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池波正太郎著 「雲ながれゆく」

2023年01月15日 12時25分01秒 | 読書記

図書館から借りていた、池波正太郎著「雲ながれゆく」(文春文庫)を、読み終えた。池波正太郎と言えば、「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅庵」等、典型的な男を描くシリーズを思い浮かべてしまうが、本書の主人公は、江戸天明期、市井に生きる男勝りの寡婦お歌で、短期間に次々起きる「困った」「困った」事態を乗り超えていく姿を描いた長編時代小説である。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に 
書き留め置くことにしている。


▢目次
 雷雨、西瓜提灯、告白、流星、小屋の中、草雲雀、地蔵ヶ原、天高く
 解説・筒井ガンコ堂
▢主な登場人物
 (笹屋)お歌、伊之助(お歌の亡夫)、福太郎(お歌の義弟)、お絹(福太郎の妻)
     長助(笹屋の番頭)、おたね(元笹屋の老女中)、伊太郎、
 (大村)平四郎(料理店、お歌の兄)、お房(平四郎の妻、お歌の義姉)
     幸太郎(平四郎の倅、お歌の甥)
 (三倉屋)治兵衛(紙問屋、笹屋の親戚の長老)
 (高砂屋)久兵衛(菓子屋、お絹の兄)
 馬杉源吾(謎の剣客)
 徳太郎(お歌の幼なじみ)・お金(徳太郎の妻)
 関口理右衛門(越前大野藩土井能登守利貞の家来、江戸屋敷留守居役)
 三沢又太郎、中西郷右衛門、
 三次郎(岡っ引き、十一屋の親分)、彦八(三次郎の手先・下っ引き)
 滑川勝庵(町医者)
▢あらすじ
浅草の駒形堂の前の老舗菓子屋「笹屋」の名物は、羽衣煎餅、将棋落雁で、お歌の亡夫伊之助で4代続いていたが、伊之助が3年前に病死、伊之助・お歌には、子供が無く、店は、次弟福太郎が当主となっていた。福太郎には、商売の才無く、店が傾きかけ出しており・・・・・・。
ある夏の日、出先で突然の雷雨で雨宿りしたお歌は、行きずりの謎の浪人に手ごめにされてしまうところから物語が始まっている。幼なじみの徳太郎のおかげで、謎の浪人が最教寺の小屋に住んでいる馬杉源吾と分かったが、「あの男」「あんなやつ」から「あのお人」「あのお方」、次第に惹かれていくお歌、義弟福太郎との確執。兄平四郎との確執。実家の料理店「大村」に戻るのか、亡夫伊之助の義理で「笹屋」を立て直しをするのか?、一度はおびき出され殺されかけ、九死に一生を得たお歌、敵討ちのため身を隠す三沢又太郎と匿ったり、次々に起きる「困った」「困った」、事態、事件。悩みながら、勝ち気に乗り越えて生きる江戸の女の姿を描いた作品だ。


お歌は、うなずいて、長助の顔から視線を再び空に移した。・・・・・・。
お歌は、抱いている伊太郎の顔を、その方へ向けてやり、(ほら、ごらん。お前のお父さんが、空の上を歩いていなさる)・・・胸の内で、そういった。(完)





 


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