麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

大谷vs藤浪的演劇(壱)~あゆみ

2014年07月21日 | 鑑賞
大谷翔平と藤浪晋太郎の予告先発に
スタジアムがどっと沸いたのは7月18日。
しかも二人の若人が立つマウンドは
阪神甲子園球場とあって、
ボルテージはさらに高まった。



演劇界においても、そんな企てがあって。
昨日観たのは劇団青年座vs柴幸男。

『あゆみ』作・演出/柴幸男
青年座劇場にて7月12日~21日

創立60周年記念公演の一つであり、
かつ演技部主導で企画された
「Act3D~役者企画・夏の咲宴」
として上演される三本の、
先陣を切った舞台でもあった。

1962年入団のベテランから
2013年に座に加わったばかりの
若手まで13人が「素舞台」で
「あみちゃん」の一生を奏でた。

えと、素舞台ってのは・・・
演劇につきものの「大道具」が
一切ない「裸舞台」のこと。

役者10人で始まった劇団が
今は大きくなって、役者は
演者のみに集中できる環境だが、
60周年を機に原点に戻ろう!
との気概から生まれた企画だと
パンフレットにあった。

何もない稽古場(兼劇場)で
役者が体ひとつで勝負する『あゆみ』は
まさにふさわしい作品だった。

小道具も最小限で、主人公、
その両親、友人、恋人ら登場人物を
役者達がランダムに演じる構成。



青年座の強みは層の厚い俳優が
座での公演に留まらず、
外部出演にも積極的な点だ。

この舞台もいわゆる「新劇」とは
大きく趣を異とする作品だったが、
セリエAやブンデスリーガのクラブから
戻ってきた選手が新風を注ぐように、
「小劇場テイスト」の芝居に
決して翻弄されることなくしっかりと
青年座の舞台に昇華させていた。

具体的な一例を挙げれば、
身体性に特化したシアターモーメンツに
何度も客演している小暮智美の
本作へのフィードバックは大きかった。
(あくまで一例。
書くと長くなるので

勿論。「創作劇の青年座」を
劇団活動の柱として活動してきて、
これまでも若い才能の作品を
次々レパートリーとしてきた
集団としての「歩み」の積み重ねが
寄与しているのは言うまでもない。

僕の観た回は追加公演だったが超満員。
2010年岸田國士戯曲賞受賞するなど
注目大のコラボレーションは、
制作面でも成功した舞台だった。
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