麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

年輪と絵姿の便り(二)

2014年09月19日 | 制作公演関連
藤沢周平の時代劇、二編。
直木賞受賞作『暗殺の年輪』と
短編集『江戸絵姿おんな絵巻』を
朗読劇で楽しんで貰おうという試みの
J-Theater~日本人作家シリーズ~
(10月7日~9日、小劇場B1)

まぁタイトルから想像がつくだろうが
前者は男臭い、後者は女に光を当てた筋の運び。

昨日は『暗殺~』の稽古が目黒で。
めぐろといえば秋刀魚
気づけば旬の季節。
蝉の声も耳にしなくなり朝晩は冷える。
権之助坂の印刷所の幟には
「喪中はがき承ります」の文字。
嗚呼、日本の四季。

元劇団四季の黒川逸朗の熱血演出は
続いている。

「近頃の若者は…」は常に言われ続け、
今に始まったことではないのは承知だ。
その積み重ねで、昔の言葉と現代のそれは
大きく隔離してしまった。
その時、選んで「使わない」のと、
使おうにも「使えない」のでは雲泥の差。

今回は「江戸の世界」を聴くだけで
観客の頭の中に映像化させる仕事……
若者たちに厳しい指導が及ぶ。

もちろん中堅ベテランにも藤沢周平の描く
物語に挑戦するのは大変な作業だ。

例を挙げれば……「密夫」なんて語がある。
文字で読めばイメージも沸くが
「みっぷ」と耳で聞いてもわかりづらい。
今でいうところの「不倫」なのだが、
「密男」と書いて「みそかお」と読み
意味も同じなのでそちらを使っている。
それはそれでピンと来る人は少ないとも思う。
けれど、少し雰囲気がいい。

なんたって朗読劇。
そーゆー細々にも神経を使いつつ、
奥深い周平ワールドをぐっと鷲掴みするような
大胆な捉え方も同時に試みながら、
本番に向かう十三人なのである。
(一部ダブルキャストですが全公演出演)

稽古場の窓からは東京タワーが
済んだ夜空に赤と白の姿をくっきり見えた。

赤と白・・・イングランドの国旗
白地に赤い十字のセント・ジョージ・クロスを
思い浮かべた。
「江戸の芝居してて赤白なら日の丸でしょ!」
ごもっともだが、ねえ、スコットランドの
国民投票の日だったからね。
ユニオンジャックから、青地に白い斜め十字の
セント・アンドリュー・クロスが抜けるのか否か。
などなどのニュースの影響。

コメント (2)
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