麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

幻影正々堂々の無頼

2017年03月29日 | 制作公演関連
漫画でありがちな展開として、
主人公が二軍(時には三軍)にいて、
ジャイアントキリングを起こす!
つまり格上に一泡吹かせる、
という筋立てがありますよね。

芝居でダブルキャストを組む場合、
力の拮抗する役者を張らせるのが、
まぁ数としては多いと思うけど、
のびしろに期待して抜擢する
ケースも割とあって・・・。

実際僕にも経験がある。
本来は脇が合うタイプの役者に
一度は芯の役を経験させつつ、
少々天狗になりかけている
若手筆頭格に、下からの
突き上げがあることを感じさせ、
劇団の空気を掻き回す。等々、
色々仕掛けてきた。

そして、前段のジャイキリよろしく
抜擢組が良い結果を出すのである。
全てでは、もちろんないが。

※※※

昨日、少し書いた『無頼』
(クレイジーJAP月下美人公演。
東演パラータにて1997年)も、
座の看板として幾多の舞台を踏む
華のある女優Kに対して、
闘志をたぎらせる男前の女優Sを
ぶつけて化学反応を起こそう!と、
プロデューサー兼主演Hが
演出Tと決めたものだった……。

それがジャイキリだったか、
弾き返したのかは今日の主題ではない。

その作品に、当時飛ぶ鳥を落とす
「くらい」勢いのあったカンパニーの
「きむけん」も出演していた。
人を魅了するぎょろりとした瞳で
「うちは俺と制作の二人しかいねぇ」
と言っていたので、あの時は
もう籍がなかったのだろうが、
J-Theater主宰の小林拓生は、
ある時期、そのカンパニーにいた。

小林と出会うのは2009年なので、
当時は拓生の「た」の字も出ず、
逆に09年に「マ」の話などしなかった。

そんな接点ともいえないような
小さな係わりがあったことは、
J-Theaterの制作を受けるようになり
あれこれ話すようになってから、
ある日ポロリと出てきたのである。

※※※

はてさて。
『近代能楽集』小林拓生演出の
「班女」「邯鄲」のダブルは
どんな化学変化が起きるだろう。



追記
書き上げてから資料を繰ってみたら
Sと記した女優は、この公演では
「ひかる」というクレジットだと判る。
でも、そーするとHが二人になるから、
まんま載せてみた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする