五木寛之著 「ゆるやかな生き方」(実業之日本社)を 読み切りました。
2004年から2013年に渡って 各紙誌に執筆された 著者の膨大なエッセイの中から抜粋、編集し、集大成した書なんだそうです。
著者は 「あとがきにかえて」の中で 「エッセイと呼ぶことには なにがしかの抵抗感有り ロシア語のフェリエトン(「雑録」「雑文」)の塊」等と 謙遜されていますが 1編、1編、やはりきらりと光り 心に響くものがあります。
毎週のように 飛行機、電車、車で移動され 全国各地を駆け回り 旅先の喫茶店で原稿を書き FAXで送稿するというような多忙な生き方をされておられる著者 五木寛之氏にして 「ゆるやかな生き方」は 「見果てぬ夢」であると 述懐されています。
「人は 雑事に追われつつ 一生を過ごすのである。息をするのも、物を食べるのも、旅をするのも、人生の雑事である。雑事のうちに日が過ぎ、年が流れ、人は去っていくのだ」・・・・・。
うーん、今の自分に照らしてどうなのか?、なにか 言い当てられているような気にもなってしまいます。
第一部 ゆるやかに生きる
「のんびりと、ボチボチと」
「悲鳴から生まれる智恵」
「小さな時間の小さな楽しみ」
「心萎える国と命甦る国」
「箸は二本というけれど」
「五目炒飯文化のゆくえ」
「どうしてもわからない」
「金をかけない道楽のすすめ」
「流行・風俗・時代へのこだわり」
「靴と鞄のスタンダード」
「時が流れる自分も変わる」
「日暮れて道なおはるか」
第二部 健康と日常
「日常の意外な忘れもの」
「「これ一つ」では ダメなのだ」
「スポーツ・ジムに通えずに」
「わが内なるギックリ腰」
「体の言葉に耳を傾ける」
「自分で判断するしかない」
「よい加減をみつけること」
「脳のどこを鍛えるのか」
「現代社会の七ふしぎ考」
第三部 気ままな旅
「古い街に吹く新しい風」
「ガンジスの流れは青かった」
「インドの風に吹かれて」
「広州から韶関へ酷暑行」
「カメラもつ旅もたぬ旅日記」
「ブータンそろりそろり」
「ブータンの寅さんたち」
「韓国の寺を訪ねて思うこと」
「アメリカかいなで紀行」
「日本人ばなれした九州人」
「あとがきにかえて」
あくせくと 慌しく 走ってきた人生、ゆるやかに生きるヒントが ちりばめられた書だと思います。
かくかくしかじか 日頃 思ったりしていることが 随所に書かれており 共感を覚えました。