インターナショナルラグジュアリーメディア社の月刊誌「OCEANS」4月号の特集のトップが“「男クサイル」で行こう”だった。
大きな「ク」と「サ」の間に〈男臭い〉と小さな、同じく「サ」と「イ」の間に〈スタイル〉と入った文字レイアウト。
いうまでもなく、男臭いスタイルが「男クサイル」なわけだが、お洒落な大人の雑誌だから言えるのであって、立ち飲みでヨレヨレのネクタイの課長代理がのたまわってとしたら、オヤジギャグ以下の捉え方をされるだろう(T_T)
その特集ではスティーブ・マックイーンや黒澤明が大きく扱われ、同誌調査の女性アンケートによる「男臭い男」の1位が江口洋介、2位坂口憲二、3位ジョージクルーニーと発表されている。
なるほど。・・・なんか微妙な結果だな。
さて、この春、東演が放つ舞台に登場する主人公の生き方も、大いに「男クサイル」な作品だ!
自分の生き方を貫いた、伝説のピエロクリちゃん! 1970年代に実在した彼の生きざまを、夢を見い出せない今の若者がどう捉えるかを、描きたい。
そして今の若者の代表として、もう一人の主人公・清水ナオキが登場する。
・・・むしろ彼の目線で物語は進行して行くとも言える。
こちらはまるで男臭くないのだが……
でも。彼が成長する姿が、芝居の見所だったりもするのダ。
前述のクリちゃんのドキュメントが原作。
だがそれに、今乗りに乗っている劇作家・いずみ凛のテイストが加わり、原作にはない“2009年現在のサーカスの人々”がいっぱい出てくるのが、『翔べ!イカロスの翼-君は翼を見たか』である。
そしてナオキ役に大抜擢された3年目の飯田光。
今、稽古場で揉みに揉まれている。
ナオキの成長以上に、光の成長がドキュメンタリーに展開していると、言えなくもない稽古場。
東演らしい「人間クサイル」な時間が、きっと素晴らしい舞台に結実するだろう。