ガソリンスタンドのENEOSの店頭に
この季節並ぶのが楽しみなのが、
『童話の花束』だ
「ENEOS童話賞」の入賞作品を束ねた一冊。
累計40万編の応募、1023編の入賞を生み、
今回で53回を数えるが、残念ながら
1973年「共石創作童話賞」に始まる歴史を
閉じることが巻末に知らされた。
一般、中学生、小学生以下の三部門あり、
それぞれの面白さが、魅力的な絵とあいまって、
桜の季節の楽しみのひとつだったのだが……。
数行前に「共石~」と記した。
1965年に誕生した共同石油が
70年、販促品として童話集を作ったのを機に
その3年後からスタートした企画だ。
92年に日鉱と合併。翌年ジャパンエナジーとなり
ブランド名をJOMOとすると「JOMO童話賞」に、
2010年には同様の理由から「JX童話賞」……
以後も社名変更のたび名称を変えながら継続。
その間の選考委員も華やかだった。
星新一、岸田今日子、立原えりか、いもとようこ等、
作家、女優、童話作家に絵本作家らが並んだ。
ちなみに。
今回の一般の部・佳作のひとりが清水邦夫。
演劇界の巨星と、同姓同名の方がいた。
(74年『ぼくらが非情の大河をくだる時』で
岸田戯曲賞受賞。1958年~2021年)
個人的には、中学生の部・佳作『キリコさんの窓』の
スケール感に可能性を見いだした。
童話賞、その作品集、売上を基金とした奨学助成制度と
活動の翼を広げてきていたが既述のように
賞と『童話の花束』は、おしまい
ただ、形は変えつつも進学支援は継続とのこと。
日本では、社会福祉やスポーツに関して随分と
企業に頼り過ぎた感がなきにしもあらず。
もちろん社会貢献には大いに期待するのだが…
バランスも大切だとも思う、土曜日。
桜満開ながら雨模様の昼下り。
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