図書館から借りていた、葉室麟著 「約束」(文春文庫)を読み終えた。
本書は、現代(平成時代)の4人の高校生が、たまたま一緒に、銀座の交差点で雷に打たれ、過去(明治維新直後時代)に転生して、西郷隆盛、大久保利通、勝海舟、江藤新平等を援け、奔走し、明治維新に立ち会う、近代史の立役者たちの側で、激しい歴史のうねりに巻き込まれるという、奇抜な発想、エキサイティングな長篇小説だったが、著者没後に、ご遺族が発見した、著者の幻のデビュー作?なのだという。
読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に、書き留め置くことにしている。
▢目次
(一)~(十三)
加納浩太から加納謙司への手紙
解説 内藤麻里子
▢主な登場人物
益満市蔵(ますみついちぞう)=加納浩太(かのうこうた)
芳賀慎伍(はがしんご)=志野舜(しのしゅん)
小曽根はる(こそねはる)=神代冬実(かみしろふゆみ)
得能ぎん(とくのうぎん)=柳井美樹(やないみき))
桐野利秋(きりのとしあき、中村半次郎、島田一郎)=飛鳥磯雄(あすかいそお)
大久保利通(大久保としあき)=加納謙司(かのうけんじ)・早崎ます・おゆう、
川路利良、
益満休之助、
宮崎八郎、
西郷隆盛、西郷従道、西郷小兵衛、
勝海舟・たみ・ゆめ・孝子・逸子、
江藤新平、板垣退助、後藤象次郎、福島種臣、乃木希典、
岩倉具視、木戸孝允、
島津久光、村田新八、
クララ、パトリック・ヘンリー、
▢あらすじ等
都立高校3年の加納浩太、私立草城高校3年の志野舜、都立高校2年の神代冬実、
私立草城高校中退の柳井美樹の4人は、学校からの帰途、交差点で落雷に撃たれ、
そのショックで意識が時を飛び、目覚めると、
120年以上前、明治維新直後の明治六年(1873年)にタイムスリップ、
明治維新時代に生きる青年達の身体に転生していて、明治人と現代人の二つの意識を持って、
西郷隆盛、大久保利通、勝海舟など明治維新の立役者達の身辺に仕えながら、
否応なく歴史のうねりに飲み込まれていき、やがては西南戦争で敵味方に分かれ・・・・、
「皆で力を合わせて、あっちの時代(現代)に戻る約束」した4人だったが・・・。
若者の成長物語である一方、「征韓論論争」から「西南戦争」に至る歴史認識が、
葉室麟特有の筆力で、きめ細かく描かれていて、
「へー!、そうだったのか」、目から鱗・・・・、である。
浩太は、謙司に駆け寄った。
「西郷さア、西郷さアと子供のころに約束しもうしたなあ、国のために命を捨てると、
おいは約束を守りもしたぞ」
大久保の声だった。
(中略)
浩太は胸の中でつぶやいた。人力車に乗った女が見えた。おゆう、だ。
「すみません、俺は、大久保をあなたのもとに返すことが出来なかった」
浩太は詫びた。
やがて、闇が浩太を包んだ。どこかで、こうた、こうた、浩太と呼ぶ声を聞いた。
葉室麟作品に、新作が無いと思うと哀愁にかられます。
一連の物語、入れ込みが深いのが赤穂浪士関連です。
文庫で購入しています。
外仕事に精出されてのこと、お連れ合い様との助けあい、どうぞ無理なく佳いお年をお迎えくださいね。
拙ブログへの日参、感謝申します。
規約数字に1111です。
新に創作にかかっています。
とてもうれしい応援にお礼を❢
創作もされておられるんですね。
アナザン・スターさんの独特の作風が、想像されます。
読書初心者の爺さん、葉室麟作品、まだまだ未読わんさか有りますが、来年も気まぐれに読んでいきたいと思っているところです。
コメントいただき有難うございます。