まずはじめに、女優の鷲尾真知子さんに一言御礼を。
埼京線の「与野本町」にある彩の国さいたま芸術劇場へ向かっていた僕は、東演の次回作『空ゆく風のこいのぼり』でも美術を担当していただく小池れい嬢とおしゃべりしながら通勤快速に乗っていた。とある駅でやけに人が降りるなぁとか思って車窓の外を見たら、そこに鷲尾さんが立っていて、どー考えても彼女も目指す場所は一緒だよなと瞬時に思い、咄嗟に下車。
ホームの表示板を見たら、やはり与野本町はスルーであった。ありがとうございます、鷲尾さん。あなたがいなければ大宮まで行って、そこから折り返していたら、きっと開演に間に合わなかったでしょう…。
さて。本題です。
あの、未完の傑作漫画『ガラスの仮面』が音楽劇となって、今、日本各地を巡演中です。
以下、文中敬称略
美内すずえの原作を、青木豪が脚色、そして演出は“世界の”蜷川幸雄!
42巻に及んでなお、フィナーレは遠い作品を約3時間に収めるのは困難だ。
それを青木-蜷川は「演劇愛」に昇華させてみせた。
彩の国ファミリーシアターと銘打って上演された『ガラス~』。
記者会見で蜷川が「家族そろって劇場に観に来られる作品がほしかった。“演劇の愉しみ”を描いたこの作品が最適だった」と語った言葉を見事に具現化していて、劇中の人物が演劇を愛する姿を描くだけでなく、観た者が「演劇ってこんなに面白いのか、こういう刺激的な舞台があるのか!」と感じるステージになっていた。
例えば、客席(主に通路)での演技を多用して、間近に俳優の表情を見せたり。。。原作生き写しの月影先生を演じた夏木マリがスッと客席から立ち上がったら、吃驚するし嬉しいヨ
或いはニナガワ演出お得意の本雨を、これでもかと3回降らしたり。。。これがまた今時のゲリラ豪雨並みに凄い量降るわ降るわ
セットを建てずに、舞台面積約1,300平方メートルの、奥行き18.18m+18.18mをフルに使った(※)演出も、また彼らしいケレンの効いた見せ方だった。
つまり、芝居体験の少ない人々の心を鷲づかみする舞台だったのダ。
(※解説)
お城だった場面が一転未来の大都会へ変わるような時、そのどちらも舞台に乗る大きさである必要があるから、西洋などの普通の劇場は「主舞台」と同じスペースが「袖(両サイド)」や「後」にちゃあ~んとある。
でも残念ながら、日本では少ない
まあ、そこで工夫して「え!こんなモノ何処から出てきたの?」と驚かす面白さや、いっそシンプルに、でもカッチョいい舞台を創る努力をしていて、それはそれで楽しいのだけれど。
とにかく、今回は全部とっぱらって、舞台の大きさ、その奧から人がグワーッといっぱい出てくる迫力や、長い距離を人が去っていくことで感じる寂しさ切なさを観客に届けていました。閑話休題
オーディションで選ばれた若い俳優たちも魅力的で、主役の北島マヤを演じた大和田美帆も、小さい身体からエネルギーを放出して、庶民派ヒロインという役どころにもマッチして実に良かった。
音楽劇にしなくても…とか、するにして曲数減らせたな、或いはやるならもっとちゃんと歌おうヨ、など思ったりもしましたが。。。
開場時間、劇場入口のテラスでファンファーレが演奏されるところから始まって、全てにおいてサービス精神に溢れた、原作に負けない、舞台『ガラスの仮面』でした。
僕は、冒頭書いたように、彩の国さいたま芸術劇場大ホールで観劇。
首都圏ではこの「埼玉公演」のみで、既に全22公演が終わっています(8/8~24)。このあと「大阪公演」が8/29~シアターBRAVA!(8/31迄)、「福岡公演」は9/5~北九州芸術劇場大ホール(9/7迄)。
埼京線の「与野本町」にある彩の国さいたま芸術劇場へ向かっていた僕は、東演の次回作『空ゆく風のこいのぼり』でも美術を担当していただく小池れい嬢とおしゃべりしながら通勤快速に乗っていた。とある駅でやけに人が降りるなぁとか思って車窓の外を見たら、そこに鷲尾さんが立っていて、どー考えても彼女も目指す場所は一緒だよなと瞬時に思い、咄嗟に下車。
ホームの表示板を見たら、やはり与野本町はスルーであった。ありがとうございます、鷲尾さん。あなたがいなければ大宮まで行って、そこから折り返していたら、きっと開演に間に合わなかったでしょう…。
さて。本題です。
あの、未完の傑作漫画『ガラスの仮面』が音楽劇となって、今、日本各地を巡演中です。
以下、文中敬称略
美内すずえの原作を、青木豪が脚色、そして演出は“世界の”蜷川幸雄!
42巻に及んでなお、フィナーレは遠い作品を約3時間に収めるのは困難だ。
それを青木-蜷川は「演劇愛」に昇華させてみせた。
彩の国ファミリーシアターと銘打って上演された『ガラス~』。
記者会見で蜷川が「家族そろって劇場に観に来られる作品がほしかった。“演劇の愉しみ”を描いたこの作品が最適だった」と語った言葉を見事に具現化していて、劇中の人物が演劇を愛する姿を描くだけでなく、観た者が「演劇ってこんなに面白いのか、こういう刺激的な舞台があるのか!」と感じるステージになっていた。
例えば、客席(主に通路)での演技を多用して、間近に俳優の表情を見せたり。。。原作生き写しの月影先生を演じた夏木マリがスッと客席から立ち上がったら、吃驚するし嬉しいヨ
或いはニナガワ演出お得意の本雨を、これでもかと3回降らしたり。。。これがまた今時のゲリラ豪雨並みに凄い量降るわ降るわ
セットを建てずに、舞台面積約1,300平方メートルの、奥行き18.18m+18.18mをフルに使った(※)演出も、また彼らしいケレンの効いた見せ方だった。
つまり、芝居体験の少ない人々の心を鷲づかみする舞台だったのダ。
(※解説)
お城だった場面が一転未来の大都会へ変わるような時、そのどちらも舞台に乗る大きさである必要があるから、西洋などの普通の劇場は「主舞台」と同じスペースが「袖(両サイド)」や「後」にちゃあ~んとある。
でも残念ながら、日本では少ない
まあ、そこで工夫して「え!こんなモノ何処から出てきたの?」と驚かす面白さや、いっそシンプルに、でもカッチョいい舞台を創る努力をしていて、それはそれで楽しいのだけれど。
とにかく、今回は全部とっぱらって、舞台の大きさ、その奧から人がグワーッといっぱい出てくる迫力や、長い距離を人が去っていくことで感じる寂しさ切なさを観客に届けていました。閑話休題
オーディションで選ばれた若い俳優たちも魅力的で、主役の北島マヤを演じた大和田美帆も、小さい身体からエネルギーを放出して、庶民派ヒロインという役どころにもマッチして実に良かった。
音楽劇にしなくても…とか、するにして曲数減らせたな、或いはやるならもっとちゃんと歌おうヨ、など思ったりもしましたが。。。
開場時間、劇場入口のテラスでファンファーレが演奏されるところから始まって、全てにおいてサービス精神に溢れた、原作に負けない、舞台『ガラスの仮面』でした。
僕は、冒頭書いたように、彩の国さいたま芸術劇場大ホールで観劇。
首都圏ではこの「埼玉公演」のみで、既に全22公演が終わっています(8/8~24)。このあと「大阪公演」が8/29~シアターBRAVA!(8/31迄)、「福岡公演」は9/5~北九州芸術劇場大ホール(9/7迄)。