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久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ

2020年03月03日 06時38分17秒 | 懐かしい小倉百人一首


小倉百人一首で春を詠んだ歌 その4

久方の 光のどけき 春の日に
しづ心なく 花の散るらむ

出典 
古今集(巻二)

歌番号
33

作者
紀友則(きのとものり)

歌意
陽光ものどかなこの春の日なのに 
なぜ落ち着いた心もなく 
桜の花は散り急いでいるのでしょう。

注釈
上の句では 春の日永ののんびりした様子、気分が漂っているが
下の句では 一転して慌ただしく散り急ぐ桜をいぶかっている。
見事な対照で
爛漫の桜を鑑賞しつつも、散る桜をいぶかる心情を、
歌い上げている。

「ひさかたの」・・光、天、空、日、月、雲等にかかる枕言葉。
「しづ心」・・「静心(しずごころ)」1語で名詞。落ち着いた心。
「花の散るらむ」・・疑問の語は無いが「なぜ・・だろう」の意。

紀友則
紀貫之の従兄弟。古今集撰者の一人。
古今集には 46首入集している。
三十六歌仙の一人。歌の道では 紀貫之の先輩にあたる。
延喜4年(904年)に、大内記(だいないき)に昇進している。


参照・引用
「小倉百人一首」解説本(文英堂)


 


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