『不良少女白書』という歌がある。
名曲だ。
『結婚するって本当ですか』や
テレビドラマ『裸の大将』のテーマ曲、
映画『地球‐テラ‐へ』の主題歌等を
代表曲に持つ男女デュオのダ・カーポ
(夫婦デュオというべきか……、一時
娘さんも加わったトリオの時代も……)
の、榊原まさとしがソロで歌い、
B組シリーズの一編(1981年)
『2年B組仙八先生』の挿入歌にも。
作詞作曲さだまさし。
♪人には黒く見えるカラスが
自分には白く見えてしまう♪
という一節があるのだけれど。
※
北海道胆振東部地震による全道停電。
原発が稼働してさえいれば、
こんなことは起きなかった。
盲目的な左陣営の情緒に流れた悲劇。
これを機に目を覚ませ!との声。
対して。
地震がいつどこで起きるか判らない
この国ではやはり原発はありえない。
脱原発を今一度推し進める好機と。
前述の歌は「不良少女」が
自分が他の多くと異なるのを嘆くが
「電力の危急」においては、
互いに相手が「不良少女」に
見えているのだろう、きっと。
※
♪何が正しくて、何が嘘ですか
百じゃなければ零ですか♪
歌は、そうも言う。
不良少女の年頃ならではの叫び。
そして。ここで歌われる不良少女は
いわゆる「不良少女」ではなく、
もっと広域の、無名の一人で
年齢も、性別すら超えた者の声。
ゆえに共感を得てヒットした。
むしろ。
♪なぜ嫌いですか、なぜ好きですか
左ですか 右ですか♪
と今更青臭いことを叫べない層の
代弁だったのだろうか。
歌の流れた当時、制服を着て
授業を右耳に聞いて頬杖をつき、
ぼんやり青い空を眺めていた僕は
自分に精一杯で大人のことなど
まるで想像もしなかったけれど……。
※
様々な意見の人がいて成立している
世の中、全て同じ考えなら逆に
恐怖以外のナニモノでもない。
そんなこた~百も承知之助の年になり、
あの頃みたいな真っ直ぐな正義だけじゃ
やってけないことも判りつつ……。
そうだ。
「正義」に照らして一つ懺悔しよう。
中三の教室は敷地の端っこ。
外は山道。崖をコンクリで覆った壁。
しかも一階だったから、窓外の景色は
いくら目線を上げても生い茂る竹藪。
読み手の絵を気にして書いた嘘。
ごめんなさい。