、実は案外多い。

敷居が高くて入りづらいかもだが、

異常な暑さが続く今日この頃

体を冷やしにドアを押すのも

ありではないかしら。

 

 

et sivay……フランス語っぽい感じが

しなくもなくはない。

 

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頣和園

2024年07月25日 | 鑑賞

学生時代はキャンパスから徒歩圏に

今はなき三百人劇場があり、

・・・劇団昴の拠点であるから

演劇を上演する小屋であったが、

映画もよく掛かっていた・・・

中国映画祭は回数券を買って通った。

中国哲学文学科に在籍しながら

肝心の漢文には当たらずに

映画ばかり観ていたなぁ

 

今では韓流にハマるかみさんが見る

韓国ドラマばかり見て、ご無沙汰の

〈中国〉に久しぶりに触れた。

 

 

原題『頣和園〜SummerPlace』の

邦題が『天安門、恋人たち』。

 

世界遺産でもある広大な庭園

頣和園(いわえん/yi-he-yuan)は

西太后が執政した場所でもあるが

日本ではそれほど有名ではなく、

天安門を謳った方が目を引くのは

間違いない。

 

監督ロウ・イエ(婁燁)自身、

学生として六四事件に参加。

その経験から構想を温め続けた

思い入れのある作品で、

〈1989年の天安門事件を、

弾圧された学生目線でとらえた映画。

劇的に変動する現代中国の瞬間を

一人の女性の人生の変遷とともに描く〉

と紹介もされていたから、

ある期待を持って目黒シネマへ……。

 

ところが

作品の中で「天安門」には

あまり触れられていなかった。

 

冷静に考えれば、中国映画が

がっつり描けるはずもなく、

或いは〈鬼才〉にとって

そのものを創ってもつまらなかった

のかも知れず……。

 

ただ確かなのは。

一編を通して、どこかでヨレる映画

(に限らず小説、演劇もだが)が

多い中で、ロウ・イエは徹頭徹尾

ロウ・イエの世界観を貫く2時間だった。

 

中国映画史上初の全裸のセックスシーンも

売り文句のひとつだったが、

そういった些細なことを超えた

スクリーンだった。2006年のメガホン。

 

昨年公開の『サタデー・フィクション』

など彼の特集が組まれていて、

平日昼ながら客足は少なくなかった。

 

北京、武漢、深圳、重慶にベルリンと、

ロードムービーの要素も。

 

 

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多摩川物語

2024年07月24日 | 鑑賞

今月のなかば、17日あたりのblogに

ドリアン助川の『多摩川物語』を

手にしたと書いたのだけれど。

 

『大幸運食堂』と題して

PHP研究所から2011年に世に出た

〈今日たおれてしまった人たちへ。

明日もう一度笑ってみようと思える

人情噺集〉とのリードを付された

短編集は、随分前に読了している。

 

ぐいぐい引き込まれたのは、

14年にポプラ文庫から改題され

出版されたバージョン。

ebookjapanの詳細情報には、

〈映画撮影所の小道具係を

辞めようかと悩む青年、

客の少ない食堂で奮闘する店主、

月明かりのアパートで母を偲ぶ娘。

多摩川の岸辺の街を舞台に

繰り広げられる心温まる人生ドラマ〉※

と三編をピックアップしているが、

私に面白かったのは「明滅」

「台風のあとで」「越冬」。

たまたまだが小学生が主人公、

または重要な役どころの三編でした。

 

※文字数の都合など考えて

 固有名詞を一般名詞にかえています。

 

詳細情報の後半は、

〈名もなき人びとの輝ける瞬間が胸を打つ

珠玉の連作短篇集〉と書かれている通り

まさに珠玉。全八編、はずれなし。

 

 

実は、多摩川と題した連作なので

舞台は広域なのかな〜と勝手に思った。

 

実際は、僕の暮らした川崎市多摩区より

やや上流の物語。

なるほど「食堂」周辺で展開される

ゆえの最初の題名だったのだなぁ……。

 

あ、かわったといえば!

バンド「叫ぶ詩人の会」や

ラジオパーソナリティーとして

一世を風靡したドリアン助川は

2000年に渡米。

帰国後のペンネーム・明川哲也

(02〜11年)名義で『大幸福食堂』は

出版されている。

 

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李晏中国現代演劇写真展

2024年07月14日 | 鑑賞

◯イー

『李晏中国現代演劇写真展

—40年間の中国現代演劇』は、

第16回シアターΧ(カイ)

国際舞台芸術祭2024 の

様々なプログラムのひとつで

7月5日から今日15日まで開催。

会場はギャラリーX、入場無料。

両国の、国技館とは逆側に降りた

回向院のお隣りだ。

 

 

◯アル

李晏( Li-Yan)は1964年山東省生まれ。

中国現代演劇の目撃者、演劇撮影家と

紹介されている。

 1980 年代より今日まで、

中国内外の刊行物に100万字近い文章、

1万点以上の写真を掲載、とも。

 

100万だの1万だのの表現が

何とも中国人らしいなぁと思うのは

僕だけではないだろう。

 

◯サン

展示が『茶館』と『天下第一楼』で

始まっているのに、ちょびっと驚いた。

筆者の大学の卒論の題材が

まさにその二作品だったのだ。

 

人民芸術家と呼ばれた老舎

(小説家・劇作家)の戯曲『茶館』は

話劇(中国の現代劇)の初期代表作で

1958年初演。

『天下〜』は88年で、ともに人芸

(北京人民芸術劇院。中国最高峰の

劇団と称される)が上演。

 

前者は茶館、後者は北京ダック店を

舞台に時代の中での盛衰が描かれる。

いうまでもなく『天下〜』は

『茶館』をバリバリ意識した作品で

重なる点、異なる点が卒論の狙いと、

まぁコテコテなテーマだったりする

・・・ので驚きは「ちょび」

 

◯スー

全体としても人芸の舞台写真が多く、

また、林兆華の演出作品の割合高!

「人芸」で写実的な大作を発表しながら

「林兆華工作室」で実験劇にも才を発揮。

話劇界に長く君臨しているから

これもまた仕方のないところか……。

 

◯ウー

とはいえ、北京人芸と並ぶ

「上海話劇芸術中心」が一枚とは。

 

以前所属していた東演(東京)が

「湖北省話劇院」とともに懇意だった

劇団ゆえ、つい私情が

 

 

◯リュウ

国家間の関係もあってか、

すっかり中国との演劇交流が

弱くなった今日この頃。

 

雨の午前ということもあり

「貸切」で鑑賞できたことも

寂しかった……

 

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